ニュース

スカパー、Jリーグ放送終了で加入減も「攻めの姿勢」。4月に4K/8K対応アンテナ発売

 スカパーJSATは2日、2016年度第3四半期決算説明会を開催し、2017年シーズンの放送を諦めたサッカーJリーグ関連コンテンツの影響や、4K放送施策などについて説明した。

スカパーJSAT 高田真治社長

 有料多チャンネル事業の'16年12月末の総加入者件数は334万8,000件。前年同期比6.1万件の減少で、4月-12月まででは約13.4万件の純減となった。さらに1月末には、Jリーグ系セットの自動解約を行なったことから、6万7,487件のマイナスの328万990件となり、'16年度では約20万件のマイナスとなった。「Jリーグ商品の契約者の半分ぐらいが、(チャンネル契約だけでなく)プラットフォームごと解約した」(スカパーJSAT 高田真治社長)という。

新たに「スカパー! サッカーセット」を展開する

 Jリーグと、映像配信サービス「DAZN」を運営するPerform Groupは、2017年から10年間で約2,100億円の放映権契約を締結し、'17年からはDAZNが、日本国名におけるJリーグ全試合のインターネット・モバイル配信、IPTVサービス、有料サテライト放送、CATVなどの放映権を取得。2016年までJリーグを放送してきたスカパー! は'17年はJリーグ中継を行なわないこととなった。

 高田社長は、Jリーグが無くなった影響について、「スカパーは、Jリーグを'07年から放送してきた。最初は赤字を背負いながら、徐々に拡大してきて、概ねトントンまで来た。しかし、今回のビット(入札)は我々より遥かに高額で獲得した会社が現れた。今後は、トップライン(売上高)には響くが、利益面にはあまり響かない。ただ、ケーブルテレビとの差別化などの点では影響がでてくる」と語った。

 ただし、「無いものをねだってもしようがない。スカパーは1990年代からサッカーに取り組んできた。Jリーグ以外の欧州リーグや、国内試合、育成年代などのカバーも必要。我々が出来る範囲で、全力でサッカーに取り組む」と説明。2月1日からは、UEFAチャンピオンズリーグやセリエA、W杯欧州予選、ルヴァンカップ、天皇杯、ユース・育成年代などが見られる新しいサッカーセット「スカパー! サッカーセット」(2,980円)の販売を開始し、「これからは攻めの姿勢で取り組む」(高田社長)という。

 また、サッカーチャンピオンズリーグやF1、ドリカムや欅坂46のライブなどのコンテンツ強化に取り組む方針。

4Kやチャンピオンズリーグ、音楽などを強化

 スカパーJSATの'16年度第3四半期決算は、前年同期比4.3%減の1,181億円、営業利益は同16.3%減の15.5億円。有料多チャンネル放送の売上高は21.2億円減の891億円で、スカパー! プレミアムの視聴料収入減少が響いた。

 4K放送については、新たに4K/HDR対応の中継車を導入。バドミントンS/Jリーグ 2016最終戦などで利用するほか、2月末からのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)前の壮行試合を4K/HDR制作で運用予定としている。

 また、1月に総務省から110度4K放送の認定を受け、2018年12月からCS左旋にて4K放送を開始する。さらに、4K/8K対応のスカパー! マルチアンテナを2017年4月から発売予定としている。

 4K放送の収益化については、「当初数年間は事業性がない。しかし、地上/BS/CSの3波共用テレビが普及すれば、事業性は高まる。4Kテレビの販売が好調で、放送が追いついていない段階。これは我々がしっかり取り組み、放送でしかできないサービスをスピード感を持ってやりきりたい」(高田社長)とした。