プレイバック2025
今更ながら古いWindowsマシンの整備にハマる by小寺信良
2025年12月22日 08:00
「Windows 95」の発売から30年だそうである。思い返せば筆者は1990年頃に「Macintosh SE/30」でパソコン人生をスタートさせたが、それでメシが食えるわけでもなく、ただの趣味でしかなかった。ライターに転職できたのは、Windows 95が出てパソコン市場が拡がったからだった。
そんなわけでWindowsにずっと付き合ってきたわけだが、「Windows 8」のあまりのヘンテコさにいやけがさし、そんなタイミングで2012年に「Mac Mini」が登場したこともあって、仕事環境をそちらに乗り換えた。
それ以降Windows専用マシンは購入しなくなったのだが、今年8月にふとしたきっかけで格安の整備品WindowsノートPCを見つけ、購入した。Let's note「CF-ZX6」という2017年に発売されたモデルだ。当時は25万円ぐらいしたようである。キーボード部とディスプレイ部が合体分離する、いわゆる2in1モデルだ。Amazonのポイントも貯まっていたので、およそ3万円で購入できた。およそ8年の時を経て、価格が1/8ぐらいになったことになる。
当時の記事を漁ってみると、発表会では軽さをアピールするためにドローンに乗せて飛んできたそうである。おもろすぎる。もうそれだけで十分元が取れた気がする。
標準品はシルバーのようだが、ごらんのようにブラックモデルはおそらく法人向けの特別仕様ということらしい。バリエーションとしてLTE対応モデルもあったようだが、本機はSIMスロットが塞がれているので、このオプションは入っていないようだ。
使用感はほとんどなく、新品のように見える。ツールでバッテリーのステータスを確認してみたが、性能的な劣化もなく100%なので、中古品というよりは、どこかに眠っていた箱なしの在庫だったのかもしれない。
ご承知のように、今年は「Windows 10」のサポートが終了するということで、「Windows 11」なりほかのOSへの乗り換えが推奨されている。本機はWindows 10モデルだが、立ち上げると「Windows 11 24H2」がインストールされていた。本来プロセッサ的には11対応ではないが、販売店がアップデートしてくれたようだ。
趣味のWindows Update
とはいえ、アップデートされてからすでに1年ぐらいが経過しているので、Windows Updateをかけたらまあ終わらない終わらない。もう最終的には、「趣味ですか? ええ、Windows Updateです。」と胸を張って言えるレベルで、これでもかこれでもかとインストールと再起動を繰り返した。
そうこうしているうちに、9月末には「Windows 11 25H2」がリリースされた。もともと正式対応していないモデルなので、黙って待っててもアップデートが降りてこないかもしれない。だが25H2のISOイメージからWindowsサーバとしてインストールすれば、アップデートできることがわかった。
そこで早速ISOイメージをダウンロードしてインストール。同じことをやろうとした人が多いのか、ダウンロードするだけで4時間ぐらいかかった。単に本機のWi-Fiが遅いだけかもしれないが。
ただOSは新しくなっても、BIOSなどが古いままである。特に問題が出ているわけではないが、気になるところだ。だがそこは良くしたもので、パナソニックはとっくに終了となっているマシンでもアップデートファイルの提供を続けてくれている。BIOSやバッテリーコントローラなど、7つぐらいのアップデートを行なった。
とはいえバッテリー制御もいい意味で大雑把で、バッテリー残量があと1時間5分とか出るが、1時間経っても残り1時間5分だったりする。このあたりのユルさが楽しい。
昔のLet's noteの特徴は、円形のタッチパッドのエッジ部分をグルグル回すと、スクロールができるという機能がある。それがどういうわけか突然使えなくなるので、ChatGPTに相談した。
色々原因を探っていると、どうもホイール機能を提供するアプリが落ちてしまうものの、自動では再起動しないし、ユーザーが手動で再立ち上げすることができないようなのだ。パソコン全体を再起動すれば復帰するが、めんどくさすぎる。
そこでChatGPTに、落ちたホイールアプリを再立ち上げするバッチファイルを作ってもらった。筆者にはバッチファイルが書ける能力はないので、AIがなかったら解決しなかった。
もちろん8年前のマシンが、キビキビ動くわけはない。よってビジュアルエフェクトの類は全部OFFにして、OneDriveの同期もOFFにして、ものすごく素の状態で動かしている。
実際このLet's note、何に使っているかというと、ほとんど何にも使っていない。たまに最低限の環境で書ける原稿を書いたり、メールの返事をしたりするが、あとはただひたすらメンテナンスとチューニングを行ない、Windows Updateにどこまでついていけるのか、チャレンジしている。
趣味のWindows Updateマシンとして、可能な限りメンテナンスを続けていきたい。





