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東芝とアルパイン、ドローンを使った電力インフラ点検で提携。画像処理とナビ技術活用

 東芝とアルパインは、産業用ドローンを使った電力インフラの巡視・点検サービス分野で提携することで合意。東芝の画像処理技術やIoT技術と、アルパインの地図情報連携技術、車載システムインテグレーション技術を融合させ、2017年度中の実用化を目指して開発する。

サービスのイメージ図

 両社は従来から車載分野などで協業していたが、電力インフラの巡視・点検サービスでも提携関係を構築する。

 現在、送電線や鉄塔の巡視・点検は、習熟した保全作業員による目視点検が主流。だが、山間部などのアクセスしにくい場所を点検する場合、点検場所までの移動に時間がかかり、高所での作業では危険が伴う。そこでドローンを使うことで、高所の送電線や鉄塔上部の画像を撮影でき、迅速な状況把握・作業時間の短縮・安全性の向上に繋がるとする。

 GPS、ジャイロ機能、地図情報連携など、ナビゲーション開発で培ったアルパインの位置制御技術を、航行制御技術としてドローンの安全で効率の良い飛行に活用。

 撮影した点検対象物の画像を画像処理・分析・検出の仕組みを構築した東芝のIoT基盤上で処理。分析には機械学習(AI)なども使われる。これらの技術により、送電線に落雷する事で発生するアーク放電の痕跡(表面が溶解したもの/アーク痕)などの要点検箇所を短時間で検出できるという。

 両社は今後、電力インフラだけでなく、国内外のさまざまな社会インフラ設備・施設にドローンを活用した巡視・点検サービス事業を展開していくとしている。