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社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は13日、文化庁が3日より意見募集を開始した、Blu-ray Disc規格による録画機器と記録媒体を、私的録音録画補償金制度の対象とする著作権法施行令の改正について、意見を提出した。 文化庁の意見募集は、権利者の許諾なく行なわれる私的使用目的の録音・録画の増大に伴う、著作権者等の不利益を補償するため、デジタル方式の録音/録画について補償金の支払いを義務づける「私的録音録画補償金制度」に関するもの。 現在は、録音はDAT、MD、CD-R/RW、録画はD-VHSや、DVD-R/RW/RAMの機器と媒体などが対象となっているが、地上デジタル放送の録画ルールである「ダビング10」の導入において、権利者団体や機器メーカーの対立が深まったことから、その妥協案のひとつとして、2008年6月17日に文部科学省と経済産業省が、私的録音録画補償金制度の対象にBlu-ray Discを加えることで合意。文化庁では、2009年4月1日からのBD製品の政令指定を行なうための著作権法施行令の改正案を公表し、意見募集を開始した。 今回、JEITAが文化庁に提出した意見は、改正が6月の文部科学省と経済産業省の合意に基づき実施されることを求めており、主に以下の3点の主張を行なっている。
1点目の無料デジタル放送の録画については、経産省と文科省の合意で、アナログチューナを搭載していることと、アナログ放送のデジタル録画が可能であることを踏まえることが確認されているため、「アナログ放送のBDへの録画を補償金の対象にするためになされると解釈するのが妥当。いまだ解決されていないデジタル放送録画についてまで対象として追加すべきでない」と主張している。 JEITAでは「無料デジタル放送の録画」については、審議の途上であること、両省の合意文書においても、「早期に合意が形成されるよう努力する」としていることから、補償金の対象に「追加すべきでないことは明らか」と言及。また、アナログ放送録画ができないDVDレコーダについても、補償金支払義務の対象ではないことを明確にするべきと訴えている。 2点目は、両省の合意で「“暫定的な措置”としてBD録画機器を追加する」としていることを指摘。しかしながら、文化庁が公開した改正案では暫定性に関する一切の記載が行なわれていないことから、「アナログ放送停波後も、補償金対象であることが継続され、恒久的な措置となる可能性があると懸念される」とし、「2011年7月24日のアナログ停波までの暫定的な措置として位置づけられるのが妥当」と主張。暫定性を担保するための失効規定の導入などを求めている。 3点目は、課金対象のBDの特定に関するもの。改正案ではBDの技術仕様について、「直径が120mmで記録層までの距離が0.1mm」と記されているが、「BDの技術的な特定が不十分で、今後登場する録画技術にかかわる規格が、なんら議論なく補償金の対象に自動的に該当するとされてしまうことになりかねない」との懸念を表明。BDを特定するために「レーザー波長405nm、レンズ開口率0.85」という技術要素についても追加で法令に記すよう求めている。 また、権利者団体からは、政令指定の遅れについて機器メーカーの関与を疑う声が挙がっているが、JEITAは、政令案の策定に対して、文化庁に協力して取り組んできた点を強調。「一部に何かJEITAが法令追加に反対して今回の政令案の公表が遅れたかのように言われているのは残念なこと」と言及している。 □JEITAのホームページ ( 2009年2月13日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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