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三洋電機株式会社は、出力450mWの青紫色半導体レーザーを開発した。同レーザーを利用することで、4層のBlu-ray Discでも12倍速で記録可能になるという。2~3年後の量産化を目指して、今後開発を進めるとしている。
新開発のLASTECT構造の採用により高出力時の安定動作を可能としたほか、低損失光導波路構造により電力-光交換効率を向上。さらに新たに独自のビーム安定化構造を取り入れ、安定した出力特性を実現したことで、450mWの高出力を可能としたという。 直径5.6mmのパッケージとし、光出力は450mW(パルス)/200mW(連続)、動作電流は200mA(200mW時)。 第1の特徴は、LASTECT(低光吸収端面保護膜構造)と呼ばれる新構造を採用したこと。レーザー素子の両端面において、反射率制御や酸化防止のために端面保護膜が形成されているがこの構造を改善した。通常、この端面保護膜は誘電体で構成されるが、この膜でレーザー光が吸収され、光出力が低下するという課題があった。今回この端面保護膜の構造を光吸収の形の少ない新構造を採用することで、長時間動作時でもレーザー光の出力が低下せず、長期の安定動作を可能としたという。 2つめは、低損失光導波路構造。光を発生する発光層を上下から挟み込んだクラッド層について、独自の高品質結晶成長技術を採用。光吸収を従来の半分以下に抑制することで、導波路での光損失を低減。これにより、レーザー素子の電力-光変換効率を向上し、動作電流の低減が図れるという。 3つめの特徴は、ビーム安定化構造。半導体レーザーを安定的に動作させるため、高出力動作時における素子内部でのレーザービーム揺らぎを抑制する必要があるが、ここに光導波シミュレーション技術と高精度光導波路形成技術を開発し、高出力まで安定した光出力特性を実現したという。
高出力化により、将来規格化が見込まれているBlu-ray Discの4層ディスクへの記録が可能となるほか、2/4層でも12倍速で記録できる。12倍速対応により、「2時間番組を10分でダビングできるシステムを実現できる」としている。 なお、同レーザーの実用化については、2~3年後を見込んでいるという。「Blu-rayの4層規格はまだ無く、合意されているわけではない(研究開発本部アドバンストデバイス研究所 茨木晃所長)」としており、今後歩留まりの向上などに取り組むなど、開発を進めていく。 □三洋電機のホームページ ( 2008年10月3日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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