ニュース

ソニー、音質もマイク品質も大幅進化したゲーミングヘッドセット「INZONE H9 II」

「INZONE H9 II」(ホワイト)

ソニーは、ゲーミングブランドのINZONEより、“勝つためのFPSゲーミングヘッドセット”を謳うワイヤレスゲーミングヘッドセット「INZONE H9 II」を、9月5日に発売する。価格はオープン、市場想定価格は40,000円前後、カラーはブラックとホワイト。

なお、同時に発表された有線のゲーミングイヤフォン「INZONE E9」や、INZONE初となるマウス、マウスパッド、キーボードについては、別記事で紹介している。

左が新型「INZONE H9 II」、右が前モデル「INZONE H9」

プロeスポーツチーム・Fnaticと共同開発したワイヤレスヘッドセットで、既発売の「INZONE H9」の後継機。H9はノイズキャンセリングや音質、デザインなどはユーザーから支持された一方、マイクの品質や重量(ホワイト約330g/ブラック約335g)などに改善を求める声があったという。

またソニーとしても「PS5ゲーマー(カジュアルゲーマー)にはリーチできたものの、マイク品質・有線非対応などの理由でPCゲーマー(コアターゲット)には十分に浸透しきれなかった」と分析。Fnaticと共同開発することで「FPSコアゲーマーに愛される性能に進化した」としている。

「INZONE H9 II」(ブラック)

音質面では、同社の音楽向けワイヤレスヘッドフォン最上位モデル「WH-1000XM6」と同じ、ソニー独自開発の30mm径ドライバーユニットを採用した。前モデルのH9は40mm径ドライバーから小型になることで軽量性に貢献。

さらに口径が小さくなったことで振動板の振幅性が向上したことで、結果的に低域感度が高くなり、低域再現性とノイズキャンセリング性能に貢献しているという。

Fnatic所属選手とともにFPSゲーム「VALORANT」、「Apex Legends」に最適化したEQプリセットも開発し、「プロが求めるプロと創った音づくりを体験可能」とする。

EQプリセットはFPS-1~3の3種類で、FPS-1~2はVALORANT向け、FPS-3はApex Legends向け。FPS-1はFPSゲームプレイ中の足音や銃声、そのほかの効果音を強調することで全体の状況をより把握できる音質にチューニングした。

FPS-2は敵などの方向感をより把握できつつ、長時間でも快適に聴きやすい音質、FPS-3は、FPSゲームの効果音の過剰な高域を抑えることで、必要な音を聴き取りやすく、かつ長時間でも聴き疲れしない音質に仕上げられている。

ヘッドバンドはワイヤーフレームとバンドを組み合わせた構造に変更された
バンド部分が頭部にフィットする

マイクは前モデルの一体型から着脱式に変更されたほか、ヘッドバンドも「これまでのソニー製品では採用例がない」というワイヤーフレームとバンドを組み合わせたデザインに変更された。

右ハウジングに電源ボタンやBluetoothボタン、音量バランスボタンを搭載
左ハウジングには音量調整ダイヤルやノイズキャンセリングのボタンなどを備える

これにより本体重量はマイク無しの状態で前モデルから70g軽くなり、260gの超軽量設計を実現。また従来は合皮製だったイヤーパッドもナイロン製に変更され、快適性と遮音性を両立した。

着脱式になったマイク部
左ハウジングにマイク端子を備える
マイクは口元まで曲げやすい構造

着脱式になったマイクは、発話者の声だけを拾ってノイズを抑制する単一指向性で、広帯域のスーパーワイドバンド対応となり高い送話品質も実現。クリアかつ自然なサウンドで通話ができる。口元まで曲げやすいブームマイク構造も採用したほか、前モデルにはなかったウィンドスクリーン(風防)を標準装備する。

左ハウジング上部にミュートボタン。表面に凹凸加工が施されており、指先の感覚でも位置を把握しやすい
ミュート時はマイク部のライトが赤く光る。着脱式マイクで実現するには苦労したギミックだという

前モデルでは、マイクを跳ね上げると自動でミュートになる仕組みだったが、今回のH9 IIでは、左ハウジング上部にミュートボタンを搭載。ボタンを押し込むことでミュートをON/OFFできる。OFF時にはミュートボタンと、ブームマイクの先端が赤く光るギミックも備えている。

このボタンレイアウトもFnatic所属選手と共同でデザインしたものだといい、ミュートボタンは「イヤーカップを掴んだときに指が自然と届く位置だと好評」とのこと。

付属のドングルはUSB Type-C形状に

接続方式は従来の低遅延2.4GHzワイヤレス接続とBluetooth Classicに加え、Bluetooth LE Audio、さらに3.5mmステレオミニの有線接続にも対応。2.4GHzワイヤレス用のドングルは前モデルのUSB Type-A形状から、完全ワイヤレスイヤフォン「INZONE Buds」などで採用されているUSB Type-C形状に変更されている。

引き続き、同社の音楽用ヘッドフォンで定評のあるノイズキャンセリングモードと、外音取り込みモードを搭載。ゲーム向けに最適化した立体音響バーチャライザー「360 Spatial Sound for Gaming」も搭載した。

なお、前モデルではPS5のゲーム画面上にヘッドセットのステータスなどを表示できる「Perfect for PlayStation 5」に対応していたが、このH9 IIでは非対応。ただし、PS5独自の3Dオーディオである「Tempest 3Dオーディオ」を楽しむことは可能。

またH9 IIでは、音楽用ヘッドフォンなどでも使われているスマートフォンアプリ「Sony | Sound Connect」に対応。同アプリ経由でEQ設定を適用できるため、PCだけでなくPS5で使う場合も、上述のVALORANTやApex向けEQプリセットが利用できるようになっている。

バッテリー駆動時間はノイズキャンセリングOFF時で約30時間。各種ケーブルや持ち運びに便利なソフトポーチなどが付属する。

ポーチやケーブルなどが付属する
付属ポーチに収納したところ

なお、このINZONE H9 IIと同時発表されたゲーミング有線イヤフォン「INZONE E9」は、人気FPS「VALORANT」の国内大会である「VALORANT CHALLENGERS JAPAN(VCJ)」の公式ゲーミングギアにも採用された。

VCJ 2025のシーズンファイナルは8月23日~24日に東京・調布市にある京王アリーナTOKYO(武蔵野の森総合スポーツプラザ)で開催される。

有線ヘッドセット「INZONE H3」に黒モデル

また有線接続にのみ対応するゲーミングヘッドセット「INZONE H3」には、ブラックのカラーバリエーションが追加される。10月3日発売で、価格はオープン、市場想定価格は10,000円前後。これによりINZONE H3は2色展開となる。