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株式会社角川エンタテインメントは、黒澤明監督作品「羅生門 デジタル完全版」をBlu-ray Discビデオで2009年2月6日に発売する。同作品に加え、「乱」、「まあだだよ」、「静かなる決闘」の3作品も収めたBD-BOXも同日に発売する。価格は「羅生門」単品が4,935円、BD-BOXが19,740円。BOXは限定生産品となっている。発売元は角川映画。
■ 羅生門 デジタル完全版 '50年に公開された「羅生門」は黒澤監督の代表作だが、オリジナルネガは可燃性フィルムだったため、過去に一斉処分され、現存していない。そこで、現存する素材の中で最も状態の良い'62年の上映用プリントと、角川映画が保存していたマスターポジという2つの素材の状態の良い部分を組み合わせて修復が行なわれることになった。 修復にはアカデミー賞を主催する、米映画芸術科学アカデミーが全面協力。日米共同プロジェクトとして修復作業が開始され、映画復元の第一人者であり、アカデミー・フィルム・アーカイブのディレクターである、マイケル・ポゴゼルスキー氏が統括。日本側の監修には、東京国立近代美術館フィルムセンターが技術的、学術的な助言を行なっている。 修復されたものは、黒澤監督没後10年を記念し、ロサンゼルスで開かれたイベントで9月から12月にかけて上映。日本でも10月にオーチャードホールなどで特別上映。11月には角川シネマ新宿、2009年1月には梅田ガーデンシネマなど、全国でも順次公開が予定されている。 今回のBDビデオ版には、この修復された本編映像を収録。タイトルも「羅生門 デジタル完全版」となった。特典映像として、オリジナルネガからデジタルリマスターした映像が、どれくらい綺麗になったかを比較検証する5分の映像も収めている。 山中で武士とその妻が山賊に襲われ、武士は死亡。事件は検非違使によって吟味される事になったが、山賊と生き残った女性の言い分は真っ向から対立したものだった。そこで、検非違使は霊媒師の口寄せによって武士の霊を呼び出すことに。だが、そこで語られた言葉もまた、2人の言い分とは異なっていた……。 芥川龍之介の短編「藪の中」を、黒澤明と橋本忍が脚色。撮影は名カメラマン、宮川一夫が担当。出演は三船敏郎、京マチ子、志村喬、千秋実など。'51年のヴェネチア国際映画祭金獅子賞とイタリア批評家賞を受賞。世界に黒澤明をはじめとする日本映画が紹介されるキッカケを作った。
■ 黒澤明 ブルーレイBOX 前述の「羅生門 デジタル完全版」に加え、「乱」、「まあだだよ」、「静かなる決闘」の合計4作品を収めたBD-BOX。羅生門以外の作品も、HDマスターを修復したデジタルリマスター版となっている。
特典として、「羅生門」のデジタル修復の軌跡がわかる、特別冊子を同梱。ソフトは豪華外箱に収納される。
□角川エンタテインメントのホームページ
(2008年11月29日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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