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カラオケ店でアイドルのバーチャル握手会や360度ライブ。KDDIがVR実証事業
2016年10月12日 16:23
KDDIとKDDI総合研究所は、カラオケ店でのVR(バーチャルリアリティ/仮想現実)事業の展開を目指し、シダックスやポニーキャニオンとの連携で実証事業を開始する。期間は10月19日~11月18日で、実施店舗はシダックス新宿歌舞伎町クラブ(新宿区歌舞伎町1-5-2)。料金は、1部屋1時間あたり600円。別途カラオケ室料(1名1時間600円~)も必要。
店舗内においてVR対応の専用ルームを用意し、室内でVR機器の「HTC Vive」を装着。アーティストのライブや握手会などの交流イベントを、その場にいるかのように体験できるという内容。「カラオケルームの特性 (高音質な音響、防音設備、複数人数集合可能) に着目し、ルームスケールVRを体験可能とするVR機器、『HTC Vive』の貸し出しを通じて、VRコンテンツ配信を行なう試みは日本初」としている。
今回の実証事業で体験できるコンテンツは、実在するアイドル「マジカル・パンチライン」(マジパン)の撮り下ろし「360度ライブ」と、ユーザー自身が室内を歩きながら多様な視点で鑑賞する「自由視点ライブ」と「自己紹介」、「マジパン」とのカラオケ体験、「マジパン」とのバーチャル握手会。
さらに、KDDIが次世代コミュニケーションをイメージして、3月に米国のイベント「SXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)」に出展したVRコンテンツの「Linked-door」も用意する。
体験する場合は、事前にシダックスの新宿歌舞伎町クラブに電話予約するか、店舗受付でVRの利用を希望する旨を伝える。指定の専用ルームに移動後、部屋に備え付けのVRヘッドマウントディスプレイを装着し、コンテンツを選んで利用できる。
「自由視点VR」技術を採用
KDDI総合研究所は、複数の高精細カメラ映像を高度に合成し、スポーツ観戦などでユーザーが自分の見たい位置の映像を見られる「自由視点映像」を実現している。今回の実証事業で採用された「自由視点VR」技術は、この自由視点映像技術を、HTC Viveのような「ルームスケールVR」に応用することで、実写によるアーティスト映像を基に、ユーザーが移動しながら自由な視点でVR映像を楽しむことを、世界で初めて実現させたものだという。
自由視点VR技術では、アーティストなどの被写体を抽出して3Dモデル化し、3DCGで制作したバーチャル空間と合成。実写映像とCG映像を組み合わせた映像表現ができ、アーティストが登場する舞台設定を柔軟にカスタマイズ可能。ユーザーが場所を移動しても、その位置に応じた自然な映像再現が行なえ、これまで以上に臨場感や迫力のある映像体験ができるとしている。
元アイドリング!!!佐藤麗奈などの「マジカル・パンチライン」が参加
参加する5人組アイドルグループ「マジカル・パンチライン」は、モデルやタレントとしても活躍する元「アイドリング!!!」の佐藤麗奈を中心として2月に結成。7月20日に、ミニアルバム「MAGiCAL PUNCHLiNE」でポニーキャニオンよりメジャーデビューした。
実証事業のスタートを記念して、KDDIの「SATCH VIEWER」アプリで、スマートフォンをかざすとAR技術により手のひらでマジパンが自己紹介を始める「マジパンFREE VIEW AR」を10月19日より無料配信開始。スマートフォンのカメラの角度を変えると、好きな角度からメンバーを眺める自由視点映像をARで楽しめる。