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パラマウント ジャパン株式会社は27日、2009年にリリースするBD/DVDビデオソフトのラインナップを、DVD販売店など、ディーラー関係者に紹介する「LINE UP PRESENTATION 2009」を開催。 その中で、かつてHD DVDフォーマットの牽引役として人気を集めた映画「トランスフォーマー」を、5月にBlu-ray Discビデオでリリースすることを明らかにした。
具体的な発売日や価格などは明らかにされなかったが、2009年6月公開予定の続編「トランスフォーマー:リベンジ」を盛り上げるタイミングでの発売が予定されているという。特典内容なども未定だが、BDビデオの特徴を活かした、インタラクティブコンテンツを豊富に収録する模様。
また、パラマウントでは、2月13日(金曜日)から劇場公開を予定している傑作ホラーのリメイク「13日の金曜日」や、アメリカンコミック原作のミステリアスな大作で、「300」のザック・スナイダー監督がメガホンを取った3月公開の「ウオッチメン」、「LOST」や「クローバーフィールド/HAKAISHA」などで知られるJ.J.エイブラムズ監督の新作「スター・トレック」、人気3DCGムービーの続編「マダガスカル2」など、多数の劇場新作を2009年に公開する予定。
鈴木順一郎日本代表はこうした新作について、将来DVD化をする際は、原則としてBlu-ray版も同時に発売する同社の戦略を発表。さらに、旧作のカタログタイトルについても、4月にトム・クルーズ主演2作品「トップガン」、「デイズ・オブ・サンダー」をBDビデオ化。それを皮切りに、2009年後半から積極的にBDビデオ化を進めていくことを明らかにした。
セールスディレクターの松尾宗俊氏は、GfKの調査結果から、2008年11月にBD対応ハードの出荷量がDVDレコーダの出荷量を超えたこと、10万円を切るBD対応機器が増加したこと、ビデオデッキからDVDレコーダへの移行スピードと比べ、約1.5倍の速さでBDレコーダへの移行が進んでいることなどを紹介。 BDビデオソフト市場拡大については、出荷推移データを紹介。2007年と2008年を比較すると、BDビデオ市場全体が前年比450%に拡大。パラマウントのソフトだけを見た場合は606%まで拡大しているという。特に第4四半期(10~12月)に限ると、市場全体は618%、パラマウントのソフトでは4,228%と、急激に普及が進んでいるという。 これを牽引したのが、2008年10月に発売した「ゴッドファーザー コッポラ・リストレーション 」や「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」などの人気タイトル。これらに占めるBD/DVDビデオの比率は、「ゴッドファーザー」がDVD-BOX 76.2%に対し、BD-BOXは23.8%、「インディ・ジョーンズ」はDVD 85.2%に対し、BDビデオが14.8%と、いずれも高い比率をBDビデオが占める状況になってきたという。
松尾氏はこうしたデータを、パラマウントがBDビデオに積極的に取り組む根拠として紹介。同時に、先進的なAVファン層以外にもBDビデオを訴求するため、「高画質/高音質だけに留まらない、高付加価値のあるソフトだとアピールする必要がある」と語り、消費者にDVDとの違いをアピールするための店頭POPや、プロモーションプランなどを検討しているという。そして、「BDビデオ普及に向けた拡販体制を皆さんと協力して構築していきたい」と、集まったディーラー関係者に呼びかけた。
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■ ドリームワークス作品のDVD/BD販売権を角川から移管 タイトルラインナップ強化に向けた施策では、これまで角川エンタテイメントが発売/販売権利を保有していた「シュレック」など、ドリームワークス作品のDVD販売権を、パラマウントに移管することが明らかになった。
ドリームワークスSKGという会社は、'94年にスピルバーグらが設立。「ピースメーカー」や「アミスタッド」などの実写映画を製作する一方、「アンツ」などの3DCGアニメも手掛け、2004年にはアニメ部門をドリームワークスアニメーションSKGとして独立。そして、2005年にパラマウントが実写部門であるドリームワークスSKGを買収。現在はパラマウントの一事業部となっている。
そのため、インターナショナルではドリームワークスの実写/アニメ作品のDVD/BDは、パラマウントが販売している。しかし、日本ではどちらも角川エンタテイメントが発売/販売権利を保有していた。今回、その権利をパラマウントに移管することになり、海外と同様の体制に日本も移行。パラマウントから再度ドリームワークス作品のBD/DVDが発売されることになる。 具体的には、ドリームワークスアニメの新作販売権利は既に移管済みで、3月6日に「シュレック3」と「ビー・ムービー」のDVD/BDビデオや、「シュレック1&2」のDVDなど、13作品をパラマウントから改めて発売。移管作業が若干遅れた「カンフーパンダ」は、6月26日からパラマウントのDVD/BDビデオとして再リリースされる。
移管までは角川エンタテイメントからの販売は継続されており、店頭在庫なども存在するため、3月や6月まで、これらのタイトルが購入できなくなるなど、ユーザーへの影響は無いという。ただし、品番やジャケットデザインは変更になるほか、価格にも若干の変化がある。 BDビデオ(ビー・ムービー/シュレック3/カンフーパンダ)に関しては角川エンタテイメント時代の4,935円で据え置き。今後発売される新作DVDに関しても3,360円で角川と同額になっる予定だが、角川にはカタログ作品(旧作品)の一律価格が存在せず、新作として3,360円で販売されたタイトルが、期間限定キャンペーンで2,000円台に低価格化されるという販売手法がとられている。 一方で、パラマウントは3月に発売するドリームワークスのアニメのカタログ作を、一律2,625円と決定。「限定期間が終了して価格が元に戻る事が無く、ユーザーが混乱しない」(松尾氏)というユーザーメリットがあるという。 また、パラマウントの実写カタログ作DVDは、2,625円均一の「グレイテストヒッツ」と、1,500円の「ハッピーザベスト」という2種類に分類されている。再発売されるドリームワークスの実写カタログ作もいずれかに分類され、「ターミナル」や「ピースメーカー」など17作は2,625円に、それ以外の19作は1,500円に分類。4月1日からリリース。これにより、「グレイテストヒッツ」は71作品、「ハッピーザベスト」は141作品へとラインナップが強化される。 なお、2008年1月以降に発売された「ディスタービア」や「俺たちフィギュアスケーター」、「君のためなら千回でも」、「悲しみが乾くまで」、「イーグル・アイ」、「トロピック・サンダー」などの新作に関しては、引き続き角川エンタテイメントが販売を担当。一定期間を経た後、パラマウントへ移管される予定。
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■ 海外ドラマにも注力 ラインナップ面では、海外ドラマにも注力。昼は優しい警察官、夜は法で裁けぬ悪人を殺害していく殺人鬼という2面性を持った主人公のドラマ「デクスター」、天才数学者がその頭脳を駆使して犯罪を紐解く「ナンバーズ」、核爆発が原因で孤立した街を描く「ジェリコ」、特殊部隊達の活躍を描く「フラッシュポイント」、人気ドラマ「犯罪捜査官ネイビーファイル」のスピンオフ作「NCIS ~ネイビー犯罪捜査班」などを、順次DVDリリースしていくことが明らかになった。
映画「トップガン」になぞらえ、戦闘機のパイロット姿で登壇した鈴木順一郎日本代表は、「世の中パッとしない状況ですが、強力なタイトルラインナップで、スカッと、ホームエンターテイメント界全体を上向きに持っていきたい」と語り、BDラインナップの強化、ドリームワークス作品の拡販、一年を通じた販売促進・マーケティング活動を積極的に展開することなどの施策を強調。「映像文化の発展に貢献すると同時に、ディーラーの皆さんと一緒にビジネスを伸ばし、日本のエンターテイメント産業の発展に努力していきたい」と抱負を語った。
□パラマウント ジャパンのホームページ
(2009年1月27日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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