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GoPro、ドローン「Karma」や”声で操作できる”新アクションカム「HERO5」を披露
2016年9月28日 16:03
GoProは28日、同社初の空撮対応ドローン「Karma」と、アクションカメラの新モデルで、手ブレ補正機能などを強化した「HERO5」シリーズを日本で初披露した。「Karma」の日本での発売日や価格は未定だが、「日本では今年の秋に発売したい」という。
「HERO5」シリーズの日本発売は既に10月3日と発表されており、上位モデルの「HERO5 Black」とコンパクトな「HERO5 Session」を用意。価格はHERO5 Blackが47,000円、HERO5 Sessionが36,000円。HERO5 Sessionの価格は従来38,000円と発表されていたが、日本での体験会において36,000円への変更が発表された。
空撮対応ドローン「Karma」
GoPro初のドローン。最大の特徴は、ドローン部分とスタビライザーが分離でき、スタビライザー部分を手持ちなどでドローンとは別に活用できる事。ドローン部分は「Karma Drone」と名付けられ、そこに3軸のカメラスタビライザー「Karma Stabilizer」と「Karma Harness」を取り付け、Karma Harnessにカメラを固定して空撮を行なう。操作は付属の「Karma Controller」で行なう。
「Karma Stabilizer」をドローンから取り外し、付属の「Karma Gripハンドル」に取り付けると、手持ちのカメラスタビライザーとして利用可能。歩きながらの撮影などで、揺れを抑えた滑らかな動画が撮影できる。
Karma StabilizerとKarma Gripハンドルを接続した際は、ハンドルに搭載したバッテリからKarma Stabilizerに給電するカタチとなる。しかし、両者を分離した状態で給電を行なう電源ケーブルも用意。Karma Stabilizerの根元に装着すると、GoProの様々なマウントに固定できるようにするリング状の金具も同梱しており、例えばGoPro 5とKarma Stabilizerをヘルメットに装着。そこから電源ケーブルをのばして、背中のリュックに入れたKarma Gripハンドルと接続するといった使い方もできる。
ドローン本体なども含め、これら一式に、プロペラやバッテリなどを1つのケースに収納して持ち歩る事もできる。Karmaケースのサイズは、540×320×150mm(縦×横×厚さ)。リュックのように背負う事もできる。
Karma Gripハンドルのサイズは、205×43×43mm(縦×横×厚さ)。重量は244.6g。バッテリの持続時間は1.75時間。
Karmaには4基のプロペラを搭載。プロペラが搭載されているアーム部分は折りたたみでき、本体をコンパクトにして持ち運べる。サイズは展開時が411×303×117mm(幅×奥行き×高さ)、収納時は224.3×365.2×89.9mm(同)。重さは約1kg。バッテリ1本での飛行時間は約20分。最高速度は秒速15m、最大飛行高度は4,500m。2.4GHzの無線に対応。
「Karma Controller」には屋外での視認を想定した、見やすい5型のスクリーンを備え、720pでドローンが撮影している映像の確認などが可能。スティックと2.4GHz帯を使ってKarmaを操作する。ワンボタンで離着陸ができるほか、シーン設定なども可能。
フライトシミュレーター機能も備えており、Karmaを飛ばさなくても、画面の中のCGで表現されたKarmaを、3D空間の中で飛行させ、操縦の練習ができる。コントローラーのバッテリ持続時間は4時間。重量は625g。
タブレットのアプリ「GoPro Passenger App」(iOS/Android)から、撮影コントロールもでき、ユーザーがKarma Controllerでドローンの飛行を制御、一緒にいる友人がタブレットを使い、カメラを操作するといった役割分担もできる。
Karmaにはカメラが付属しないため、別途GoProのアクションカメラを取り付けて空撮を行なう。アクションカメラの新製品「HERO5 Black」、「HERO5 Session」とセットのモデルを用意し、個別に購入するよりも低価格でカメラが購入できるのも特徴となる。また、Karmaには「HERO4 Black・SILVER」も取り付けられる。
「HERO5」シリーズ
「HERO5 Black」は、2型のタッチパネル型ディスプレイを搭載。音声での操作が可能になり「GoPro 写真」などと呼びかけると写真撮影をするといった使い方が可能。「GoPro 、電源OFF」で電源を切る事もできる。音声は英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、中国語、日本語に対応する。
ボタン一つでカメラの電源がONになり、撮影がスタートするシンプル操作も特徴だという。ハウジングを使わずに10mまでの防水性能を備えている。
動画は4K/30pに加え、1440/80p、1080/120pなどの撮影も可能。1,200万画素の静止画撮影にも対応する。強力な電子式の手ブレ補正機能も搭載する。
RAW撮影や、暗部とハイライトのディテールを維持した撮影ができる「WDR photo mode」なども備えている。
本体のディスプレイで撮影のプレビューから録画した動画の再生、映像のトリミングまでが行なえる。
GPSも搭載。無線LANとBluetoothに対応。1,220mAhのバッテリを利用でき、microSDカードスロットを装備。USB-C、マイクロHDMI端子も備えている。オプションを使い、本格的なマイクを接続する事もできる。
よりコンパクトな「HERO5 Session」は、ディスプレイを備えていない。HERO5 BlackとHERO5 Sessionの主な違いは、ディスプレイとGPSが無く、RAW/WDR撮影機能が省かれている事。
しかし、コンパクトながら音声操作や4K映像撮影、強力な電子式の手ブレ補正機能はHERO5 Blackと同様に搭載している。ワンボタンで撮影がスタートするシンプルな操作性も採用。ハウジングを使わずに10m防水にも対応する。
動画は4K/30pに加え、1440/60p、1080/90pなどに対応。1,000万画素の静止画撮影にも対応する。強力な電子式の手ブレ補正機能も搭載。
GPSは搭載していない。無線LANとBluetoothに対応。1,000mAhのバッテリを採用し、microSDカードスロットを装備。USB-C端子を備えている。
HERO5 SessionとHERO5 Blackには、ハウジングを使わずに10mの防水性能があるという共通点がある。GoProの設立者でCEOのニック・ウッドマン氏は、画質の良さや、電子式手ブレ補正の強さと共に、音質にもこだわっている事を説明。ハウジングを装着した水中撮影では、音がこもってしまうが、ハウジング無しで水中撮影できる新製品ではこの問題をクリア。水からあがったら、すぐに水が抜ける機構も備えているという。
クラウドベースの映像編集・共有サービス「GoPro Plus」や編集ソフトも
GoPro Plusというサービスも新たにスタートする。GoProを充電している最中に、クラウド上にあるGoPro Plusのスペースに、撮影した写真や動画を自動的にアップロード。いつでもどこからでも、撮影したコンテンツにアクセスでき、共有できるほか、編集も可能なのが特徴。
編集時には、サウンドトラックを選んで編集中の動画に付与する事も可能。会員向けのサービスとして、GoPro.comでマウントやアクセサリを購入する際に20%の割引が受けられたり、GoProアパレルへの限定アクセスも利用可能。プレミアムサポートも用意するという。日本での月額料金は未定。米国では10月2日よりサービスを開始し、その他の国では2017年1月初旬より開始予定。
また、手軽に編集ができるスマホ向けアプリ「Quik」のデスクトップ版も登場。動画をインポートし、好きなショットを見つけ、音楽ライブラリからサウンドトラックを選ぶだけで、動画が自動的に音楽のビートと同期して編集される。「数クリックでビデオを編集でき、SNSで共有できる魔法のようなソフト」だという。
今後登場のオプション製品としては、キーチェーン式のmicroUSBカードリーダ「Quik Key」を予定。写真や動画を素早く取り込めるという。さらに、音声起動リモコン「REMO」を使うと、HERO5シリーズの音声コントロール範囲を広げ、ワンボタンでのリモコン操作を可能にするという。
「GoProが消費者の生活を変える」
シニア・バイス・プレジデントのGeorge "Jeff" Brown氏は、HERO5シリーズとKarmaについて、「GoProが消費者の生活を変える、それくらいのインパクトを持った製品だ」と説明。
さらに、「2年ほど新しいラインナップを発表していなかったが、その期間、多くのフィードバックをお客様からいただいていた。我々が最も注目したユーザーの意見は、“GoProがYouTubeにポストしているような、クオリティの高い映像がなかなか作れない”というもの。これを解決するために、この18カ月ほどは大きな投資を行ない、ソフトウェア開発に注力していた。その成果が、撮影した映像をキャプチャし、編集し、シェアする。その流れを1つのソリューションとして、簡単に提供できるのがGoPro Plusだ」と説明。
SNSへの投稿で人気に火がついたGoProの歴史も振り返りながら、より簡単に、迫力ある映像を、全てのユーザーが撮影できるようにしていくというビジョンを語った。
また、セールスについては、「既に半数程度のセールスはアメリカ以外で、GoProがいかに全世界知られるブランドになっているかを示すものだと考えている。アジアの比率はまだ10%程度だが、今後大きく伸びる、注目のマーケットだと考えている。ここでもSNSを活用し、コンシューマと直接対話し、アジアでもユーザーと距離の近い製品にしていきたい」と抱負を語った。