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オーテクのギター愛好家向けヘッドフォン、Questyleの9000円を切るイヤフォン「ZEN」

Austrian Audioから3月に発売される開放型ヘッドフォン「The Arranger」。独自のHi-X44 Hi-Xcursionドライバーを登載するのが特徴

「冬のヘッドフォン祭 mini 2026」が7日、ステーションコンファレンス東京6Fで開催。各社が新製品や、開発中モデルの参考出品を行なっている。ここでは、Brise Audioやオーディオテクニカなどのブースをレポートする。

Brise Audio

USB電源で動作するアナログヘッドフォンアンプの“試作Ver.3”

Brise Audioのブースでは、Brise Worksブランドの新製品として開発されている、USB電源で動作するアナログヘッドフォンアンプの“試作Ver.3”が登場した。

これまでもイベントで展示されていたものだが、Ver.3では製品版向けのアルミ試作ケースに収納され、「音も進化し、外観的にはほぼ最終に近いもの」になったという。今春以降発売予定で、価格は20万円未満を目指しているとのこと。

FUGAKUやWATATSUMIで培った回路技術を元に、コストを最適化しながら開発。入力端子は5極4.4mm、出力も5極4.4mm端子というシンプルなアナログアンプで、電源はUSB Type-C(最大5V2A程度)から給電する。

内部には電子ボリュームIC「MUSES72320」を搭載。完全新規で開発した低ノイズ電源回路を採用。サウンドに関しては、価格を抑え、サイズをコンパクトにしながらも、充実した低域再生を目標として作られている。

FUGAKU

Brise Audioと言えば、イヤフォンとアンプがセットになった“アルティメットポータブルオーディオシステム”こと「FUGAKU」(実売約250万円)が存在するが、そのイヤフォンを、他のアンプなどで使えるようにしたユニバーサルタイプのハイエンドイヤフォン「BEP-001(仮称)」試作機が登場。

今春発売予定で、価格は未定。「FUGAKUの半額くらいを目指したい」としている。

ユニバーサルタイプのハイエンドイヤフォン「BEP-001(仮称)」試作機

外観的にはFUGAKUのイヤフォン部分とよく似ているが、これはFUGAKUの筐体を使用して製作した試作品のため、製品版の筐体とは異なるという。ケーブルの端子もMMCXが使われているが、製品化の際にはPentaconn Earが採用される。

FUGAKUで培った3Dプリンター技術や、HCNTなどの最新素材を用いて音響チューニングを実施。「全帯域に渡って滑らかで、ひとつひとつの音が空気を震わせて伝わってくる様が感じられるサウンドを、FUGAKUのような専用システムではなく、一般的なイヤフォンというフォーマットの中に最大限落とし込んだ」とのこと。

「BEP-001(仮称)」試作機の内部

各帯域の音圧レベル調整には、高精度な薄膜抵抗を使ったアッテネーターを採用。各種フィルタを最適に設定したパッシブクロスオーバー回路と組み合わせることで、複数種類のドライバーを破綻無く、1つにまとめている。

ユニット構成は、FUGAKUに使ったMEMSは採用しておらず、その代わりにESTを搭載。超高域がEST×2、高域がKnowles BA×2、中域がKnowles BA×2、中低域がSonion BA×1、低域が8mm LCP振動板ダイナミック型×2。

MUSIN

iBassoの新たなDAP「DX270」

MUSINブースでは、iBassoの新たなDAP「DX270」が登場。20bit R2R + 4bitストリングDACを搭載し、R2R DACの究極形態を目指して開発した。DX340から継承したアンプ回路へのDC-IN機能を備え、1,575mW@32Ωの高出力が可能。

M3 Plus ASANO TANCH Edition(SHANLING×TANCHJIM)

SHANLINGからは、「M3 Plus」と「EC Zero T」の新たなコラボレーションモデルが登場。「M3 Plus ASANO TANCH Edition(SHANLING×TANCHJIM)」はSHANLING×TANCHJIMのコラボ。繊細なタッチで「ASANO TANCH」を背面パネルに描いている。

「Crossover EC Zero T(SHANLING×MOONDROP)」

「Crossover EC Zero T(SHANLING×MOONDROP)」はSHANLING×MOONDROPのコラボ。特別仕様のモダンなグレーカラーの筐体に、インダストリアルなフロントパネルデザインと、水月雨のオフィシャルバーチャルキャラクター・水月友希の美しい描き下ろしイラストを採用。

通常モデルとは異なるデュアルオペアンプ「AD8397」を搭載することで、広いダイナミックレンジを特徴とし、圧倒的な電流出力性能を持たせた。

Tocata XM2

ONIXからは「Tocata XM2」が登場。Cirrus LogicのCS4308をDAC部に採用し、I/V変換回路(Brightonアーキテクチャ)による、ONIXのブリティッシュチューニングを継承。さらに、SGM8262-2オペアンプを2基アンプ回路に搭載した、コンパクトサイズのDAP。コンパクトながら、最大出力800mW@32Ωの出力も備える。

DX9 Discrete

TOPPINGの新製品は、デスクトップサイズのDAC兼ヘッドフォンアンプ「DX9 Discrete」。1月30日に発売。価格はオープンで、実売価格は228,690円前後。

DA回路のLRの各チャンネルに、16フェーズのPSRMテクノロジーを搭載。超高速スイッチングロジック回路アレイと電圧リファレンスで構成されるディスクリート1bit DA回路となっている。

アナログ回路には、TOPPINGのディスクリートコンポーネントで設計されたNFCAアンプモジュールをバランス回路に4ch、シングルエンド回路には2ch搭載。最大出力は32Ω負荷時で、7,080mW×2の高出力を実現する。

TWISTURAからは、新たなイヤフォン「BETA」が参考出展。振動板に平面ガラスを使っているのが特徴。

TWISTURA「BETA」

IidaPiano

ArcTec Berlin「AB92」

ベルリン発の新ブランドArcTec Berlinの平面駆動ヘッドフォン「AB92」が登場。今春発売予定。価格は未定だが、本国での価格は2,400ユーロ。

ADAM AudioやHEDDなどで知られるKlaus Heinz氏が手がける平面駆動ヘッドフォン。大きな特徴は、薄い振動板の上に作られるコイルパターンに、あえて高純度銀が使われていること。

PMG Audioの「Apx ME」

イヤフォンでは、ポーランド・ワルシャワのIEMメーカー、PMG Audioの「Apx ME」も登場。今春発売予定で、価格は未定。本国での価格は6,000ユーロ。世界200台限定のユニバーサルIEM。

8Way、12ユニットのハイブリッド構成。低域は矩形プラナーと10mmダイナミックに加え、振動を付加するVCD、さらにBA×8基、円形プラナーを組み合わせている。

下がCOS Engineering「D10」

イベント直前に到着したばかりという、COS Engineeringというメーカーの「D10」というDAC内蔵ヘッドフォンアンプも登場。

プリアンプ機能も備えているほか、背面にモジュールを挿入することで機能拡張が可能。ネットワーク再生や、フォノイコライザーアンプ機能を追加できる。DACにバーブラウンを採用するなど、こだわりのエンジニアが手掛けるブランド。

サウンドアース

DUNUのヘッドフォン「卯(Mortise)」

サウンドアースのブースには、DUNUのヘッドフォン「卯(Mortise)」が登場。振動板に、薄型カーボンファイバーを採用。ハウジングの外装にはブラックウォールナットを使用した。

フェースプレートには木を使っている「Lynn」

「Lynn」というイヤフォンも登場。DD×2、BA×2、EST×2の6ドライバー構成で、フェースプレートに木を使っているのも特徴。

USB-C入力のケーブルを採用している、Melody Wings「Jupiter」

Melody Wingsのコーナーには、完成版の「Jupiter」も登場。10mmチタンコーティング振動板ダイナミックドライバーを採用し、USB-C入力のケーブルを採用している。

Questyle Japan

Questyleのイヤフォン「ZEN」

Questyle Japanのブースに登場したのは、イヤフォンの「ZEN」。2月20日発売予定で、価格は8,910円と比較的手が届きやすいモデル。

「禅」に由来した製品名で、「静けさと集中を象徴するサウンドコンセプト。イヤフォン設計のすべてを音質本位で見直し、長時間でも自然で疲れにくい再生を実現した」とのこと。

3.5mm出力のハイレゾDACアダプタ「Qlink-C」

Questyleは1月に、USB-Cでスマホなどに接続できる、3.5mm出力のハイレゾDACアダプタ「Qlink-C」(実売約2,500円)を発売しているが、このQlink-Cとの連携も想定された有線イヤフォンでもある。

小型だが、3層増幅システムやTTAデコード構造、ES9219Qデュアル搭載、カレントモードアンプなども搭載したポータブルアンプの「M18i Max」も6月頃の発売を目指して開発中

オーディオテクニカ

ATH-WP900SE

オーディオテクニカのブースでは、2月20日に数量限定で発売する有線ヘッドフォン「ATH-WP900SE」に注目が集まっている。直販価格は110,000円。

ギター愛好家に向けたヘッドフォンで、オーディオテクニカとして初めて、ハウジングの無垢アッシュ材を採用。

無垢アッシュ材は、エレキギターやベースなどで伝統的に使われ、プレイヤーにも馴染み深い素材。ATH-WP900SEでは、美しい木目と「3トーンサンバースト」仕上げによるグラデーションが、楽器を思わせる高級感を演出している。

国内名門ギターメーカー・フジゲンの職人、1つ1つ丁寧にラッカー塗装で仕上げており、「楽器を手にした瞬間の高揚感を呼び覚ます」とのこと。

弦楽器の音を忠実に再現するため、専用の音響設計を採用。無垢アッシュ材の特徴を活かしたハウジングと緻密なチューニング、さらに新規設計の53mm径大型ドライバーにより、明瞭な輪郭と豊かな低域、そしてサスティーンの細かいニュアンスまで正確に再現するという。

ピクセル

HS3000 HICHIRIKI-篳篥-

ピクセルのブースでは、MASTER Seriesの新フラッグシップイヤフォンであり、6日に発売した「HS3000 HICHIRIKI-篳篥-」が登場。価格はオープンで、市場想定価格は645,000円前後。

医療グレードのポリマーバイオマテリアルを基本素材に使った「ミリンクス振動板」と、「日本ベリリウム薄膜加工ドーム」を組み合わせた複合構成の第2世代ミリンクスコンポジットダイナミック型ドライバーを搭載。

音響チャンバーと機構ハウジング部が完全に分離するモジュラー構造「Acoustune Capsule Technology(A.C.T)」を採用。HS3000では、A.C.Tは新たに2.0へとバージョンアップ。さらに、新開発のチャンバー「ACT08」を搭載。本体にはベリリウム銅合金を採用することで、「豊かな厚みの中音域と壮大で見通しの良い音場表現にフォーカスした」という。

HSX ONE

「HSX ONE」は、Acoustuneワイヤレスイヤフォン「HSX1001 Jin -迅-」のチャンバー交換機能を省いたモデル。昨年末のポタフェスから、ブラックモデルの透明度がアップしたほか、クリアモデルも新たに開発している。価格は未定だが、4万円台の見込み。

クリアモデルも開発中

タイムロード/完実電気/フォステクス/ディーアンドエム

独Violectricのヘッドフォンアンプ「HPA-V324」

タイムロードのブースでは、昨年発売した独Violectricのヘッドフォンアンプ「HPA-V324」(605,000円)に注目。Lake People、Violectric、Niimbusといったブランドで培われた高い技術と、数々の受賞歴を誇る機能を融合したという、ハイエンドバランス型ヘッドフォン。

4つのアンプステージによるトゥルーバランス再生、XLR/RCAの2系統アナログ入力、フロントパネルでのプリゲイン調整、リモートコントロール対応モーター駆動ボリューム、キャリブレーション済みVUメーター、プリアンプ機能などを搭載。「ヘッドフォンアンプとしても、高音質プリアンプとしても、最高レベルの性能を発揮する」という。

Erzetichのヘッドフォンも試聴できる

さらに、スロベニアのブランド「Erzetich(エルゼティッチ)」のヘッドフォンラインナップも出展。Charybdis(カリュブディス)、Phobos(フォボス)、Mania(マニア)、Thalia(タリア)。

平面磁界技術を専門としており、「明瞭さ、正確さ、そして没入感に優れたサウンドを追求している」とのこと。

Burson Audioの最新3モデル、上から「Conductor Voyager」、「Conductor GT4」、「Playmate 3」

完実電気のブースでは、取扱を開始したオーストラリアのオーディオブランド、Burson Audioの最新3モデル、DAC搭載ヘッドフォンアンプ「Conductor Voyager」、「Conductor GT4」、「Playmate 3」を出展。いずれも2月20日発売で、価格はオープンで、市場想定価格はConductor Voyagerが855,560円前後、Conductor GT4が653,890円前後、Playmate 3が210,230円前後。

妥協を排した「ピュア・アナログ」という理想を掲げたブランドで、独自のディスクリート設計や、力強さと繊細さを兼ね備えたクラスAアンプにこだわっているのが特徴。

フォステクスのブースでは、同社のヘッドフォン「TH910」と、漆芸作家・アーティストの杜野菫さんがコラボデザインしたモデルを展示している。どちらもハウジングに漆を塗っているのだが、チェック柄のモデルは、卵の殻を細かく砕き、それを敷き詰めている。

卵の殻を細かく砕き、それを敷き詰めて作られている

虹のような模様のモデルは、真珠層を持つ貝殻を薄く削り出して使った“螺鈿(螺鈿)”仕上げ。漆と組み合わせることで、宇宙のような深みのある仕上げとなっている。

螺鈿仕上げのモデルも
漆芸作家・アーティストの杜野菫さん
ディーアンドエムホールディングスのブースでは、Bowers & Wilkinsやデノンのヘッドフォン、イヤフォンが試聴可能。
BLUE SOUNDのブースでは、フラッグシップストリーマーの「NODE ICON」や、初代NODEの主要部品と回路設計を刷新した「NODE(N132)」を用いて、ヘッドフォンを楽しむブースを展開。BLUESOUNDの製品にはTHX AAAアンプによる本格的なヘッドフォンアンプを搭載しており、ヘッドフォンリスニングでも活躍できる