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JVC、4K/HDR放送のHLGに対応したD-ILAプロジェクタ。コントラスト最大130万:1

 JVCケンウッドは、4K/60p映像入力やHDR信号のHybrid Log-Gamma(HLG)方式に対応したJVCブランドのホームシアタープロジェクタ「DLA-X770R」と「DLA-X570R」を12月下旬に発売する。価格はX770Rが90万円、X570Rが70万円。カラーはX770Rがブラック(B)で、X570Rはブラック(B)とホワイト(W)の2色。

DLA-X770R

 パネルは0.7型で1,920×1,080ドットのフルHD D-ILAデバイス、ピクセルシフト(画素ずらし)技術の「e-shift」を組み合わせて4K表示を実現するD-ILAプロジェクタ。'15年モデルの「DLA-X750R」や「DLA-X550R」に比べて輝度やコントラストを向上させたほか、HDR画質の放送向けにHLGに対応し、HDR 10信号が入力されると自動で切り替わる「HDRオートピクチャーモード」も採用したのが大きな特徴。

 両機種の主な違いは輝度やコントラスト比のほか、上位機種のDLA-X770Rは、THX3Dディスプレイ規格認証を取得。オリジナル映像に忠実な“フィルム画質”を実現するという独自の「Real Color Imaging Technology」も備える。

 4K/60p 4:4:4信号や、4K/60p 4:2:2/36bit、4K/24p 4:4:4/36bitなど18Gbpsの伝送帯域に対応したフルスペック4K映像入力に対応。HDCP 2.2もサポートする。

 X770Rは、265Wの高圧水銀ランプと高効率光学エンジンにより、1,900ルーメンに高輝度化(従来モデルのX750Rは1,800ルーメン)。画素ギャップが狭く光の利用効率が高いD-ILAデバイスとの組み合わせで、緻密で滑らか、かつパワフルな映像を実現。鮮明で迫力ある4K映像を楽しめるという。X570Rも265W高圧水銀ランプを搭載するが、輝度は1,800ルーメン。

 またX770Rは、D-ILAデバイスと高出力ランプに対応したワイヤグリッド採用の光学エンジンにより、ネイティブコントラスト比は、従来モデルの12万:1から、13万:1へ向上。さらに、入力映像を独自のアルゴリズムで解析し、黒レベルを自動制御する「インテリジェント・レンズ・アパーチャー」も備え、ダイナミックコントラストは130万:1(従来モデルは120万:1)に強化されている。X570Rのネイティブコントラスト比は4万:1、ダイナミックコントラストは40万:1。

 従来モデルに引き続き、UHD Blu-rayなどのHDR映像入力に対応。高いネイティブコントラストを活かし、HDRコンテンツも忠実に再現可能としている。

 新たに、スカパーやひかりTVが4K放送に採用しているHLGをサポートし、HDR 10信号が入力されると自動的に切り替わる「HDRオートピクチャーモード」を搭載。なお、信号の種類によっては自動で切り替わらない場合もあるという。

 独自の映像処理技術「Multiple Pixel Control」も搭載。フラッグシップモデルの「DLA-Z1」で採用した新解析アルゴリズムをX770R/X570Rでも採用。4K映像だけでなく、フルHD映像もより高精細な4K映像に変換して表現可能としている。従来のバンド処理と比べ、より高帯域に重点を置いて画像検出することで、精細感とボケ感を両立し、4Kならではのリアリティを実現するという。

 さらに、ゲームなどに最適な低遅延モードも新たに搭載。同モード時はPC信号やゲームなどの表示遅延を低減し、すばやい操作への応答性能を高めるという。

DLA-X570R(ブラック)
DLA-X570R(ホワイト)

 動画処理技術として、4K/60p 4:4:4にも対応した動画補間の「Clear Motion Drive」と、映像に応じてD-ILAデバイスの駆動を制御する「Motion Enhance」を装備する。1/16画素単位での微妙な調整が可能な「ピクセルアジャスト機能」を備え、2メモリ分を記憶できる。6軸調整のカラーマネージメントを搭載する。

 また、設置条件などで変わる画質を最適化するオートキャリブレーション機能も利用可能。なお、オートキャリブレーションには、市販の光学センサーと専用ソフトウェア、PC、Ethernetケーブルが必要となる。

 投写サイズは60~200型。レンズは2倍ズーム(F3.2~4)。ズームとフォーカスは電動。上下±80%、左右±34%のレンズシフトにも対応する。使用するスクリーンの特性によって起きる色のアンバランスを補正する「スクリーン補正モード」には、新たな対応スクリーンが追加されている。

 HDMI入力は2系統で、3DやDeep Color、HDCP 2.2をサポート。なお、3D再生時は1,920×1,080ドット表示となる。3Dシンクロ出力やトリガー出力、RS-232C、Ethernetなどを備えている。ファンノイズは21dB(ランプモード:低)。消費電力は380W(待機時1.5W、エコモード待機時0.4W)、外形寸法は455×472×179mm(幅×奥行×高さ)で共通。重量は15.6kg(X770R)/15.4kg(X570R)。X770Rには、レンズカバーも装備する。