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エソテリック、超高精度ルビジウム搭載の最上位マスタークロック「Grandioso G1」

 エソテリックは、マスタークロックジェネレータのフラッグシップモデル「Grandioso G1」を8月31日に発売する。価格は160万円。

マスタークロックジェネレータのフラッグシップモデル「Grandioso G1」

 クロック入力を備えたトランスポートやDAC、プレーヤーなどに外部から高精度なクロックを供給する発振器。Grandioso G1には、米国製ルビジウム発振器(周波数精度:±0.05ppb=±0.00005ppm)を採用。専用の品質管理を施したカスタム仕様とすることで、「マスタークロックジェネレーターの最高峰モデルにふさわしい音質を実現した」という。

 クロック出力4系統備え、従来よりもワイドレンジに進化したという新設計「ワイドレンジ・クロックバッファーアンプ」を系統ごとに独立して搭載。高度な正確性が要求されるデジタル波形の生成には、高周波特性に優れた高速トランジスタを使ったディスクリート回路を使っている。

背面

 出力は10MHz。クロック出力の基準電位となるグラウンドを常に0Vに保つ「アダブティブ・ゼログラウンド」モードを新たに装備。グラウンド電圧の変動によるノイズ(ランダムジッタ)を防止する。背面のトグルスイッチで、出力端子ごとにアダプティブモード/ノーマルモードの切り替えが可能。バッファアンプの駆動方式の違いによる音質の違いが楽しめる。

 GPS受信機などを外部入力端子に接続し、10MHz、または1ppsの基準信号を外部から入力することも可能。衛星から受信した、より中心周波数精度の高いクロックに内蔵ルビジウムユニットを同期させ、オーディオ機器側に対しては外部GPS受信機内蔵の水晶発振器よりも安定性の高いルビジウム発振を行なう事もできる。

 内部配線には、専用に音質を吟味したカスタム同軸ケーブルによるハードワイヤリング接続を採用。コネクタには高周波伝送のために開発されたMIL規格準拠の金メッキSMAコネクタと、真鍮削り出しのオリジナルBNC端子を採用。

内部

 前述のワイドレンジ・クロックバッファーアンプの性能を引き出すため、電源回路は新設計。バッファアンプ4系統に対し、電源回路を4つに独立させ、チャンネルの独立性を高めている。

 アンプ部・電源部はブロック化し、最短経路で接続。電源トランスは、大型トロイダル・トランスをメインとし、デジタル制御部には専用のEIコアトランスを採用した2トランス構成。平滑回路にはコンデンサを複数組み合わせ、ショットキー・バリア・ダイオードを使用。高速なデジタル処理にも俊敏に対応し、正確なクロック生成に寄与するという。

 電源ボタンをOFFにしたときにシステムを完全にシャットダウンするモードに加え、内蔵ルビジウムユニットの通電のみ継続するプリヒートモード(推奨)も用意。電源投入から本来の性能を発揮するまでの待ち時間を短縮できる。

 ボトムシャーシには、2枚の鋼板を使ったデュアルレイヤー構造を採用。電源トランスとその他のコンポーネントをそれぞれ別のレイヤーに固定し、立体配置することで、相互干渉を防いでいる。剛性の高い重量級肉厚アルミパネルや、独自のピンポイントフットも導入している。

 消費電力は74W。外形寸法は445×448×132mm(幅×奥行き×高さ)。重量は23kg。