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株式会社Teragaki-Laboは、機械技術者の寺垣武氏が開発した寺垣スピーカー「TERRA-SP3000」の一般販売を1月19日から一般販売する。受注生産となっており、価格はペアで294万円。2月15日には中野サンプラザで試聴会も予定されている。 キヤノンやNEC、オーディオテクニカなどで「すしロボット」など、様々な機器の開発を行なってきた寺垣氏が開発したスピーカーで、独自の「物質波(波動)理論」を取り入れているのが特徴。寺垣氏はオーディオテクニカ協力のもと、3億円の予算を投入したという超高精度レコードプレーヤー「寺垣プレーヤー」などで知られている。
音は、空気中を疎密波(縦波)で伝搬する。しかし、「深夜に聞こえる時計のゼンマイの音」など、小さな音が離れていても聞こえる経験から、寺垣氏はそれ以外にも「隣り合う分子が音のエネルギーを伝えることで、音が伝わるのではないか?」と仮定。その振動を物質波(波動)と名付け、それを再生できるスピーカーの研究/開発を約30年かけて行なってきたという。 その結果、通常のコーンユニットなどを使わず、独自開発した湾曲パネルを搭載したスピーカーが完成。「パネル全体が振動すると、前の音の振動が慣性の法則で残り、後の音の立ち上がりがぼやけるというピストン運動のダイナミックスピーカーの構造的宿命」(寺垣氏)を避けるため、パネルは極力動かさないように作られており、明瞭で解像度の高い再生音を実現したという。 Teragaki-Laboはこの物質波(波動)を「従来には認識されていなかった音波」と説明。慶應義塾大学の武藤佳恭教授により、科学的に捉える研究も進められており、既存の音波(縦波)だけではなく、“横波の音波”が出ていることを観測したという。 システムは360度の指向性を持つとしており、その音の伝搬理論から「従来のスピーカーと比べ、音がより遠くまで響く」という。こうした特性から店舗などへの設置も想定。来場者や居住者がどこにいても同じように音楽が楽しめるとしている。
各スピーカーはミッドハイ部とサブウーファ部の2ピース構造となっており、バイアンプ駆動にも対応。インピーダンスは4.4Ω。エンクロージャにはタモ材を使用。カラーはダークブラウン。外形寸法と重量は、ミッドハイが480×340×600mm(幅×奥行き×高さ)で30.7kg。サブウーファが480×340×470mm(同)で17.7kg。
□Teragaki-Laboのホームページ
(2009年1月19日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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