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JRIA、2009年記録メディア世界需要/生産予測を発表
-「本格的な需要期を迎えるBD市場」


JRIA 山口温敬常務理事

11月14日発表


 社団法人日本記録メディア工業会(JRIA)は14日、BDやDVD、ビデオテープなどの記録メディアの世界需要予測と生産予測を発表した。

 3年間の中期予測が行なわれており、いずれも2008年の推定実績に基づいてまとめた。対象となる記録メディアは、青紫色レーザーディスク(Blu-ray Disc/HD DVD)、DVD±R、DVD±RW、CD-R/RW、MO、オーディオテープ、録音用MD、ビデオテープ、ムービー用テープ(Cカセット/8ミリ/ミニDV)、フロッピーディスク(FDD)、小型メモリーカード。



■ BD市場は本格的な需要期へ

 Blu-ray Discを中心にした青紫色レーザーディスクの世界需要は、2008年の推定実績が前年比400%の2,000万枚。2009年予測は同320%の6,400万、2010年は同238%の1億5,200万、2011年は同184%の2億7,900万枚と増加傾向。この予測にJRIAでは「青紫色レーザーディスク市場は本格的な需要期を迎える」としている。

【青紫色レーザーディスクの世界需要予測】
2008年
推定実績
2009年
予測
2010年
予測
2011年
予測
日本1,600万枚
(400%)
4,300万枚
(269%)
8,700万枚
(202%)
1億3,200万枚
(152%)
その他地域400万枚
(400%)
2,100万枚
(525%)
6,500万枚
(310%)
1億4,700万枚
(226%)
世界合計2,000万枚
(400%)
6,400万枚
(320%)
1億5,200万枚
(238%)
2億7,900万枚
(184%)
*()内は前年比

光ディスクについて説明する砂川隆一 光ディスク委員長

 「2008年の北京オリンピックを契機に、レコーダ需要がDVD機からBD機へ移行。BD機が普及していったため、ディスクも恩恵を受ける形で需要増加していった」と説明。また、現在は日本での需要が圧倒的な記録型BDディスクだが、2011年には海外需要が上回ると推測している。

 現在の用途は番組などの録画に使うことが大半を占めており、更なる需要増加は「PCを介したデータ用途の拡大がカギを握っている」としている。

 DVD-Rなど、追記型の記録型DVDの需要については、2009年をピークとし、その後BDへ移行のため需要は減少していくとしている。2009年は前年比103%の60億900万、2010年は同99%の59億2,100万、2011年は同97%の57億2,200万枚と予測。

 書換型の記録型DVDについては、2009年は前年比96%の4億3,100万枚、2010年は同93%の4億200万、2011年には同93%の3億7,200万枚と減少傾向を予測。この要因として「国内では、CPRM対応の追記型DVDへの録画環境が整備され、書換型の需要が頭打ちになってきている」と説明。

 また、DVDカム用の8cmDVD需要については、追記型/書換型ともに需要は伸び悩み、減少傾向にあると予測。追記型の2009年予測は前年比102%の4,500万枚、2010年は同91%の4,100万、2011年は同88%の3,600万。書換型は、2009年が同100%の3,800万、2010年は同95%の3,600万、2011年は同89%の3,200万枚とした。「競合のHDDやメモリカード対応ムービーと争ってきたが、ムービーのHD化に伴い記録容量不足/製品小型化という面で苦戦し、需要減少に繋がる」と推測している。

 録音用CD-R需要は、2009年予測は前年比90%の2億2,300万枚、2010年は同90%の2億枚、2011年は同89%の1億7,700万枚と減少が続くと予測。今まで需要増が続いていた日本市場が、2009年から減少に転じるという。これは「ポータブルオーディオの普及や、インターネットを介した音楽配信の普及が影響したため」と説明している。

 データ用CD-Rの需要予測についても減少傾向が続き、2009年は前年比90%の54億9,600万枚、2010年は同89%の48億8,900万枚、2011年は同88%の42億7,900万枚。



■ メモリーカードは世界需要が増加。磁気メディアは減少

 SDカード、メモリースティック、CFカード、xDカード、スマートメディア、MMCを含む小型メモリーカードの世界需要予測も発表。2009年が前年比117%の7億6,000万枚、2010年が同110%の8億3,600万枚、2011年が同110%の9億2,000万枚と2ケタ成長を見込んでいる。国内需要も増加傾向で、2009年が同107%の6,720万枚、2010年が同106%の7,100万、2011年には同103%の7,330万枚と予測。

 容量別内訳では、4GB以上メモリの2009年構成比が38%の2,554万枚から、2011年では同73%の5,351万枚と大きく需要を伸ばす予測となった。JRIAでは「小型メモリカードの大容量化が今後も続く」としている。

 オーディオカセットテープの世界需要は、2009年の1億3,000万巻から、2011年には7,200万巻まで減少。録音用ミニディスク(MD)も、2009年の2,900万枚から、2011年には1,200万枚まで落ち込むという。さらにビデオカセットテープについても同様に、2009年の1億1,500万巻から、2011年が5,800万巻まで減少すると予測している。

 ムービー用カセットも、2009年が前年比83%の1億4,400万巻から、2011年は8,800万巻と減少が続くと推測。需要全体の90%を占めるミニDVカセットが、DVD、HDD、SDメモリーカード対応などのデジタルムービーカメラの台頭により大きな影響を受けているのが原因と分析しており、ミニDVカセットの予測は2009年の1億2,300万巻から、2011年には7,800万巻まで減少するとしている。



□JRIAのホームページ
http://www.jria.org/
□ニュースリリース
http://www.jria.org/member/20081114.html
□関連記事
【2007年11月16日】JRIA、2008年記録メディア世界需要/生産予測を発表
-次世代DVDは2010年に2億1,500万枚
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071116/jria1.htm

( 2008年11月14日 )

[AV Watch編集部/ohrui@impress.co.jp]


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