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キヤノン、本体で4K/60p収録できるCINEMA EOS「C700」。ProRes録画やAFも
2016年9月2日 13:00
キヤノンは、CINEMA EOSの新モデルとして、本体で4K/60p撮影を可能にした「C700」を12月下旬に発売する。価格はオープンプライス。EFマウントを採用し、ローリングシャッターを採用したモデルの店頭予想価格は300万円前後。PLマウントでグローバルシャッターを採用した「C700 GS PL」も2017年1月下旬に発売予定で、店頭予想価格は330万円前後。サービス対応でマウントの交換(EF/PL)も受け付ける予定。センサーの交換は未定。
既存モデル「300 MarkII」は4K/30pまでのカメラ内部録画に対応していたが、C700は4K/60pのカメラ内部録画が可能になった。従来4K/60p収録を行なうには、外部レコーダを接続してRAW記録する必要があった。
さらに、アップルの中間コーデックであるProResのカメラ内部録画にキヤノン製のカメラとして初めて対応。トランスコードする手間が省け、ワークフローを効率化できるという。ただし、ProRes 422HQで記録する場合は、4K/30pまでの対応となる。クロップしたフルHD時はProRes 422で180fps記録も可能。
記録メディアはCFastで、ダブルスロット仕様。2枚のメディアに同時記録できる。
SDカードスロットも搭載し、オフライン編集用の低レートのプロキシデータを記録可能。また、別売の他社製レコーダとして、Codexから「CDX-36150」が発売予定。C700と一体化するように装着し、4K/120fpsのRAW記録をサポートする。ファームウェアのアップデートで今後ProResにも拡張を予定している。従来通り、別体の外部レコーダによる録画にも対応する。
Canon Log 3にも対応。暗部を締め、階調を整える程度の簡易グレーディングを考慮した特性のガンマで、ノイズが目立ちにくく、Canon Logの扱いやすさを残したままダイナミックレンジを広げたガンマとして活用できる。最大15ストップ相当のダイナミックレンジを実現。 Log 3選択時のダイナミックレンジはISO 100~800選択時に200%~1600%に変化、ISO 800以上で1600%となる。
センサーは、撮像と位相差AF機能を兼ね備えた「デュアルピクセルCMOS」で、これを用いたAFが利用可能。画面内縦横約80%の範囲内で、高速なワンショットAF、コンティニュアスAF、高精度な顔検出AFが利用可能。ピントがシビアな4K撮影でも、ワンマンでの撮影を強力にアシストしてくれるという。前ピン/後ピンを伝えるUIや、あらかじめプリセットした位置にSETボタン一つでガイド表示を素早く移動する機能も備えている。
EFマウントのC700は、ローリングシャッターを採用したセンサーを搭載。4K対応のEFレンズや、豊富な写真用EFレンズが扱える。PLマウントのグローバルシャッターモデルでは、アナモフィックレンズを含むPLマウントレンズが装着可能。C300 Mark IIでは非対応だったCookeのi Technologyにも対応する。
グローバルシャッターは、同時露光一括読み出しとも呼ばれ、全画素から同じタイミングでデータを取得。ローリングシャッターは順次読み出しを行なう。このため、ローリングシャッターでは高速で横切る被写体を撮影すると、被写体が斜めに歪んだり、フラッシュバンドが発生する場合がある。
グローバルシャッターではこうした問題はないが、AFが機能せず、感度がややローリングシャッターより低いというデメリットもある。ローリングシャッターでの最低ISOは160で、拡張100。グローバルシャッターは320と200(4K/60p以下、2Kクロップ120p以下の場合)。また、RAW記録画素数が、ローリングシャッターモデルは今後のファームウェアアップデートで4,512×2,376ドットに対応する予定があるが、グローバルシャッターモデルはこれが4,272×2,376ドットとなる。
豊富なアクセサリを備えており、用途に合わせたカメラのスタイルを変更できるのが特徴。ターゲットとして、映画撮影をメインとしているが、TV制作などのENG/EFPユーザーにも訴求。ブリッジプレートやフォローフォーカス、マットボックス、有機ELビューファインダー、Codexのレコーダなどを取り付けた「シネマ撮影スタイル」や、ショルダーサポートユニット、外付けマイクなどを取り付けた「EFP撮影スタイル」などにカスタマイズできる。
本体の外形寸法はEFモデルが167×327×154mm(幅×奥行き×高さ)、GS PLモデルが167×336×154mm(同)。重量はEFモデルが約3,440g、GS PLが約3,600g。