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USB Type-C端子からHDMI出力する「HDMI Alt Mode」。対応機器は'17年登場

 HDMI Licensingは14日、USB Type-C端子から、HDMIの映像/音声出力を可能とする「HDMI Alternate Mode(Alt Mode:オルトモード)」の説明会を開催。Alt Mode対応のUSB Type-C搭載機器から、USB Type-C端子のHDMIケーブルを用いて、HDMI搭載ディスプレイにダイレクトに信号出力可能になる。

タブレットとポータブルテレビでHDMI Alt Modeをデモ

 スマートフォンやタブレット、PCなどのUSB Type-C端子を備えたデバイスでの採用を目標に規格化し、HDMI 1.4b相当の機能を実現。USB Type-C端子から、4K/30pまでの信号出力や、オーディオリターンチャンネル(ARC)、3D、HDMI Ethernet Channnel(HEC)、CECなどのHDMI信号が伝送可能となる。ディスプレイ側は特別な対応は必要無い。

 HDMI Licensing LLCのロブ・トバイアス社長は、HDMI搭載ディスプレイは16年時点で約2億4,000万台普及し、さらなる拡大を見せていること、また、モバイル機器を中心にUSB Type-Cコネクタの普及がはじまっており、IHSの試算によれば2019年には20億台まで増えるとの予測を紹介。Type-Cコネクタ対応により、スマートフォンやタブレット、PCなどと、テレビなどの接続性、利便性向上が図れるため、Alt Modeの規格化を行なったとする。

HDMI Licensing LLCロブ・トバイアス社長

 Alt Modeの規格化にあわせて、USB Type-CコネクタとHDMIコネクタによる新たなケーブル(USB Type-C to HDMI cable)も規格化。対応機器同士を同ケーブルで接続することで、アダプタやドングルなしに、PCやスマートフォンのUSB Type-CからHDMI出力可能になる。なお、このケーブルの正式名称は「HDMIケーブル」(ロブ・トバイアス氏)とのことで、パッケージ等にHDMIケーブル(Type-C)などの記載をして判別可能にする見込み。

USB Type-C to HDMI cable(HDMIケーブル)
Alt Modeのピンアサイン

 Alt Modeの利用には、出力機器側のUSB Type-Cコネクタ(制御LSI)側のHDMI Alt Mode対応と、Type-C to HDMIケーブルが必要。このケーブルはHDMI信号をそのまま出力するが、USB Type-Cの認証に用いるため、USB Power Delivery(PD)関連の小さなチップを内蔵する。

 搭載製品は'17年1月の「CES 2017」でデモが行なわれ、その際に発売時期なども紹介される見込みで、2017年内の製品化が想定されている。

Alt Modeの主要メリット
アダプター無し、コンバーターなし

 なお、Alt ModeはUSB Type-C端子でHDMI信号を出力するための規格のため、HDMI信号とUSBのデータ信号の同時出力には対応しない。また、Alt Modeは、HDMI 1.4b相当のため、HDMI 2.0における4K/60p信号やHDR信号には対応せず、現時点ではHDMI 2.0対応の予定はないとしている。