iPhone 7ジャック廃止のイヤフォン市場への影響は限定的、AirPodsに期待。BCN調査

　9月発売に発売された「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」は、イヤフォンジャックを廃止したことことが話題になった。そのためヘッドフォン/イヤフォンメーカーなどは、積極的にBluetoothヘッドフォン/イヤフォンをアピールしている。しかし、BCNによれば、「Bluetoothイヤフォンの売れ行きはやや伸びているものの、市場全体の拡大には繋がっていない」という。

Bluetoothイヤフォン別販売台数構成比と指数推移
出典：BCN

　全国の量販店23社のデータを元にBCNが分析。2016年8月第3週(8/15-21週)の販売実績を「1.00」とすると、Bluetoothイヤフォンは、iPhone7/7Plus発売翌週の9月第4週(9/19-25週)の指数が1.27となり、以降は1.1～1.3で推移するなど、一定の数量増が確認できる。ただし、イヤフォン市場全体の指数は0.9前後にとどまっている。

　また、Bluetooth対応モデルの数量比率は、9月3週(9/12-18週)の17.2%から直近週で2ポイント増えたものの、BCNでは「現状ではiPhone7/7Plus発売に伴うBluetooth対応イヤホンの数量増が市場全体に与える影響度は、さほど大きくないことがわかる」と分析している。

　一方メーカーは力を入れており、Bluetoothイヤフォンやヘッドセットでは、GN Netcomが直近の12月第1週に2.03まで指数を上昇している。ソニーは一時期落ち込んでいたが、MDR-XB50BSシリーズを発売した10月第4週から回復している。

Bluetoothイヤフォン上位メーカー販売台数指数推移
出典：BCN

　BCNでは、Appleが発売する左右分離型ワイヤレスイヤフォン「AirPods」が、「イヤホン市場全体を活性化させる可能性は高い」と予測。ただし、「定価16,800円と比較的高価格。'16年11月におけるイヤホン全体の平均単価は約3,000円であるため、誰もが気軽に購入できるものでない。AirPodsの売れ行き次第で、そのほかのイヤホン販売動向も大きく影響を受けることになりそうだ」と分析している。