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ネットカフェがVR体感シアターに。攻殻機動隊や進撃の巨人の360度映像サービス
(2016/4/5 15:00)
デジタルコンテンツ制作などを手がけるeje(エジェ)は、サムスンのヘッドマウントディスプレイ「Gear VR」を使った360度映像コンテンツ視聴を、全国のネットカフェなどで体験できる新サービス「VR THEATER」を4月7日より展開する。スタート時は「自遊空間 BIGBOX 高田馬場店」(東京・新宿区)など関東圏の計31店舗に導入され、順次、全国に拡大される予定。
VR THEATER向けの新コンテンツ第1弾として、「進撃の巨人展」(全国巡回中)内で公開された「進撃の巨人展 360°体感シアター“哮”」を期間限定で提供する。さらに第2弾として、「攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver」完成版(15分)を'16年5月に世界初公開予定。第1弾コンテンツはBIGBOX 高田馬場店など31店舗で視聴可能で、料金は現金決済で600円/1回(店舗利用料・入会料金が別途必要)。なお、第2弾の導入店舗や視聴料金は「調整中」としている。
視聴条件として、年齢が13歳以上であることと、運転免許証などの本人確認証明書が必要。VR THEATERを導入する31店舗の一覧は記事の最後に掲載している。
VR THEATERは、ejeの360度コンテンツポータルアプリ「VR CRUISE」('15年末より提供開始)と、インターピアの開発した課金・決済システムを連携させたサービス。複合カフェ(ネットカフェ)を中心に展開され、店頭で有料コンテンツを購入してその場でGear VRを使って視聴可能。さらに、BIGBOX 高田馬場店には、映像・音声と連動したボディーソニック(体感音響)で臨場感あるVR体験ができるという、VR4Dシステム搭載ボールチェア「TELEPOD(テレポッド)」も設置される。店舗での現金決済によるVR視聴サービスは「国内初」としている。
サービス利用時は店頭の受付で会員登録(有料)を行ない、貸し出されたGear VRとヘッドフォンなどをブースに持ち込んで360度コンテンツを視聴。終了後に機器を受付に戻す。
HMDを買う前に店舗で気軽にVR体験。Oculus RiftやPS VRでの展開も検討
ejeはコンテンツ視聴デバイスにサムスンのスマートフォン「Galaxy」を採用。さらに、フジテレビやポニーキャニオン、Production I.G、積木制作と協力してVR THEATER向けの新たな360度コンテンツを制作し、オンラインでVR体験できるVR CRUISEと、オフライン(複合カフェなどのリアル店舗)のVR THEATERの両輪でVR体験コンテンツを提供していく。
実店舗の運営面では、店舗事業者向けのコンテンツ課金・店頭決済システムを開発するインターピアと、日本複合カフェ協会(JCCA)が協力。かつてインターネットカフェ「Necca」を運営した経験を持つインターピアが、実店舗でのVR視聴環境の提供とコンテンツ販売の仕組みを提供する。具体的には、VR THEATERサービス向けに開発した端末制御・コンテンツ配信・セキュリティを担う「Necca sdm」、店頭での電子チケット販売を支える現金決済システム「C MANAGER」、VRコンテンツ視聴(決済)のログ管理システム「VRi-ipx」が用意される。
インターピア 代表取締役社長の楠岡仁志氏は、海外に比べて国内ではVRコンテンツへの投資が少ないという問題を指摘し、「VR普及に向けたビジネスモデルのスキームを作るために試行錯誤してきた。VR用ヘッドマウントディスプレイを買う前に気軽に試せるよう、カラオケやカプセルホテルなど、北海道から沖縄まで全国に展開していきたい。年内には1,000箇所まで体験できるスペースを拡大したい」とコメント。
VR4Dシステムを体験できるTELEPODについても、当初はBIGBOX 高田馬場店の1店舗のみとなるが、導入に向けた用意が他店舗でも進めば、随時設置店舗を拡大するという。また、VR映像のストリーミング/ライブ配信など「2020年に向けてさまざまな取り組みを考えている」と語った。
スタート当初の導入タイトルは上述の2作品に加え、VR CRUISEにおいて提供中の無料作品なども含む。
ejeの三代千晶 代表取締役は、「VRコンテンツは開発コストが大きいぶん、収益が取れないという厳しい現状がある。複合カフェ店舗と協力し、タッチポイント(ユーザーとの接点)を増やすことでその状況を打開したい」とコメント。さらに「(360度コンテンツはユーザーにとって)一度見たらもういいや、ということになる可能性は十分に考えられるが、アーティストのライブ映像などは何度も見返す楽しみがある」として、今後も動画コンテンツを中心にゲーム性の高いインタラクティブタイトルなど、さまざまなコンテンツ拡充を図るという。視聴デバイスについても、スタート時はGear VRのみで展開されるが、Oculus Riftや、ソニーのPS4用ヘッドマウントディスプレイ「PlayStation VR」などの利用も検討しているとした。
JCCAの日髙大輔 理事長は「今回はeje、インターピア、JCCAの三者が一体となって企画した。非常に興味深く、複合カフェとの相性が良いコンテンツだと思う。『進撃の巨人』を体験したが、一言では表現できないほどびっくりして、子どもの頃に思い描いた未来を感じた。ひとりでも多くの人に体験してもらいたい。我々はそのための整備をしていく」と話し、VR THEATERのサービス開始を歓迎した。
「攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver」を実際に体験した
7日のサービス開始より一足先に「攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver」完成版や「進撃の巨人展 360°体感シアター“哮”」を体験した。
いずれもフルCG作品で、音声はステレオ。攻殻機動隊 新劇場版コンテンツは、VR THEATER用に制作された映像作品。草薙素子やバトー、タチコマが、与えられたミッションを進めていくところを第三者視点で見られる。素子の義体が水槽のなかで組み上げられていくシーンや街への降下シーン、ネジやケーブルがはじけ飛んでこちらに降りかかってくるほど壮絶なバトル、夢の中のような美しい桜吹雪などが描かれる。15分と短いながらも攻殻機動隊らしい奥深さを持つストーリーを楽しめた。
特にキャラクターの顔が迫ってくるシーンなどは、造形がリアルなこともあって「近い近い!」とつい顔をそむけてしまうのだが、そむけた先にもこちらに迫るキャラクターの身体の一部や流れる背景が見える。そのため映像への没入感は非常に高い。VR酔いはなかったものの、Gear VRを外してからも、現実世界にある体験会場の風景は果たして本物なのか? と確かめたくなるほどだった。攻殻機動隊とVR体験は相性がよく、これを見るためだけにVR THEATER実施店舗に足を運ぶ価値は十分アリ、と感じた。
進撃の巨人コンテンツでは、街中に進撃してくる複数の巨人の周りをミカサやアルミンら主要キャラと一緒に飛び回っているような感覚を味わえる。映像内容は「進撃の巨人展」で展示されたものと同じだが、「進撃の巨人展ではOculus Rift DK2を使っていたが、今回はGear VR向けに再エンコードした。パソコンに繋がっていないぶん、より気軽に楽しんでいただける」(ejeの三代氏)という。
- 自遊空間 BIGBOX高田馬場店
- 自遊空間 亀戸店
- 自遊空間 前橋国領町店
- コミックバスター 浅草駅前店
- コミックバスター 池袋西口店
- コミックバスター 目黒駅前店
- エアーズカフェ 両国店
- ワイプ 代々木北口駅前店
- ワイプ 自由が丘駅前店
- ワイプ 調布南口駅前店
- ワイプ 桜木町駅前店
- アプレシオ 新宿ハイジア店
- アプレシオ 幕張店
- アイカフェ AKIBAPLACE店
- アイカフェ 八潮店
- サイバック 中野サンプラザ店
- サイバック 龍ヶ崎店
- オアジ 水戸店
- ゆう遊空間 茅ヶ崎店
- グランサイバーカフェバグース 渋谷センター街店
- グランサイバーカフェバグース 新宿店
- グランサイバーカフェバグース 新宿西口店
- グランサイバーカフェバグース 池袋店
- グランサイバーカフェバグース 池袋西口店
- グランサイバーカフェバグース 町田ANNEX店
- Libertyhouse 伊勢佐木町店
- Libertyhouse 藤沢店
- Moopa! 新橋店
- NEWNEW 川崎銀柳店
- PAOカフェ 青梅店
- ポジション2 恵比寿店
VR THEATER サービス実施店舗(スタート時)