|
シャープ株式会社は23日、ミリ波を使い、マンションなどで複雑な改修工事をせずに地上デジタル放送の伝送が行なえるシステムを試作した。
60GHzのミリ波帯を用いてハイビジョン放送を無線伝送するシステム。ミリ波は30~300GHzの広い帯域を使用することで、短距離であれば1Gbpsを越える通信速度が得られるのが特徴で、地上デジタルだけでなく、BS/110度CSデジタル放送の送信にも対応できるという。 マンションの集合アンテナなどから、入居する各家庭にデジタル放送を伝送するために使うシステムで、無線伝送を採用することで、従来ではケーブルを新設する必要があった古いマンションなどでも、低コストでデジタル放送に対応できる。 具体的には、送信機を建物の屋上に設置。そこから建物の外壁に沿うように、階下に向けてミリ波でデータを送信。各部屋のベランダに受信機を取り付け、上から送信されたミリ波を受信するという構造になる。なお、特定小電力規格に準拠しているため、無線免許は不要。
シャープは総務省からの委託研究案件として、ミリ波小型低コストモジュールの研究開発に取り組んでおり、今回の試作機はその成果となる。今後は最終的な実証実験の成果を踏まえ、早期の商品化に向けて取り組むとしている。
□シャープのホームページ
(2009年1月23日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c)2009 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|