ケンウッド、「DTS SS」搭載の「Kseries」一体型オーディオ

-CD/USB/デジタルアンプ/ラジオ内蔵。TV接続も想定


シルバーモデル

4月上旬発売

標準価格:オープンプライス

  株式会社ケンウッドの100%子会社、株式会社ケンウッド・ホームエレクトロニクスは、コンパクトと高音質を特徴とする同社コンポ「Kseries」の新製品として、一体型システム「U-K323」を4月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4万円前後の見込み。カラーリングはシルバー(S)とブラック(B)を用意する。

 アルミ製の一体型筐体に、デジタルアンプとCDプレーヤー、スピーカー、AM/FMラジオを収めたシステム。価格や機能的には従来のラジカセやマイクロコンポの購入層をターゲットとしているが、音質や筐体の質感を高めたことや、省スペース性を追求したことで、単品コンボユーザーのサブシステムとしても訴求するモデルと位置付けられている。

 さらに、DTSのフロントサラウンド技術「DTS Surround Sensation(SS)」に対応。光デジタル音声入力や、USBメモリなどを接続して音楽ファイルを再生するためのUSB端子も用意。テレビの光デジタル音声出力と接続して、映画の音声をバーチャルサラウンド再生したり、自室のPC内の音楽ファイルをUSBメモリにコピーしてリビングに置いた「U-K323」でBGM的に再生するといった、リビングやテレビの側での利用を想定している。

 ただし、ドルビーデジタルなどのデコーダは内蔵しておらず、光デジタルで入力できるのはリニアPCMステレオまで。DTS SSのサラウンド効果は2段階調節が可能。なお、同機能を一体型2chシステムに搭載したのは世界初だという。

左がブラック、右がシルバーモデル

シルバーモデル

ブラックモデル

 外形寸法は390×267×119.5mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトだが、重量は5.8kgと一体型システムとしては重い。筐体には2mm厚のアルミ材を使用。振動をコントロールするオリジナル形状の「バイブレーションコントロールシャーシ」やインシュレータと組み合わせ、内部のCDドライブやスピーカー、外部からの振動による音質への影響を低減している。また、表面は梨地仕上げで高級感を高めている。

 低価格な一体型オーディオでは、樹脂製の筐体で、間仕切りによってスピーカーやドライブなどの各部を分けている事が多いが、「U-K323」ではスピーカーにMDFの独立したキャビネットを用意。そのキャビネットをアルミ製筐体に内蔵する構成になっている。

  ユニットは80mm径のフルレンジ。MDFキャビネットにはポートが設けられており、そこにパイプ状のダクトを接続。筐体内部を通って、前面に設けられたスリット型ポートから排圧することで、コンパクトながら低音再生が可能。

液晶下部にあるのがスロットインタイプのCDドライブ

下部にあるのがバスレフポート

側面

 アンプは20W×2ch(8Ω)のデジタルアンプ。プリ/パワー段ともにフルデジタル構成で処理することで、高精度な信号増幅が行なえるという。また、電源部はオーディオ回路から構造的に分離。専用のシールドケースで覆うことで、オーディオ回路などからの干渉を排除している。

 CDドライブはスロットインタイプで、CD-R/RWに収めたMP3/WMA/AACファイルの再生にも対応。英数カナのみタグ表示も可能だが、DRMには非対応。背面にUSB端子を備え、USBメモリ内などの音楽ファイルも再生できる。

 入力端子は光デジタル、アナログ音声(RCA)、同社のオーディオプレーヤーや別売のiPod用Dock「PAD-iP7」(12,600円)を接続するためのD.AUDIO入力(アナログ)を各1系統用意。「U-K323」のリモコンからiPodを操作することもできる。出力はレックアウトとイヤフォン出力を1系統用意する。

 タイマー機能も充実。再生タイマーは2系統用意し、平日用と休日用などで使い分けが可能。90分まで、10分刻みで設定できるスリープタイマーも備えている。AM/FMラジオは40局までプリセット可能。消費電力は22W。本体天面に操作ボタンを供えるほか、リモコンも付属する。

天面の操作ボタン

背面端子部

デジタルアンプを採用したことで発熱が少なく、天面の排熱スリットは後方にのみ開けられている。そのため、天面にiPod Dockなどを置くことができる
底面。振動をコントロールするオリジナル形状の「バイブレーションコントロールシャーシ」を採用する

インシュレーターも装備

付属のリモコン


(2009年 3月 23日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]