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トップウイング、「海苔波形を復元する」アナログフィルター「Sonic Corrector」
2025年12月22日 14:36
トップウイングは、自社ブランドTOP WINGの新製品として、音声信号を補正するアナログフィルター「Sonic Corrector」を2026年1月29日に発売する。価格は99,000円。
RCAおよびXLR入出力を備えた、アクティブ型のアナログフィルター。DACやフォノイコライザーなどのソース機器からの信号を入力し、本機の出力をプリ・プリメインアンプのライン入力へ繋いで使用する。
特徴は、3種類のアナログフィルター機能「RECOVER」「DE-EMPH」「ANTI-ALIAS」を搭載していること。
RECOVERは“海苔波形”を補正するというフィルター。海苔波形とは、波形の概形が矩形波に近い音源のことで、1990年代後半以降の音圧が重視された時代に多いとされる。
このフィルターにより、海苔波形の音源から元来含まれていた振幅を引き出すことが可能とする。「矩形波は各周波数成分の位相が揃っている状態であるため、音響心理学の側面から聴感上の違和感が生じない範囲で位相を回転させることで、ピーク成分を復元する」仕組みだという。
またRECOVERは、一般的なEQやラウドネス機能と異なり、帯域ごとの音量を上下する処理ではなく、「音源本来の音色や帯域バランス等は変えずに、過度な処理によって失われてしまったピークを復元」するものとのこと。
「ピークの復元によって、単純な聴こえの問題だけではなく、アンプ・スピーカーの動作に負担を強いる矩形波から滑らかな波形に変化するので、それぞれの機器が本来の音質を発揮できるようになる」としている。
DE-EMPHは、CD初期に存在したプリエンファシスCD向けのフィルター。
プリエンファシスCDは、高域のSNを稼ぐために、あらかじめ高域の音量を上げて収録したもの。再生時には、その分高域の音量を下げる(=ディエンファシス)必要があるが、CDプレーヤーが機能を搭載していなかったり、リッピングしてデータ化する際に認識されていないと高域が上がったまま再生されてしまう場合がある。
DE-EMPHをオンにすることで、当時の規格で想定されていたアナログフィルター方式のディエンファシスを適正に行ない、自然な高域バランスで再生することができるようになる。
ANTI-ALIASは、ハイレゾ音源の中に混入する場合がある、制作段階のクリップや外来ノイズによる意味のない高周波成分を取り除くためのフィルター。また、DACのNOSモード時の折り返しノイズや、一部広帯域フォノカートリッジや4ch LP再生時の高周波ノイズにも適用できる。
-40dB@40kHzの高次アナログハイカットフィルターとなっており、高周波ノイズを除去することが可能。アナログフィルターのため、デジタルフィルター特有のデメリットが存在しない、とする。
トップウイングによる綿密な定数設定と、M2TECHオーナーであるマルコ・マヌータ氏の回路アートワークによって、音質劣化を最小限に抑制。最新鋭のオペアンプを含む高性能素子を採用している。
最大入出力電圧は8.4Vrms(XLR)、4.2Vrms(RCA)。THD+Nは-102dB以下、残留ノイズは-9uVrms以下。外形寸法は235×187×50mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.3kg。





