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クラリオン、フルデジタル伝送で平面振動板のハイレゾヘッドフォン。約14万円

 クラリオンは、Dnote技術を採用し、ハイレゾ対応の独自ドライバ「フローティング・フラットドライバー」を搭載した密閉型フルデジタルヘッドフォン「ZH700FF」を10月に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は14万円前後。

密閉型フルデジタルヘッドフォン「ZH700FF」

 発売に先駆け、7月30日に東京・中野サンプラザで行なわれる、フジヤエービック主催のイベント「ポータブルオーディオ研究会2016夏」に出品する。

 入力端子として、microUSB端子と、光デジタル兼用のアナログステレオミニ入力端子を装備。スマートフォンやパソコン、光デジタル出力対応のポータブルプレーヤーなどと接続した場合、音源ファイルからドライバまで、フルデジタルで伝送できるのが特徴。

 Dnoteは、デジタル音源をアナログ変換せずに直接スピーカー駆動できる技術として、Trigence Semiconductorが開発したもの。クラリオンは車載向けにもフルデジタルサウンドシステムを展開しているが、そのラインナップとして、新たにヘッドフォンを追加する形となる。

 フルデジタルで伝送できるため、DACなども不要で、音源を劣化させずにドライバをダイレクトに駆動でき、「高音質かつ原音に忠実なフルデジタルサウンドを実現する」という。

上から一般的な方式。DACでデジタル信号をアナログにしてからドライブしている。下がフルデジタルヘッドフォン

 対応できるデータは、PCM 192kHz/24bitまで。microUSB、もしくは光デジタル入力を使用。デジタル伝送ではなくなるが、光デジタル入力はアナログ入力も兼用しており、デジタル出力非対応のプレーヤーとも接続できる。入力電圧は055Vrms。

 ドライバユニットは独自開発。振動板は平面タイプで、歪みの原因となるエッジやダンパーが不要なフローティング構造と、複数のエッチングパターンを張り巡らせたマルチボイスサーキット構造を採用。振動板の面全体を、高応答駆動でき、「フルデジタルサウンドテクノロジーとの組み合わせにより、一般的な平面方式よりも圧倒的な低歪み特性とハイレゾ再生を実現した」という。ユニットサイズは60×54mm。再生周波数帯域は10Hz~48kHz。

 ハイスルーレートなバッファ回路も搭載。低位相雑音の水晶発振器やノイズの影響を排除する独立専用電源も導入。高品位なパーツと金メッキを施した基板などで、音質に磨きをかけたという。

 内蔵のリチウムイオンバッテリで動作。持続時間は、USB接続時で約6時間、光デジタルで約12時間、アナログ入力で約10時間。充電所要時間は約4時間で、USB端子から充電する。

 イヤーパッドは立体縫製で、装着感と気密性を追求。イヤーパッドは、前後で厚みに違いがあり、振動板を適切な方向に傾けることで「音像を理想的な音の方向である前方へ定位させた」という。

 ユニットを支えるアームには、曲線デザインとアルミ素材を採用。LEDを使ったイルミネーションなども備えている。ケーブルを省いた重量は約510g。

7月16日、17日に開催されたイベント「ポタフェス2016 東京」で展示された試作機