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銀座ソニービル最後の夜。SAX平井(CEO)がスカパラとセッション

 ソニーとソニー企業は、東京・銀座の「銀座ソニービル」を3月31日をもって一時閉館する。1966年の開業以来、50年間を振り返るとともに、銀座の人々やファンらへの感謝を込めて、「銀座 ソニービルフィナーレイベント」が開催された。

平井社長と東京スカパラダイスオーケストラが共演

 1966年にオープンした現在の銀座ソニービルは、'17年3月31日をもって営業を終了。7年がかりのリニューアルプロジェクトを、2つのフェーズで実施。第1フェーズ(2018年~2020年)は、取り壊したビルの跡地をイベントスペースの「銀座ソニーパーク」として利用。公園のように自然の豊かなスペースとし、イベントを開催するほか、残された地下5階の空間は、ソニーグループのショールームや、飲食、物販スペースなどに活用される。

'18年のソニーパークのイメージ
リニューアルプロジェクトの流れ

 3月31日のフィナーレイベントには、ソニーの平井一夫社長兼CEOが、ソニービルの歴史や自身の思い出、銀座ソニーパークプロジェクトについて紹介。平井氏の高校、大学、会社(CBSソニー時代)の先輩であるというMCのジョン・カビラさんと共に振り返った。

一時の別れを惜しむような雨に包まれたソニービル

 平井社長は、ソニー製品に囲まれて育ち、「家に帰るとソニーのショールームかというくらいだった」という子供時代や、中学生の頃から銀座へ遊びに来る時は最初にソニービルへ来て、他の音響メーカーやカメラメーカーのショールーム、フォトギャラリーなどをよく訪れていたという頃を振り返ると、カビラさんも「初めてソニービルを訪れた時の“ドレミ階段”など、当時のソニービルは鮮烈に覚えていますね」と懐かしむ。

「先輩」のジョン・カビラさんとトークする平井一夫社長兼CEO

 創業者の盛田昭夫氏も賛同したという「銀座にフラットなスペースを」という思いが現在までつながり、新たな建て替えのプロジェクトがスタート。平井氏は「一回、フラットなオープンスペースにしよう。銀座の皆さん、世界の皆さんに提供しようじゃないかというのがベースにある。今は“インバイティングな空間”を作ってください、とお願いしている」と説明。現在は、開かれた空間のソニーパークで、どのようなイベントを開催するかの話し合いが行なわれているという。

 具体的なイベント内容は今後発表される予定だが、様々なアーティストによるミニコンサートや、ソニー以外を含む企業のイベントなども検討されており、イベントがないときには、シンプルな憩いの空間としての活用を見込む。

 かつてエレクトロニクスの会社だったソニーが、映画、エンタメ、音楽、金融など様々なビジネスを展開しているが、それらを世界の人々と共有し、“One Sony”を体験できるスペースとなることを目指す。

 沖縄出身のカビラ氏からは“先輩からのお願い”として、これまで続けられている沖縄・美ら海水族館と協力しているSony Aquariumを引き続き開催することが提案された。

 その後、ステージ奥に何気なく置かれていたサックスを平井社長が手に取ると、「1カ月前に触ったばかり。会議室で練習した」という演奏に合わせて東京スカパラダイスオーケストラが登場。ソニービルの4階から1階までの“花びら構造”を活かして、演奏をしながら練り歩き、一夜限りの特別なセッションが行なわれた。

サックスを手に取る平井氏
東京スカパラダイスオーケストラと平井氏がセッション
平井氏の演奏に合わせて、スカパラが登場

 最後はビルの外に出て、ソニー通りにて東京スカパラダイスオーケストラによるスペシャルライブが始まった。谷中敦さんの「イッツ・ア(It's a)」という呼びかけに、会場からは「ソニー!(Sony)」と力強いレスポンスが届き、曲がスタート。平井社長も加わり、雨にも関わらず約200名の人々が来場。大勢のソニーファン、スカパラファンに囲まれて、50年間の感謝と「銀座ソニーパーク」での再会に期待を込め、参加者全員でソニービルのフィナーレを飾った。

ソニービル真下のソニー通り
ソニー通りで最後のセッション