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三菱電機株式会社は、地上/BS/110度デジタルチューナを搭載した21.5型/フルHD液晶ディスプレイ「MDT221WTF(BK)」を11月7日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は8万円前後。
マルチメディアディスプレイ「VISEO」の新モデルで、PC向けの液晶ディスプレイとしては業界で初めて地上/BS/110度CSデジタルチューナを搭載した。なお、VISEOシリーズでは、デジタルチューナ内蔵モデルではロゴを青に、内蔵しないモデルではロゴを赤として展開するという。 21.5型/1,920×1,080ドットのフルHDパネルを採用。液晶駆動方式はTNで、コントラストは2,000:1(CRO非動作時1,000:1)、輝度300cd/m2、視野角左右170度、上下160度、応答速度5ms。 映像の入力レベルに応じてコントラストを調整する「ダイナミックコントラスト」を搭載。さらに、CRO(Contrast Ratio Optimaizer)機能により、バックライトをリアルタイム制御し、引き締まった黒と奥行き感の向上を図っている。また、10bitガンマ機能の搭載により、色の階調がなだらかに表現できずに境界部に段差が見えてしまう「トーンジャンプ」現象を排除したという。 さらに、上下方向の視野角が狭く、色が反転しやすいというTNパネルの特性に配慮した「ルックアップモード」を搭載。寝転がりながらディスプレイを見るなど、下からの視聴時に色相が反転して白っぽく見えてしまう場合でも、リモコンの[ルックアップ]ボタンを押すだけで色の反転を改善できるというもの。 ガンマカーブの調整などで下から見上げるときに最適な色相になるように調整。2段階の調整が可能で、「ルックアップ1」は下に15度、「ルックアップ2」は下に30度から見上げた際に最適な画質で確認できるという。ただし、ルックアップ利用時に正面から見ると色が反転したようにみえる。
チューナ部は、地上/BS/110度CSデジタルチューナを各1系統装備。データ放送や電子番組表(EPG)、番組視聴予約、字幕放送などにも対応する。また、テレビやパソコンそれぞれに最適化した画質チューニングを行なっており、液晶テレビREALの開発チームの協力のもと、テレビの画質向上を図っているという。クイック起動モードも搭載し、電源立ち上げやチャンネル切り替えの高速化も実現している。 入力端子は、HDMI×2、DVI-D(HDCP対応)×1、D5×1、S2映像×1、コンポジット×1、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1、アナログ音声×3(RCA×2、ステレオミニ×1)を装備。3W×2chのステレオスピーカーも内蔵。出力音の周波数ごとの音圧や伝達時間を解析し、補正特性を加えることでゆがみを抑える「DIATONEリニアフェイズ」技術を採用し、クリアな再生音を実現したという。光デジタル音声出力端子やヘッドフォン出力も備えている。
2画面表示機能も搭載。PinP(子画面表示)やPoP(Picture on Picture)が可能となっている。画質モードはシネマ、ゲーム、スポーツ、ムービー、IVテキスト、フォト、アニメ、ルックアップの8モードを用意。また、入力信号の拡大表示時に、「フル」、「アスペクト」、「2×ズーム」の3モードのほか、Dot by Dot表示を行なう「リアル」を搭載。OSDも新デザインとし、操作性の向上を図っている。
上20度、下5度のチルト機能や90度のスイーベル機能も装備。消費電力は72Wで、省エネモード時(スリープ)2W以下/(オフモード)1W以下。外形寸法は513.8×255×403.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量は7.3kg(スタンド含む)。DVIケーブルやオーディオケーブル、B-CASカード、リモコンなどが付属する。 ■ マルチメディア対応でシェア40%へ。超解像対応も計画
新製品については、パソコンで使える高解像度表示に加え、液晶テレビと同じ使い勝手、さらに、用途に応じた最適な画質を実現できることを強調。マルチメディアディスプレイに積極的に取り組んでいく姿勢を語った。
同社役員理事 デジタルメディア事業部 事業部長の中島均氏は、三菱のディスプレイ事業の歴史を紹介しながら、「高くても欲しくなる。消費者の要求にこたえる製品を作っていく」と語り、高付加価値ディスプレイへの取り組みを紹介。PCやAV用途の高解像度対応だけでなく、映画やゲーム向けの動画品質の向上などの取り組みを紹介した。 HDMI搭載モデルの市場が拡大しており、2008年には需要90万台のうち、約25%の23万台がHDMI対応となる見込みという。さらに、2009年にはHDMI搭載の構成比が45%までの拡大を予想しており、同社ではこうしたマルチメディアディスプレイ市場において、シェア40%の獲得を目指す。加えて、次のチャレンジとして、待機電力ゼロ化にも取り組んでいるという。
デジタルメディア事業部 モニター事業センターの長峯卓氏は、「MDT221WTF(BK)」のマルチメディア/地デジ対応と、同時発表の「MDT243WG」における動画性能の2つの方向について説明。コアなマルチメディアユーザー層に向けた新製品の特徴を紹介した。 MDT221WTF(BK)については、製品企画のキーワードとして「ながら視聴」をあげる。パソコンでの作業中のテレビ視聴や、小型液晶テレビよりも高解像度な点、チューナ内蔵による画質の向上をアピールポイントとして定義している。 なお、ディスプレイ技術の今後の流れとしては「MDT243WG」に搭載した黒挿入技術やバックライトスキャンなどの動画応答性能向上技術に加え、2009年度以降に超解像技術や階調拡張、倍速駆動などへの対応を目指していくという。
□三菱電機のホームページ ( 2008年10月22日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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