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JVA、文化庁へ著作権物等の保護に対する意見書を提出
-「私的使用目的の複製の見直し」の要望など


11月13日発表


 社団法人日本映像ソフト協会(JVA)は13日、文化庁文化審議会へ著作権物等の保護に対する意見書を提出したと発表した。

 これは文化審議会著作権分科会がまとめた、2008年度の「文化省文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の中間まとめ」(以下「中間まとめ」)と「過去の著作権物等の保護と利用に関する小委員会中間整理」(以下「中間整理」)に関する意見募集に対してのJVAの意見/要望となっている。



■ 「私的使用目的の複製の見直し」について

 JVAでは、「中間まとめ」の「第2節 私的使用目的の複製の見直しについて」に対して、私的複製のあり方全般の見直しを行なうことを含め、下記の通り意見を提出した。

  • スリーステップテストの明文化
    「著作権の通常の利用を妨げず、かつ、著作権者の正当な利益を不当に害しないこと」の条件(スリーステップテスト)を充足する場合に限り、複製が制限される旨を著作権法30条1項柱書に明記することを要望

  • 複製抑止目的の暗号化技術の著作権法上の位置づけの再検討

 また、「第3節 その他検討事項について」に関しても、意見を提出。日本版フェアユースである「権利制限の一般条項」を追加するにあたって、経済効果や代替手段の有無等、規定追加の必要性の検討すること要望。

 また、その必要性があると判断された場合、国際ルールとの調和を尊重すること、権利者の損失を未然に防ぐ措置や救済を容易にする措置を導入すること、国際ルールに照らして妥当性を欠く現行法の個別権利制限規定を改正することを要望した。



■ 図書館におけるデジタル化資料に関して

 また「中間整理」の中の、「第4節 次代の文化の土台となるアーカイブの円滑化について」に関しても、図書館での映像資料の貸出し制限などの下記意見を提出した。

1.「(1)国会図書館における所蔵資料のデジタル化について」の項について、映像資料は含まれないことの明記
 著作権法31条2号でデジタル化できる映像資料は限定的であるべきで、「中間整理」に「直ちにデジタル方式により複製できることを明確にすることが適当である」と記されている資料があるが、これに「映像資料は含まれないこと」を明記すること

2.「(2)国会図書館でのデジタル化された資料の利用について」の項に対しての意見

  • 「中間整理」内の、「国会図書館の東京本館/関西館/国際子ども図書館の3館間でのデータ送信は公衆送信に当たらない」と記されている資料に「映像資料は含まないこと」の明記
  • 国立図書館利用規約で、貸出しをしない資料とされている映像資料について、「図書資料の相互貸借に代わる提出方法に関し著作権の制限をする必要はない」という意見と、「映像資料については原資料の提出も、原資料をデジタル複製したものの提出もできないものと解すべき」と明記すること

3.図書館と著作権制限についての意見
「図書館の運営を外部委託する場合は、営利を目的とした事業として運営を行なっていると思われるので31条2号に該当しないと解すべき」という意見

4.国会図書館以外の図書館等での所蔵資料のデジタル化についての意見
「再生機器が入手困難となった場合の媒体変換は、著作権の制限によるのでなく、関係者間の協議によって解決するのが望ましい」という意見


□JVAのホームページ
http://www.jva-net.or.jp/
□JVAの各意見書(PDF)
http://www.jva-net.or.jp/news/news_081113.pdf
□「文化省文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の中間まとめ」
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/housei/h20_09/gijiroku.html
□「同 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会の中間整理」
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/hogo/06/haihu.html
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( 2008年11月13日 )

[AV Watch編集部/ohrui@impress.co.jp]


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