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Xウイングやアナキンのライトセーバー、インディの鞭も出品!15日から“ハリウッド小道具”オークション

ヘリテージ・オークションズは、7月15日から18日の4日間、ハリウッド映画の撮影に使用された小道具等を出品する「ハリウッド/エンターテイメント・シグネチャー・オークション」を開催する。『スター・ウォーズ』のXウイング・スターファイターのミニチュア、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の鞭、『007/ユア・アイズ・オンリー』のシトロエンなどが出品されるという。

これまでも数多くのハリウッド映画やテレビ番組の小道具をオークションで取り扱ってきたヘリテージ・オークションズ。2024年には映画『オズの魔法使』(1939年)の撮影で使用された「ルビーの靴」が3,250万ドル(約48.7億円)、人気海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のオークションでは2,111万ドル(約31.3億円)の売上を記録した。

ヘリテージ・オークションズのエグゼクティブバイスプレジデントのジョー・マッダレーナ氏は、今回のオークションについて「これは当社にとって過去最大級のエンターテインメントイベントであるだけでなく、エンターテインメントオークションの歴史においても、最も重要なイベントの1つです」。

「ルーク・スカイウォーカーのXウイングやインディ・ジョーンズの鞭は、単なる小道具ではありません。まさに“神話的な存在”です。それぞれのアイテムがハリウッドの最高の瞬間を物語っており、記憶や名演、そして伝説と深く結びついています。私たちはこうした品々を、次世代へと受け継いでくださるファン、コレクター、そして文化機関の皆様へご紹介できることをを光栄に思います」と語っている。

以下に、今回出品される主なアイテムを掲載する。

セシル・B・デミル氏コレクション

セシル・B・デミルは、ハリウッド映画創世期の大プロデューサー/巨匠監督。近年『グレイテスト・ショーマン』で再び脚光を浴びた世界最大のサーカスを舞台にした映画『地上最大のショウ』(The Greatest Show On Earth)(監督/製作)でアカデミー賞作品賞を受賞。アカデミー賞では名誉賞と特別賞も授与されている。1956年の『十戒』(監督/製作)が遺作。今回のオークションには氏の歴史的なコレクションの中から、貴重な宝物が多数出品される。

『十戒』の石板

デミルが最後に監督を務めた1956年の作品である『十戒』で使用された赤い花崗岩の石板。デミルのキャリアの中で最も視覚的にも象徴的にも力強い記念品の一つ。

シナイ山から採石された花崗岩から彫られたこの石板は、デミルの個人コレクションの中でもユニークで愛されている遺品であり、デミルが聖書映画に込めた精神的な重厚感と視覚的な壮大さを象徴している。

映画の中ではこの十戒に神が光で文字を刻むシーンが有名。アカデミー賞でも『十戒』は特殊効果賞を受賞し、「インディ・ジョーンズ」シリーズ第1作の『レイダース/失われた≪聖櫃≫』でインディ・ジョーンズが追い求めるのもこの「十戒」が収められた聖櫃。

オークションには、他にも『十戒』の黄金の子牛など、重要なオリジナルの小道具をはじめ、コンセプトアート、詳細な衣装スケッチ、絵コンテなど、デミルの輝かしい映画製作の歴史を物語るアイテムが出品されるという。

『市民ケーン』の「バラのつぼみ(Rosebud)」のそり

『市民ケーン』はハリウッドの風雲児オーソン・ウェルズの初監督作品にして映画史上最大の傑作とも言われる作品。アメリカの権威ある映画団体・American Film Instituteがアメリカ映画100周年を記念して1998年に発表した「アメリカ映画ベスト100」で第1位、2007年に再度発表された「アメリカ映画ベスト100」でも第1位に選ばれている。

新聞王に上り詰めた主人公ケーンが死の床で最後に発する言葉が「バラのつぼみ(Rosebud)」であり、自分が子供の頃に遊んでいたそりが「バラのつぼみ」のデザインだったことが映画のラストシーンで明らかになる。

『市民ケーン』の「バラのつぼみ(Rosebud)」のそりは、『グレムリン』や『ハウリング』で高い評価を得ているジョー・ダンテ監督が、1984年に旧RKOピクチャーズのスタジオで映画撮影をした際に偶然発見。

長い間失われたと考えられていましたが、ジョー・ダンテ監督によって奇跡的に処分から救われました。松材で作られ、現存する他の個体とも特徴が一致するこのそりは、ウェルズの傑作を象徴する伝説的なアイテム。

赤い塗装、ステンシル文字と、紛れもないオーラが特徴のこのソリは、ケインの「失われた無邪気さ」の象徴であり、映画史上最も有名な謎のひとつを今に伝えている。

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のブルウィップ(鞭)

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(パラマウント、1989年)で使用されたこの鞭は、1989年にロンドンで開催されたロイヤル・チャリティー・プレミアで、映画の制作陣から当時のチャールズ皇太子に贈呈され、後にダイアナ妃から譲渡されたもの。

ルーカスフィルムによる真正証明と、専門家による詳細な分析に裏打ちされており、これまでに確認された中でも最も重要な『インディ・ジョーンズ』関連の映画小道具のひとつとされている。

手編みのカンガルーレザーで作られた本品は、インディが聖杯を守る最後の命がけの試練に直面する中で、ハリソン・フォードの側にあったまさにその鞭。

専門家の分析により、その独特なカーブ、柄の形、革の編み込みが、インディが負傷した父親を救うためにひざまずくシーンで見られる、鞭の市松模様のグリップと特徴的な結び目と一致することが確認されている。

『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』Xウイング・スターファイター撮影用ミニチュア

『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の撮影用オリジナルミニチュア、スカイウォーカー「レッド5」Xウイング・スターファイターは、映画史上最も象徴的な宇宙船の1つ。1980年の金字塔的な続編映画でインダストリアル・ライト&マジック(ILM)が手がけた視覚効果制作の貴重な現存品となっている。

5本の赤いストライプと小さなR2-D2ドームが特徴のこの12インチのモデルは、ダゴバとクラウドシティへと飛ぶシーンで使用され、映画史にその名を刻んだ。

ILMの視覚効果スーパーバイザー、ブライアン・ジョンソンによる詳細な真正証明書にも、撮影で使用されたことが記載されている。

ILMのサンラファエルモデルショップで製作され、ケン・ラルストンが撮影したこのXウイングは、撮影で実際に使用され、視覚的にも際立ち、オリジナル三部作の主人公と結びつくアイテムとして、『スター・ウォーズ』コレクターやSF映画史の愛好家にとって最高の宝物といえる。

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』ヘイデン・クリステンセン「アナキン・スカイウォーカー」ライトセーバー

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の撮影で使用されたヘイデン・クリステンセン「アナキン・スカイウォーカー」ライトセーバー。

接写撮影用のライトセーバーとなっており、精巧に加工された金属に高密度ラバーのT字型グリップが装着されている。

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』ユアン・マクレガー「オビ=ワン・ケノービ」ライトセーバー(ブレード付き)&ヘイデン・クリステンセン「アナキン・スカイウォーカー」ライトセーバー(ブレード付き)

ユアン・マクレガー「オビ=ワン・ケノービ」ライトセーバー(ブレード付き

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』で、ユアン・マクレガー(オビ=ワン・ケノービ)が激しい戦いで振るうライトセーバー。

惑星ムスタファーの火山地帯でのヘイデン・クリステンセン(アナキン・スカイウォーカー)との象徴的な決闘シーンで使用。柄の部分はアルミとキャスト樹脂製で、オビ=ワンの以前のライトセーバーとは一線を画すユニークなデザインとなっている。

ヘイデン・クリステンセン「アナキン・スカイウォーカー」ライトセーバー(ブレード付き)

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』でヘイデン・クリステンセン(アナキン・スカイウォーカー)が使用したライトセーバーで、アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービとの運命的なクライマックスの決闘の場面に登場するアイテム。

同ライトセーバーは、『エピソード2』で使用されたアナキンのライトセーバーとは異なるデザインで、アクション撮影用に軽く、シンプルなつくりが特徴。

『007/ユア・アイズ・オンリー』の黄色いシトロエン 2CV

1981年公開の『007/ユア・アイズ・オンリー』の劇中のカーチェイス・シーンに登場する黄色いシトロエン 2CV。忘れられないカーチェイスのために特別に改造された、わずか3台の2CVのうちの1台。

鮮やかな黄色のシトロエンは、ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)とメリーナ・ハヴロック(キャロル・ブーケ)による7分間のアクションシーンの冒頭の撮影で使用された。

ロジャー・ムーア自身が愛し、お気に入りのボンドカーと呼んだこの2CVは、アストンマーティンとは異なる、ボンドの機知に富んだ魅力を象徴する“型破りな”逃走車として、シリーズに新風を吹き込んだ。

長年所在不明とされていたこの車は、シトロエン愛好家によってパリのスクラップ置き場で発見され、今回が初めてのオークション出品となる。