ニュース

finalトゥルーダイヤモンド振動板ヘッドフォン「DX10000 CL」、Astell&Kern最上位ポータブルDACアンプ「HC5」

final DX10000 CL

「冬のヘッドフォン祭 mini 2026」が7日、ステーションコンファレンス東京6Fで開催。各社が新製品や、開発中モデルの参考出品を行なっている。ここでは、finalやアユート、FitEarブースをレポートする。

final

final DX10000 CL

finalは、通常のブースに加え、特設ブースを設け、新フラッグシップ密閉型ヘッドフォン「DX10000 CL」を披露した。発売日や価格は未定だが、今年4月以降の発売を予定。外観やサウンドは最終ではないものの、完成に近づいており、価格は100万円を超える見込み。

最大の特徴は、フラッグシップイヤフォン「A10000」にも採用しているトゥルーダイヤモンド振動板を、40mm径に大型化し、ヘッドフォンを実現したこと。振動板の形状はドーム型で、一見すると、スピーカーのツイーターユニットのようでもある。

サウンドの傾向は、A10000のそれと似ており、超ハイスピードでクリア、微細な音も聴き取れる解像度の高さを持つ。ヘッドフォンになったことで、低域も量感を出しつつ、トランジェントが非常に良く、分解能も驚くほど高い。描写が微細なため、音が広がる様子、余韻、ホールの反響なども聴き取りやすく、音場の広さも体験しやすいヘッドフォンになっていた。

密閉型ヘッドフォン「DX4000 CL」

2月6日に発売した密閉型ヘッドフォン「DX4000 CL」も登場。

密閉型で感じる閉塞感の打破をテーマに開発。厚さ30mmの極厚低反発イヤーパッドを搭載することで、ドライバーと耳との距離を確保。歪みの少ないドライバーと不要な共振を抑え込む内部構造を融合することで、密閉型であることを忘れさせる開放感を実現した。

アユート

左から「A&ultima SP4000」、「A&ultima SP4000 Copper」

Astell&Kernのコーナーでは、フラッグシップDAPである「SP4000」の筐体素材に、銅をつかった「A&ultima SP4000 Copper」が登場。素材の違いによって、音にも違いがあるが、仕様自体はSP4000と同じ。重量はSP4000よりも、SP4000 Copperの方が少し重くなっている。近日登場予定で、予価は約70万円の見込み。

「A&ultima SP4000 Copper」

このA&ultima SP4000から、DACやアンプ技術を抜き出したようなAstell&Kernブランド初のハイエンドポータブルUSB DACが「AK HC5」。予価は85,000円で、今冬発売予定。

ハイエンド・ポータブルUSB DACが「AK HC5」

ポータブルUSB DACとして初という、AKM「AK4191EQ」+「AK4499EX」のDAC構成を搭載。さらに、SP4000で採用された並列配置オペアンプによる「High Driving Modeテクノロジー」も採用する。

PCM 768KHz/32bit、DSD 512まで対応するほか、アップサンプリング機能のDARも利用可能。6種類のDACフィルター変更、USB接続時のUAC 2.0/1.0切り替えも可能。Synt3製の専用フェイクレザーケースも付属。着脱式デュアルノイズシールドケーブルや、1.62型OLEDディスプレイも備える。ボリュームホイールは150ステップと細かく調節できる。

Astell&KernとVOLK AUDIOがコラボした「STELLA」

Astell&Kernのイヤフォン「STELLA」は、VOLK AUDIOと初めてコラボし、開発した限定生産のユニバーサルIEM。予価は700,000円で、今冬発売予定。

ハウジングに、6061-T6アルミニウムのシェルとフェイスプレートを採用。9Hサファイアクリスタルガラス、ステンレスフレームも使っている。

ユニットは、低域用ハイブリッドシステム(VOLK M9-R 9mmダイナミック+SonionデュアルBA)、中域用3BA、高域用ハイブリッドシステム(VOLK MP-2 デュアルプラナー+Sonionクアッド静電)のクアッドブリッド12ドライバ搭載。

独自のベントアーキテクチャー、6クロスオーバー、5サウンドチューブも投入。設計者であるJack Vangとグラミー賞エンジニアMichael Gravesのチューニングによって新たなる卓越したサウンドを実現したという。

qdc「4Pro」

qdcブランド10周年記念モデルのユニバーサルIEM「4Pro」は、2月6日に発売されたばかり。価格は110,000円。

qdcブランドが培ってきた技術革新を経てアップデートした、4BAドライバーを搭載。サウンドチューニングには多くのプロフェッショナルとオーディオ愛好家が参加し、約1年半に渡る無数の改良を重ねて完成に至ったという。

独自テクノロジーのシングルロッド連動フィルターを採用し、リスニング用の「Hifi」、スタジオモニター用の「Studio」、ライブモニター用の「Live」という各プロユースサウンド傾向を、1つのスイッチで切り替えられる。

qdc「CRAVE」

qdc「CRAVE」も、qdcブランドの10周年記念モデル。2月6日に発売されたばかりで、価格は550,000円。

「飽くなきサウンドへの渇望」を掲げ、独自IEMテクノロジーの粋を結集。トライブリッド15ドライバー搭載で、「EMPRESS」のドライバー構成をベースとしている。その上で、ユニバーサルIEMとして再設計&リチューンを施した。

超高域用に4基の静電(EST)ドライバー、高域用にカスタムBA×4基、中域用に新カスタムBA×2基、低域用にカスタムBA×4基を搭載。

音量レベルごとのサウンドバランスと感じる音の重さにターゲットを置きつつ、ボーカルや鍵盤の生々しいリアル感と楽器のステージングを鮮明に引き出すライブ感のあるサウンドをコンセプトとしてチューニングを徹底。

CRAVE専用にアップグレードした中音域用デュアルカスタムBAドライバーを採用しており、その場に浮かび上がるようなボーカル表現を獲得したという。

EMPRESSに使用されているカスタマイズ10mm径複合材振動板の高感度超低周波ダイナミックドライバーを超低域再生用に搭載。

qdc独自のDmagic音響構造を採用し、独立した音響キャビティと音導管にて筐体内空間におけるダイナミックドライバーと他のドライバーとのサウンド干渉を防ぎ、左右整合性とフラットな特性を実現した。

MaestraudioとFitEarがコラボした「STAGEAR」

MaestraudioとFitEarがコラボした、Maestraudio初のプロ向けエントリー・ライブ用ステージモニターイヤフォン「STAGEAR」も出展。2月14日発売で、価格は29,700円。

「より多くの方へ、手が届きやすく優れたライブ用ステージモニターIEM」というテーマで開発。多くのアーティストやエンジニアへ提供してきたFitEarからのアドバイスを、Maestraudioならではの解釈で昇華。プロの業務使用に応えるサウンドチューニングを施している。

ドライバーは、ニュートラルなサウンドと深く沈み込む低域再生を実現するため、10mm径グラフェンコートダイナミックドライバーと、独自の圧電セラミックス技術を応用したパッシブ型セラミックコートツイーターである5.8mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)を搭載したハイブリッド構成。

小型筐体では難しい高域拡張を可能にし、広いサウンドステージ表現で空間の奥行きや残響の余韻まで気持ちよく追えるサウンド特性を実現。ミュージシャン、シンガー、PAエンジニアなど、ライブ用途を想定してチューニングしたサウンドだという。

中央がgrell audio「OAE 2」

著名なオーディオメーカーで革新的なヘッドフォンを手掛けてきたAxel Grell氏が、2023年にドイツで設立したオーディオブランドがgrell audio。今後アユートが代理店契約を予定しており、「OAE 2」は同ブランドが開発した開放型ヘッドフォン。予価は90,000円。発売日未定。

Axel氏が開発した「フロントサイド・サウンドフィールド・モジュレーション(FSFM)」を搭載。従来のヘッドフォンとは異なり、バッフルに対して角度を付けて配置された振動板を採用。40mmの振動板はバイオセルロース製のコーンを使用し、特に大きな放射面と十分な振幅を実現。これにより、繊細な高音と力強い低音の絶妙なバランスが得られるという。

振動板の周囲部分であるバッフルは、同等製品の約2倍の開放面積を持ち、ドイツ製精密ステンレスメッシュで覆われている。このメッシュは音響インピーダンスを正確に定義し、低音と高音の優れたバランスを提供する。

FitEar

Origin-1

FitEar初のコンシューマ向け密閉型ヘッドフォン「Origin-1」をブースで聴くことができる。2月14日発売で、価格は88,000円。

FitEarの業務用ヘッドフォン「Monitor-1 SR(Studio Reference)」をベースとしつつ、「制作現場とリスニングをつなぐ“共通言語”としてのサウンドを目指す」とし、コンシューマ向けヘッドフォンとして開発したのが「Origin-1」。

「ステージでのPA用途や、スタジオでのミックス/マスタリングといった音楽製作の現場で求められる信頼性の高いサウンドを、そのままリスニング環境で楽しめる」という。

ドライバーは、長年マイクロスピーカーのOEM/ODMを手掛けてきたQIGOM(チーガム)と連携し、新たにカスタムチューニングした40mm径ダイナミックドライバーを搭載。 独自のワイヤリング手法により、プロユースに耐える高い耐久性と、繊細な再現力を両立。なお、ハードウェアの設計/製造は、業務用音響機器で実績を持つ城下工業が担当した。

「Lilior(仮)」

FitEarのイヤフォン「Lilior(仮)」は、ブランド初となるDECアンビエントフィルターを搭載した、新型のユニバーサルIEM。価格は未定で、来春発売予定。2025年12月の「ポタフェス 2025 冬 秋葉原」にも出展されていたが、そこから筐体が少しコンパクトになり、音のチューニングも進化したという。

ウーファーはSonion新型3800×4、フルレンジはSonion G90 ×2、ツイーターはSonion 新型ESTユニット×4を搭載した、ハイブリッド10ドライバ構成。新型ドライバ2種と、フルレンジBAをシームレスに統合。

アンビエントフィルターは、IEM装着時に外耳道にかかる圧力を緩和、音響インピーダンスを下げる効果により鼓膜の動作が最適化。「IEMでありながら自然な音場と定位を実現する」という。これにより従来の完全密閉型IEMでは得られなかった音楽体験を実現。アンビエントフィルターのメリットを最大限享受するための専用設計により、解像度の高さと空間の広さを両立している。