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TVアニメ「紅 kurenai」のDVD発売記念イベントが開催
-悠木さんが新谷さんに“告白!?”。ドラマCD化も


イベントではプレゼント企画も行なわれた
9月20日開催


 4月からテレビ神奈川やチバテレビなどで放送され、高いクオリティが話題となっているテレビアニメ「紅 kurenai」。DVD化も7月16日からスタートしており、9月17日にはDVD第3巻(PCBG-51184/4,935円)、10月15日には第4巻(PCBG-51185/4,935円)が発売されたばかりだ。

 そんなDVD 第3巻の発売を記念し、9月20日に記念イベントが都内某所で開催された。出演声優の中から、九鳳院紫(くほういん むらさき)役の悠木碧さんと、崩月夕乃(ほうづき ゆうの)役の新谷良子さんが登場。爆笑トークを繰り広げた。


■ プレスコが生み出すリアリティのあるアニメ

DVD 第1巻のジャケット。ブランコに乗っているのが九鳳院紫。奥が紅真九郎
(C)「紅」制作委員会

 紅真九郎(くれない しんくろう)は、高校一年生ながら“揉め事処理屋”を営み、古びたアパートで一人暮らしをしている。暗い生い立ち故、愛想笑いで身を守りながら、普通の暮らしに憧れている苦労人。だが、今回飛び込んで来た依頼は普通ではなかった。

 彼のボスである紅香(べにか)からの依頼は、幼い少女を守って欲しいというもの。だが、謎の少女・九鳳院紫(くほういん むらさき)の正体は、世界有数の大財閥の令嬢だった。わがままで世間知らずな紫を家に住まわせることになり、彼女に振り回される日々が幕を開ける。だが、そんな生活にも慣れ始めた頃、思いも寄らない事態が起こる……。

 真九郎が暮らすワンルームのオンボロアパートに転がり込んで来たのは、銭湯に行った事も無く、テレビも見たことがないような気高い箱入り娘。登場人物達の背景に重荷がチラつく物語だが、真九郎と紫という経済力が対照的な2人が、共同生活を営む中で様々なズレが浮き彫りになる様がなんとも微笑ましい魅力に満ちている。

DVD 第3巻のジャケット。着物姿の崩月夕乃がメインだ
(C)「紅」制作委員会

 また、立場は違えど2人には“孤独”という共通点があり、だからこそわかりあえ、助け合える事も多い。年齢は離れているが、真九郎に惹かれ、彼に釣り合うような大人になりたいと願う紫と、彼女を守ることで望んでいた“強い自分”に近づこうともがく真九郎。孤独な2人が傷を舐め合うのではなく、背中合わせで前を見据えているのも、作品の小気味良さに繋がっている。

 色濃いヒューマンドラマを支えているのは演技派の声優達。若手声優の中でも演技力の高さで知られる真九郎役の沢城みゆきさんや、若干16歳ながら紫の瑞々しさを見事に表現した悠木さんなど、ハマリ役ばかりだ。

 それに輪をかけているのが、日本のTVアニメでは珍しいプレスコ(声優に演技してもらい、その台詞タイミングに合わせて絵を描く技法)で作られているということ。台詞の間など、声優の自由な演技を殺さないよう映像が作られているので、キャラクターと声のシンクロ率が非常に高く、結果としてキャラクターに強いリアリティを与えている。

 キャラクターが生々しく動くことで、思わず見入ってしまう魅力に満ちた映像に仕上がっている。普通のアニメを見慣れた人だけでなく、普段アニメを見ないという人にもお勧めできる良作だ。


■ 悠木さんは新谷さんが大好き

左から九鳳院紫役の悠木碧さんと、崩月夕乃役の新谷良子さん

 プレスコという手法は、音声の収録現場でもリアリティに溢れているようだ。DVD 3巻に収録されている第5話「望み」の中で、アパートの住人達が湯豆腐の鍋を囲むシーン。紫役の悠木碧さんは「現場で本当にお鍋しているみたいな気分になって、幸せでした」と笑顔で振り返る。

 続く第6話「貴方の頭上に光が輝くでしょう」では、アパートの住人+崩月夕乃がミュージカルにチャレンジするシーンで、プレスコの魅力が遺憾なく発揮されている。だからこその苦労もあったようで、新谷良子さんによると、なんとクリスマスにリハーサルがあり、声優陣が集まって歌を延々と歌い、年明けの収録に臨んだそうだ。

 新谷さんが演じる夕乃は、登場キャラの中でも超音痴という設定で、ミュージカルでも音程がハズれまくり。「リハーサルで音をハズした自分の歌を『アフレコまでに同じ歌い方ができるよう練習して来てください』と言われて、iPodにその歌を入れてずっと聞いてました。iPodの凄い無駄使いしている気がして」と苦労話を披露した。

新谷良子さん

 そんなプレスコを得意とするのが、監督・シリーズ構成・音響監督も努めた松尾衡氏。イベントではビデオレターも上映されたのだが、その内容は、監督が「碧ちゃん元気ぃー!? また会いましょうね」と上機嫌で手を振り、後ほど思い出したように「あ、新谷はいいや」と付け加えて終わるという衝撃的な短さ。あまりにおざなりな扱いに「えええー! これで終わり!?」と新谷さんが絶叫。会場は爆笑に包まれた。

 新谷さんによれば、監督の悠木さんと、新谷さんに対する接し方の落差は収録中でも明確だそうで、新谷さんには「もうちょいウザイ感じのほうがいいかな」というあっさりした言い方なのにも関わらず、悠木さんの前に立つと「碧ちゃんはさぁー、あのさぁー」と満面笑顔に変化するのだという。

 だが、そんな松尾監督には、“意外にツンデレ”だという噂があるとのこと。それを耳にした新谷さんは監督に直接「監督ツンデレなんだ! 可愛いなぁー」とアタックしたところ、真顔で「ホントウザイ」と切り返され、デレさせることもなく玉砕。その報告に場内は爆笑に包まれた。

DVD 第4巻
(C)片山憲太郎・山本ヤマト/集英社・「紅」製作委員会

 悠木さんは声優を目指したキッカケについて「アニメが凄く好きだったからです。その中でも新谷さんや沢城さんが出演していた作品が凄く好きで、舞台も見に行ったくらいなんですよ」と吐露。

 新谷さんは「初耳なんだけど!!」と驚愕&大照れ。悠木さんは、真九郎役の沢城さんが好きと以前から公言しているが「どっちも言うと気を使っているみたいで言わなかったんです。今日は新谷さんだけだから言っちゃう」と、新谷さんも好きだと告白。

 更に「実は初めて新谷さんにお会いした時、内心ドキドキしていました」と当時の心境を振り返る。思わぬ告白に新谷さんも感激した様子だった。

悠木さんの手首には可愛いケーキ型のブレスレッド(?)が。なんと自作だという。フルーツやクリームもしっかり入っていて細かい! イベント後半では使われた台本にサインを入れたものなど、豪華なプレゼント企画が実施。ジャンケンに勝ち残った幸運な来場者にプレゼントされた

 最後に、悠木さんは作品について「自分にとって、参加した前と後で全てが変わったと思います。日常や平和ってこんなに素敵なんだなと思えるようになりました。また、今まで以上に自分が演じるキャラクターを大事にしてあげたいなと思うようになりました」と語る。

 新谷さんは「松尾監督の持っている世界観が、今までの私のお仕事の中に無いもので、監督が以前手掛けたRED GARDENでそれに触れることができました。その時やれなかった事、悔しいなと思っていたことに、再チャレンジできたことが嬉しいです」と感想を述べた。

 なお、紅のDVDリリースは今後も継続するが、新展開としてドラマCDが12月20日に発売されることが決定した。悠木さんは「久しぶりに皆さんと収録できることが嬉しいです。たぶん収録の時は今までと同じように緊張してドキドキすると思うのですが、今はそれだけじゃなくて、収録が楽しみでワクワクできるようになりました。頑張りたいと思います」と、声優として成長を感じさせるコメントを残し、場内は大きな拍手に包まれた。

□作品の公式サイト
http://www.samidareso.com/
□DVDリリース情報
http://www.samidareso.com/release.html
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【DVD発売日一覧】
http://av.watch.impress.co.jp/docs/dvdship/

(2008年10月21日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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