ニュース
“個人で買える”HDMIチェッカー。Nutube真空管で約8千円の自作ヘッドフォンアンプ
2016年10月6日 09:30
マイコンソフトは、「CEATEC JAPAN 2016」の電波新聞社ブースにおいて、HDMIからハイレゾ音声を取り出せるスプリッタや、HDMI信号を地デジ信号に変換してサイネージなどに利用できるOFDM装置、個人向けHDMI信号発生機などのユニークな製品を展示している。
また、同ブースには電波新聞社の雑誌が多数販売されており、その中にある「電子工作マガジン 2016 AUTUMN」では、超省電力の真空管「Nutube」を用いたヘッドフォンアンプの自作方法を記事で紹介。ブース内に試作機が展示されており、試聴が可能となっている。
BDプレーヤーなどからHDMIハイレゾ音声を取り出す「XDAC-1plus」
「XDAC-1plus」は、HDMI信号からデジタル/アナログ音声を取り出せるオーディオスプリッタ。Blu-rayプレーヤーとHDMI接続して、映像はパススルーでテレビにHDMI出力し、HDMIを持たないアンプなどのオーディオ機器にデジタル/アナログ音声を入力できるのが特徴。'17年春に発売予定で、価格は未定だが、1万円を少し上回る程度の見込み。
'13年に発売した「XDAC-1」はHDMIのバージョンが1.4だったが、新モデルのXDAC-1plusはHDMI 2.0対応で4K/60p映像(4:2:0)のパススルーが可能。また、最高192kHz/24bitのハイレゾ音声(リニアPCM)もサポート。サラウンド音声は、ドルビーデジタル5.1chやDTS、AACに対応。従来モデルはサポートしていなかったARCにも対応している。
HDMI信号を地デジ信号に変換して伝送
HDMI信号を入力すると、地デジの信号として出力できるOFDM装置「XHEAD-2(仮称)」は、HDMIケーブルでは届かない長距離伝送などで、同軸アンテナケーブルを介してテレビと接続できるようにする変換器。1080/60iまでの映像に対応し、地デジのRF信号(ISDB-T)に変換可能。サイネージや館内放送などにも利用できる。
PlayStation 4やWii Uなどのゲーム映像の録画用途も想定。録画の場合は、PCまたはゲーム向けレコーダを利用する。なお、著作権保護された映像はテレビには表示できるが、録画は非対応。パソコンで変換/再生したMPEG-4 AVC/H.264などの映像を、USB端子から入力することもできる。'17年内の発売を予定しており、価格は5~6万円前後。
電池でも動くHDMIチェッカー
“個人向けHDMIチェッカー”として、「XPAT-1」と、「XPAT-1mini」も発売。「個人でも買える価格」で発売するという。なお、業務向けではないため、校正サービスや、故障時の代替機貸出といった業務向けのサポートなどは行なわない。
XPAT-1は、信号発生器(パターンジェネレータ)として、480p~4K/60pまでの解像度に対応。テレビなどの表示検査を、家庭や小規模な家電店舗などでも行なえる。音声はリニアPCMの192kHz/24bitまで対応。テレビにカラーパターンやモノスコープなどを表示して確認できる。スクロールや固定アニメーションにより、動き補正のチェックも可能。
また、簡易プロトコルアナライザとしても利用可能で、EDID解像度や、現在の信号の解像度情報を確認可能。HDMI信号の解像度や、テレビが対応している解像度などの情報を表示できる。
さらに、HDMIのケーブルテスターになるのも特徴で、接続したHDMIケーブルに正しく信号が通っているかどうかをチェック可能。正しく通信できない場合はエラーレートも確認できる。
“手のひらサイズ”というXPAT-1miniは、480p~4K/60pの信号発生器とケーブルテスターの機能を搭載し、9V乾電池でも動作するのが特徴。
NuTubeを使ったヘッドフォンアンプ試作機
雑誌「電子工作マガジン 2016 AUTUMN」において、コルグとノリタケカンパニーリミテドによる超省電力の真空管「Nutube」を使った自作ヘッドフォンアンプの作り方が解説されており、その完成見本となる試作機が展示。その場で試聴可能となっている。
既報の通り、Nutubeは9月23日から一般販売が開始されており、東京・秋葉原などの取扱店において5,000円で販売。これを使ってヘッドフォンアンプを自作する方法が誌面で紹介されており、使用するパーツと、それを買える店舗なども一覧で案内。Nutubeと合わせても8,000円を少し超える程度の予算で作れるという。