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電車など高速な被写体を歪みなく撮影、キヤノンがグローバルシャッター式CMOS開発

 キヤノンは31日、全画素を同時に露光するグローバルシャッター機能を搭載し、 高速で動く被写体も歪みなく撮影できるというCMOSセンサーを開発。 産業・計測用分野や映像制作機器などへの展開を検討していくという。

グローバルシャッター機能を搭載したCMOSセンサー

 一般的なCMOSセンサーは、 画素行ごとに順次露光を行なう「ローリングシャッター方式」が採用されている。画素によって信号読み出しにわずかながら時間差が生じるため、例えば目の前を通り過ぎる電車を撮影すると、電車の車体が斜めになるなど、 高速に動く被写体が歪んだり、撮影中にフラッシュを使うと上下で画像の明るさが異なるフラッシュバンド現象が発生する場合がある。

 新開発のCMOSは、 全画素を同時に露光する「グローバルシャッター」機能を搭載。プロペラや電車など、 高速に動く被写体も歪みなく、正確な形状を撮像可能。「検査用カメラなど産業用途への活用・応用が期待される」としている。

 光を電気信号に変換し、信号電荷をメモリに蓄積する際に新駆動方式を採用し、飽和信号量を大幅に拡大。 光を効率的に取り込む構造も採用し、各画素内の配置を最適化することで、高感度化とノイズ低減も実現。広いダイナミックレンジで、輝度差の大きいシーンも高画質で高精細な映像の撮影が可能という。