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'20年の4K/8Kテレビ市場の中心は中国、小型志向の日本は制約も。IHS Markit予測

 調査会社のIHSマークイット(IHS Markit)は英国時間の8日、4K/8Kの高精細テレビ市場動向に関する分析白書「4K TV and UHD: The Whole Picture」を無料公開した。地域ごとの4Kテレビ出荷台数予測などを元に、2020年にかけて4K/8Kテレビは中国市場が中心になるとの見方を示している。

中国の4Kテレビ出荷は'16年の約2倍、日本は画面サイズに制約

 公開された分析白書「4K TV and UHD: The Whole Picture」はPDF全38ページで、4Kテレビの技術や市場予測、全世界におけるメディア消費などの項目についてまとめている。

 中国における'16年の4Kテレビ出荷台数は2,500万台を突破。2020年までには、その2倍近くの4,400万台まで伸び、西欧と北米の合計と同等になると予測している。

 西欧における'16年の4Kテレビ出荷台数は約800万台で、'20年には1,900万台への増加を見込む。北米はその約2倍の規模で、'16年の1,170万台から、'20年は2,590万台へ伸びると予測している。

 IHS MarkitのPaul Gray主席アナリストは、「4Kテレビにおいて、中国は他の国と異なる軌道で進み、大型テレビは4K以外の選択肢が徐々になくなっていく」と予測。一方で日本については「メーカーは4K製品への移行に積極的。ただし、4K解像度には小さすぎる画面サイズを選ぶ消費者によって、国内出荷台数は伸び悩むだろう」としている。

8Kも中国市場が中心、コンテンツは不足

 開発が進められている8Kテレビについては「パネルメーカーは既にロードマップへ織り込んでおり、今後新たな中国の液晶製造工場が稼働することで普及が加速する」と予測。一方で、今後の8Kのニーズとして「画素の高密度化が、“超大画面”、“近距離視聴”のどちらにおいても求められる要素」と指摘している。

 8K製品の出荷については、新機能への消費者の関心が高い中国が市場の中心になり、今後は低価格化が進むことで、65型が8Kの主要なサイズとなっていくと予測。

 8Kの映像コンテンツについては、日本が2020年に8K放送を予定しているが、ほとんどの地域においては当面、乏しい状況が続くと見ている。