読者アンケート結果発表
ハイレゾ音楽配信についての集計結果(2014年6月)
所有曲数は「10曲~50曲」が4割。7割が主にFLAC形式で購入
(2014/7/4 13:28)
今回は521人の方から投票を頂きました。ご協力ありがとうございました。
アンケート実施期間:2014年6月27日~7月3日
※複数回答の設問があるため、回答結果を合わせると100%・総投票人数を超える場合があります
ハイレゾ所有曲数は「10曲~50曲」が4割弱
ハイレゾ楽曲の所有数で最も多かったのは「10曲~50曲」で得票率は36.9%となった。2位は「10曲未満」(得票率20.7%)、3位「51曲~100曲」(同17.3%)となっている。「501曲以上」と答えた人は6%、「所有していない」は4.6%だった。
2013年8月に実施した「音楽配信サービスについて」(回答数316人)の読者アンケートでは、ハイレゾ楽曲の所有数は「10曲未満」が26.9%、「10曲~50曲」が11.1%、「51曲~100曲」が5.7%だった。
ハイレゾ楽曲の所有曲数 | ||
---|---|---|
項目 | 得票率(%) | 得票数 |
10曲未満 | 20.7% | 108 |
10曲~50曲 | 36.9% | 192 |
51曲~100曲 | 17.3% | 90 |
101曲~200曲 | 9.8% | 51 |
201曲~300曲 | 3.3% | 17 |
301曲~400曲 | 1.3% | 7 |
401曲~500曲 | 0.2% | 1 |
501曲以上 | 6% | 31 |
所有していない | 4.6% | 24 |
購入ストアは「e-onkyo music」と「mora」が2強。iTunes Storeの対応を望む声も
ハイレゾ楽曲を購入したことのある配信ストア(複数回答)では、74.9%が「e-onkyo music」と回答。2位の「mora」も得票率51.4%と、過半数を超えている。3位は「OTOTOY」(同21.7%)、4位「HDtracks」(同15%)、5位「LINN Records」(同10.7%)。
寄せられた意見では、「電子マネーやプリペイドカードなど、クレジットカード以外の支払い方法を拡充して欲しい」、「パソコンがなく、クレジットカードも持っていないので、スマホのキャリア決済に対応して欲しい」と、支払い方法の多様化を求めるものが多かった。また、「iTunes Storeでのハイレゾ楽曲販売」を要望する声も多数あった。それ以外では、「全ての曲を(アルバム単位ではなく)単曲販売して欲しい」、「配信元でダウンロード回数や期限などルールが異なるので統一して欲しい。できればiTunesのような無制限が理想」、「試聴用音源のハイレゾ化」などが挙げられた。
ハイレゾ楽曲購入経験のある配信ストア | |||
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順位 | 項目 | 得票率 | 得票数 |
1 | e-onkyo music | 74.9% | 390 |
2 | mora | 51.4% | 268 |
3 | OTOTOY | 21.7% | 113 |
4 | HDtracks | 15% | 78 |
5 | LINN Records | 10.7% | 56 |
6 | VICTOR STUDIO HD-Music. | 6.5% | 34 |
7 | 2L music store | 5.4% | 28 |
8 | HQM STORE | 5.2% | 27 |
9 | music.jp | 2.1% | 11 |
10 | HIGHRESAUDIO.jp | 1.3% | 7 |
ファイル形式は「FLAC」が約7割。DSDは楽曲や対応機器が少ないとの意見も
ハイレゾ配信で最も多く購入したファイル形式では、69.3%が「FLAC」を選択。他のファイル形式に大差をつけ、圧倒的人気となった。2位は「WAV」(得票率21.7%)、3位「DSD(DSF/DSDIFF)」(同5%)となっている。
一方、自由回答の意見では「規格や対応機器がまだ普及途上なので、1番どうにでも加工できそうなWAV形式を使っている」、「WAVで購入して、AIFFに書き換えてタグを打ち込んでいる」など、非圧縮のWAVを支持する意見もあった。また、「DSD形式で販売されている楽曲が少ない」、「DSD再生に対応する再生ソフトや機器が少なく選ぶ余地がない」など、DSDの環境が整備されていないことへの不満も多かった。
ハイレゾ配信で最も多く購入したファイル形式 | |||
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順位 | 項目 | 得票率 | 得票数 |
1 | FLAC | 69.3% | 361 |
2 | WAV | 21.7% | 113 |
3 | DSD(DSF/DSDIFF) | 5% | 26 |
4 | ALAC (Apple Lossless Audio Codec) | 2.5% | 13 |
5 | AIFF | 1.5% | 8 |
ハイレゾ再生する機器は「パソコン、USB DAC、ウォークマン」
ハイレゾ楽曲の再生に使っているオーディオ機器(複数回答)は、1位がパソコン(得票率55.7%)、2位が「USB DAC」(同44.3%)、3位が「ウォークマン(NW-ZX1、F880)」(同30.1%)、4位は「ネットワークオーディオプレーヤー」(同17.7%)となっている。「スマートフォン」は得票率13.1%で6位だった。「その他」の回答では、DSD対応ICレコーダ「KORG MR-2」や、Firewireオーディオインターフェイスなどの音楽制作機材が挙げられた。
再生機器に対する意見で目立ったのは、「iPhoneなどiOS機器のハイレゾ対応」で、iTunes Storeでのハイレゾ音源販売と同様、アップルへのハイレゾ対応の要望が多かった。また、「ハイレゾ楽曲を入れると既存のポータブル機では容量が足りず、外部メディア対応が必須になる。そうでないなら下位機種でも128GBをラインナップしてほしい」など、ストレージの大容量化を求める声も多かった。そのほか、「foobar2000やAudirvana以外にもパソコン用ハイレゾ対応再生ソフトの選択肢が増えてほしい」、「Androidアプリでハイレゾ対応するものが少ない」という意見もあった。
ハイレゾ楽曲の再生に使っている機器 | |||
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順位 | 項目 | 得票率 | 得票数 |
1 | パソコン | 55.7% | 290 |
2 | USB DAC | 44.3% | 231 |
3 | ウォークマン (NW-ZX1、F880) | 30.1% | 157 |
4 | ネットワーク オーディオプレーヤー | 17.7% | 92 |
5 | AVアンプ | 15.5% | 81 |
6 | スマートフォン | 13.1% | 68 |
7 | ポータブル ヘッドフォンアンプ | 11.9% | 62 |
8 | ディスクプレーヤー (SACD、BDなど) | 10.9% | 57 |
9 | iriver Astell & Kern (AK100、AK120、AK240など) | 8.8% | 46 |
10 | アクティブスピーカー | 4% | 21 |
11 | iBasso Audio (HDP-R10など) | 2.3% | 12 |
12 | FiiO (X3/X5) | 1.3% | 7 |
12 | カーオーディオ | 1.3% | 7 |
14 | HiFiMAN (HM-901/802/700など) | 1% | 5 |
- | その他 | 8.3% | 43 |
ハイレゾ配信に望むことは「配信楽曲の拡充」と「マスター音源の明示」
ハイレゾ配信に望むことを尋ねた質問では、「配信楽曲の拡充」が最も多く、得票率74.5%だった。次いで、「マスター音源(アナログ、PCM 96kHz/24bitなど)の明示」(同67.9%)、「低価格化」(同64.9%)となっている。「iTunes Storeのハイレゾ対応」は30.7%、「ダウンロード回数などの利用制限の緩和」は29.8%だった。
自由回答に寄せられた意見にも、「もっとJ-POPのコンテンツもハイレゾで増やしてほしい」、「クラシックやアニソンばかりでは、ハイレゾがマニア向けと思われても仕方ない」、「昔の曲をハイレゾ化するのが多いが、最新のものをハイレゾで出してほしい」など、配信楽曲の偏りや曲数の少なさを指摘するものが多かった。また、6月に米国業界団体のCEAとDEGが定義したハイレゾ「HRA」で用いられるマスター音源の明示化について賛同する意見も多く、「アメリカと同様音源に対する規格の明確化が望まれる」などの声が多数あった。
そのほか、「ジャケットや歌詞、ライナーノーツも別ファイルで付属して欲しい」など楽曲以外の特典を求める意見も多かった。
お寄せ頂いたコメント
・192kHz以上の音源の充実。
・192kHzと96kHzを聴き比べても違いは分からなかったが、16bitと24bitの差は分かった。今後は浮動小数点32bit音源を探してみたい。
・96kHz/24bitのアルバムを買ったあと、同じアルバムの192kHz/24bitが配信されたときはショックだった。
・CD購入後にハイレゾ配信が開始されることが多いので、CDと同時配信にして欲しい。
・CDなどのように後に残るものとしてハイレゾ音源化を進めて欲しい。CDの方が配信より愛着が持てるし、このままCDがなくなるのは惜しい。
・SACD所有曲については無料もしくは廉価にダウンロード販売して欲しい。
・ハイレゾ楽曲に興味は無かったが、「ガールズ&パンツァー(アニメ)」サントラのハイレゾ配信を機にハイレゾ楽曲にハマってしまい、今やピュアオーディオ界に足を踏み入れてしまいそうで怖い。
・CDからApple Lossless形式に変換して聴いており、それで満足している。アンプ、スピーカーなど音源を聴く環境を整えた方が満足できると思う。
(AV Watch編集部)