Blu-ray補償金に関して、権利者団体がJEITAに反論

-「録画元のデジ/アナ関係無く、BDは補償金対象」


2月24日発表

 私的録画問題に関する権利者会議団体などで構成される、Culture First推進91団体は23日、2月13日に社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した、Blu-rayを私的録音録画補償金制度の対象とする事に関しての意見に対し、「正しくない意見で、読む者に誤った認識を与え、混乱を招くものだ」と反論した。

 これは、権利者の許諾なく行なわれる私的使用目的の録音・録画の増大に伴う、著作権者等の不利益を補償するため、デジタル方式の録音/録画について補償金の支払いを義務づける「私的録音録画補償金制度」に関するもの。

 現在は、DAT、MD、CD-R/RW、D-VHS、DVD-R/RW/RAMの機器と媒体などが対象となっているが、地上デジタル放送の録画ルールである「ダビング10」の導入において、権利者団体や機器メーカーの対立が深まったことから、その妥協案のひとつとして、2008年6月17日に文部科学省と経済産業省が、私的録音録画補償金制度の対象にBlu-ray Discを加えることで合意。文化庁では、2009年4月1日からのBD製品の政令指定を行なうための著作権法施行令の改正案を公表し、意見募集を開始している。

 これに関して、JEITAは13日に「無料デジタル放送の録画に対しては、課金されないことを明確にするべき」という意見を発表。「コピーコントロールができないアナログ放送を(無劣化コピーできる)デジタル録画する場合は補償金が必要だが、コピーコントロール可能なデジタル放送をデジタル録画する場合には補償金は不要」という考え方に基づいた意見となる。

 これに対してCulture First側は「デジタル録画できるからBlu-ray Discが補償金の対象となることは明らか。録画の元となるのがアナログ放送であるかデジタル放送であるかは制度上全く関係がない。この点で既にJEITAの意見は正しくない」と反論。

 さらに、6月に交わされた経産省と文科省の大臣間の合意は、北京オリンピック前に、急速な普及が見込まれていたBlu-ray Discを補償金の対象とすることで「補償金制度を補完し、一旦延期した“ダビング10”の早期実施に向けた関係整備の一助となることを期待してなされたものだ」(Culture First)とし、「大臣間合意がデジタル放送を念頭に行なわれたのは明らか」と反論。「JEITAの意見はこの点でも、読む者に誤った認識を与え、混乱を招くもの」だとしている。

【2月3日】文化庁、Blu-rayを補償金制度の対象とする意見を募集
-施行期日は4月1日、意見募集の締切りは3月4日
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20090203/bunka.htm
【2008年7月24日】補償金問題について権利者団体会見。JEITAの対応を批判
-BDレコーダの補償金を「759円」と試算
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080724/cf.htm
【2008年7月10日】JEITA、補償金制度に関する見解をあらためて表明
-BD補償金は本体/メディアの両方か。「契約と技術で解決を」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080710/jeita.htm
【2008年6月17日】Blu-rayを補償金の対象へ。文科省と経産省が合意
-権利者団体は「ダビング10を前進させるものではない」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080617/dub10.htm
  

(2009年 2月 24日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]