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シャープ、世界初のBDレコーダ内蔵液晶TV「AQUOS DX」
-26~52型。「AQUOS TVと言えばBD付」へ


11月20日発売

標準価格:オープンプライス


 シャープ株式会社は、世界初のBlu-ray Discレコーダを内蔵した液晶テレビ、AQUOS DXシリーズを11月20日に発売する。52、46、42、37、32、26型の6サイズを用意。各モデルにカラーバリエーションを用意し、合計16機種となる。価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は下表の通り。

サイズ モデル名 カラバリ パネル 店頭予想価格 発売日
52V型 LC-52DX1 ブラック系
ホワイト系
1,920×1,080ドット
120Hz駆動

TVコントラスト比
15,000:1
50万円前後 11月20日
46V型 LC-46DX1 ブラック系
ホワイト系
45万円前後
42V型 LC-42DX1 ブラック系
ホワイト系
レッド系
38万円前後
37V型 LC-37DX1 ブラック系
ホワイト系
レッド系
30万円前後
32V型 LC-32DX1 ブラック系
ホワイト系
レッド系
1,366×768ドット

TVコントラスト比
7,000:1
20万円前後
26V型 LC-26DX1 ブラック系
ホワイト系
レッド系
17万円前後

片山幹雄氏社長兼COO

 最大の特徴はBDレコーダを液晶テレビに内蔵したこと。レコーダとの配線が不要になるほか、操作メニューなどを統合できるため、使いやすさが向上。HDDは内蔵していないが、「HDDに録画してディスクに書き出す」といったシステムを理解していなくても利用できる“わかりやすさ”をアピールポイントとして訴求。「VHSと同じようなわかりやすさ、使いやすさを重視した」という。

 そのため、録画機能はディスクへの直接録画のみとなる。対応メディアはBD-R/R DLとBD-RE/RE DLで、DVDへの録画には非対応。MPEG-4 AVC/H.264へのトランスコード機能も備えており、最長5倍の長時間録画が可能。2層50GBのメディアに、HD映像を21時間録画できるという。

 トランスコード機能は、同社単体BDレコーダの機能と同等。TS録画を行なう「標準モード」に加え、AVCを採用した2/3/5倍録画が可能。2/3倍モード時には、サラウンド音声データやデータ放送の情報もそのまま記録可能。5倍モード時はサラウンド音声のみ保存される。

 ドライブは本体向かって右側の背面に装備。スロットインタイプで、右側面からメディアを挿入するイメージになる。BD/DVDビデオの再生機能は備えているが、DVDへの録画には非対応。BDメディアにSD解像度で録画することもできない。

ドライブは向かって右側面に備えている ドライブ部 スロットインタイプのドライブになっている
52V型の「LC-52DX1」 46V型の「LC-46DX1」 42V型の「LC-42DX1」

 複雑な操作を必要とする編集機能は備えておらず、録画時のCMカットなども行なえない。BD-REに録画したコンテンツを、タイトル単位で削除する機能のみ備えている。また、i.LINK端子は備えていないため、他のレコーダ内のコンテンツをBDで書き出すことはできない。なお、こうした録画機能は全モデル共通仕様。

 予約録画はEPGから行ない、ブランクメディアを挿入していなくても予約録画指定が可能な「一発予約」が可能。メディアが入っている場合には録画可能残り時間の目安を表示。予約した番組情報の下に、現在挿入されているメディアの残り容量で録画が可能か否かを、アイコンでわかりやすく表示する。

 毎週録画も指定可能だが、おまかせ録画機能は非搭載。さらに、ブランクメディアを挿入して約3秒で録画が開始できる「瞬速録画」機能を搭載。突然の来客時などに、メディアを挿入するだけで、すぐに続きが録画できる。番組終了時点で録画が自動停止する「一発録画」にも対応する。

 「瞬速録画」は、内蔵されたバッファ用メモリ(容量非公開)に常時、番組の録画用データを保持することで実現している。そのため、レコーダ機能が起動した状態になってなければ利用できない。具体的には設定画面で「クイック起動」をONにしている状態でのみ利用でき、同機能をOFFにしていると録画開始までに20~30秒必要になるとのこと。なお、クイック起動設定時は消費電力が増える。

EPG画面から直接予約録画が可能 予約したものはEPGの左側にリストとして表示される 録画内容の変更画面。試聴予約も可能だ
32V型「LC-32DX1」 26V型「LC-26DX1」 37V型「LC-37DX1」

BDドライブが動作していることを示すランプ

 なお、録画済コンテンツの選択や、ディスクの読み込み時には、受信しているテレビ番組の表示は継続して画面の横に表示される。コンテンツの整列にアニメーションも使われておりシャープではこれらの新GUIを「モーションガイド」と名付けている。

 再生時には、記録されたコンテンツがテレビ画面右側のバーに縦方向に並んで表示される。録画済番組は番組名やサムネイル動画で確認でき、そのままテレビのリモコンで再生が可能。BDビデオソフトの場合では、挿入するだけで自動的に再生が開始。入力切り替えなどを行なう必要が無く「一発再生」と名付けられている。

BD-REのコンテンツ削除メニュー 再生メニュー。上の項目でコンテンツを選択すると、下部にサムネイル動画が表示される BD-ROM挿入直後の画面。ローディング中表示が右に小さく表示され、テレビ放送はBD-ROM再生開始直前まで継続して左側に表示される

 なお、HDMI出力は非搭載で、BDビデオのHDサラウンド音声をそのまま出力することはできないが、光デジタル音声出力は備えており、ダウンコンバート出力は可能。画質面では「AQUOS純モード」を備え、24pの映画ソフトなどをパネルの特性に合わせた高画質で表示できるという。HDMI入力は2系統用意し、1080p入力をサポート。

 52、46、42、37型はフルHD解像度のパネルを採用。独自開発のLSIを用い、120Hzの倍速駆動を実現している。37~52型の液晶は10bit駆動で、滑らかな階調表示を可能にしたという。32型と26型は1,366×768ドットのパネル。コントラスト比などは下表の通り。

 チューナは地上/BS/110度CSデジタルを2基搭載したデジタルWチューナ仕様。アナログチューナも備えている。Ethernet端子も備えているが、デジタル放送の双方向機能に利用するのみで、「わかりやすいという製品コンセプトから、アクトビラなどのネットワーク機能は非対応とした」という。

 スピーカーユニットには、6.2cm径ユニットと、2cm径ツイータを採用。本体両サイドにバスレフポートを設ける「サイドポート・バスレフ」形式を採用している。アンプは独自の1ビットデジタルアンプ。52/46V型には2.1chのスピーカーを内蔵している。

42型の背面端子部 側面の入力端子部 BD/DVDドライブの側面。録画ボタンやイジェクトボタンを供えている
本体両サイドにバスレフポートを設ける「サイドポート・バスレフ」形式 付属のリモコン。録画済コンテンツのリストや、録画、録画停止ボタンが大きなボタンで配置されている

  LC-52DX1 LC-46DX1 LC-42DX1 LC-37DX1 LC-32DX1 LC-26DX1
  52V型 46V型 42V型 37V型 32V型 26V型
パネル 1,920×1,080ドット
120Hz駆動
1,366×768ドット
輝度 450cd/m2
コントラスト比
(リビングコントラスト)
(TVコントラスト)
2,000:1
(900:1)
(15,000:1)
1,500:1
(650:1)
(7,000:1)
視野角 上下左右176度
スピーカー 6.5cm径×3
2cm径×2
6.5cm径×2
2cm径×2
アンプ 7.5W×2ch
15W×1ch
10W×2ch
入力端子 HDMI×2
D4×2
S映像×1
コンポジット×3
アナログRGB
(D-Sub 15ピン)×1
HDMI×2
D4×2
S映像×1
コンポジット×2
アナログRGB
(D-Sub 15ピン)×1
出力端子 光デジタル音声×1
モニター音声×1
ヘッドフォン×1
その他の端子 Ethernet
モジュラー
RS 232C
消費電力 312W 273W 241W 212W 146W 130W
年間消費電力量 255kWh/年 224kWh/年 201kWh/年 173kWh/年 129kWh/年 103kWh/年
外形寸法
(スタンド含む)
(幅×奥行き×高さ)
125.3×31.6
×89.8cm
111.7×31.6
×82.3cm
102×29.7
×74.2cm
91.3×29.7
×67.4cm
78.6×24.1
×60.7cm
65×24.1
×53.2cm
重量
(スタンド含む)
約35kg 約30kg 約25.5kg 約23.5kg 約17kg 約14.5kg


■「AQUOSテレビと言えばBDレコーダが付いていると言われるように」

片山幹雄氏社長兼COO

 片山幹雄氏社長兼COOは、BDレコーダを液晶テレビに内蔵した理由について「ハイビジョンレコーダへの買い替えが進まないこと」を挙げる。2008年3月末の時点で、地デジの受信可能世帯数は93%、ハイビジョン対応薄型テレビの世帯普及率は43.9%に達している。しかし、録画機に関して言えば、アナログビデオテープレコーダ(約1,640万世帯)とDVDレコーダ(約1,690万世帯)を合わせた約69%の世帯が、まだハイビジョンで録画/再生できない世帯だという。

 片山社長はレコーダのハイビジョン化が進まない背景には、「操作が簡単で、録画したものが取り出せるカセットテープの親しみやすさが、お客様のニーズにマッチしているからではないか」と分析。「HDDに録画したものをダビングするなど、わずらわしい操作を無くし、“誰でも使える”ことを重視した」と語り、VHSテープをそのままBDメディアに置き換えたような、シンプルな機能/操作性のDXシリーズの特徴を説明した。

 さらに、BD用半導体レーザーや光ピックアップなどを自社で手掛け、垂直統合型ビジネスモデルの結果としてBDレコーダ内蔵テレビが実現できたことや、低価格化への取り組みも紹介。「レコーダとテレビを組み合わせると、本来1+1=2の価格になるはずだが、1+1=1に近づけるよう、コストダウン努力を行なった」という。今後の展開としては、年内に米国で、来年には欧州とアジアでも販売される予定。

レーザーやピックアップなども自社開発であることをアピール

 片山社長は市場環境については厳し見通しを示しながらも、「同質化競争が進む中で、シャープの強みは高画質。高画質を簡単に楽しむことを訴求していきたい」と、DXシリーズの差異化機能を強調。さらに、「CEATECにこの商品を出さなかったが、戦略的に暖めてきて、開発にも相当な期間かかったモデルであり、年末商戦にようやく間に合ったという状況。26V型~52V型までをカバーするラインナップで、我々としてはAQUOSのメインと位置付けている。BDレコーダが搭載されていないAQUOSもあるが、『AQUOSと言えばBDが付いている』くらいの位置付けで年末商戦をがんばっていきたい」と意気込みを語る。

 なお、今後BDレコーダ内蔵AQUOSにHDDが搭載される可能性については、BDメディアの容量の大きさや、低価格化などを理由とし、「はっきり言ってまったく考えていない」と答えた。

□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/081015-a.html

(2008年10月15日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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