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超弩級ヘッドフォンから小型ハイレゾプレーヤーまで「春のヘッドフォン祭 2017」は29日、30日

 東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「春のヘッドフォン祭 2017」が、4月29日(土)と30日(日)の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催される。入場は無料。

「春のヘッドフォン祭 2017」ポスター

 各社がこのイベントに合わせて新製品を発表しており、会場ではそれらが体験できる。また、イベントでの新製品発表も予定されている。ここではそうした新製品情報の中から、特に注目のものをピックアップする。

アユート

 展示の注目は、Astell&Kernブランドの新ハイレゾプレーヤー「KANN」(5月19日発売/オープンプライス/直販税込129,980円)。試聴機も多数設け、発売前に音質などをチェックできる。強力なアンプを備え、ヘッドフォン出力と別にライン出力を設けて据置きプレーヤーとしての利用も想定している。

Astell&Kernブランドの新ハイレゾプレーヤー「KANN」

 5月の発売が予定されている、Chord Electronicsの小型DAC兼ヘッドフォンアンプ「Hugo 2」(価格未定)も、発売前に体験可能。高速なFPGAとパルスアレイDAC、独自の「WTAフィルタ」を用いたサウンドが特徴だ。

小型DAC兼ヘッドフォンアンプ「Hugo 2」

 また、各種プレーヤー用ケースを発売しているMITERから、AK70向けの「アニマルケース」を参考出展。DX200やFiio X5 3rdなどのプレーヤー用ケースも出展するという。

AK70向けの「アニマルケース」

 MASTER & DYNAMICからは、Bluetoothヘッドフォンのフラッグシップモデル「MW60」の新カラーも展示予定。

「MW60」の新カラー

オンキヨー&パイオニアイノベーションズ

 注目は、パイオニアブランドの新製品として、5月下旬に発売する「SE-MONITOR5」だ。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は10万円前後。当日は設計関係者も来場するという。

SE-MONITOR5

 「SE-MASTER1」(実売25万円前後)とはシリーズが異なる密閉型だが、MASTER1の技術も多く取り入れられており、ドライバを背面から抱き込み、ベースに強固に固定するフルバスケット方式や、ベースとハンガーとの連結にゴム部材を挟む「フローティング構造」などを採用。

 振動板には、独自開発のセルロースナノファイバーを採用。振動板部分とエッジの素材が異なるフリーエッジ構造を採用しており、エッジにはエラストマーを採用。それぞれに最適な素材を選定することで、ハイレゾ音源に対応した広帯域再生と、クリアな音像、広い音場を実現したという。再生周波数帯域は5Hz~85kHz。出力音圧レベルは99dB。インピーダンスは40Ω。

 ハイレゾスマートフォン「GRANBEAT」や、ハイレゾプレーヤーのオンキヨー「rubato(DP-S1)」や、パイオニア「Private(XDP-30R)」も用意される。

 また、後日e-onkyo musicからの配信を予定している音源を、先行で試聴可能。携帯ゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ!」から、「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER PERFORMANCE 07」と「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER PERFORMANCE 08」が用意される。

THE IDOLM@STER LIVE THE@TER PERFORMANCE 07

 さらに、「Zwei/拡張プレイス(English ver.)」と、コブタのキャラクター「パンパカパンツ」のシリーズ第3弾「パンパカパンツ おNEW さん」主題歌である「アイドルカレッジ/パンタスティック!(7th SINGLE! パンタスティック! より)」も試聴可能。

 30日に会場にて開催される「佐咲紗花×野村ケンジ、スペシャルトーク・セッション」の整理券配布も実施。このイベントは、オーディオ評論家の野村ケンジ氏が、スペシャルゲストとしてアニソンシンガーの佐咲紗花さんを迎え、ハイレゾやMQA音源についてトークするというもの。オンキヨー&パイオニアのブース、MQAブースでMQA関連の製品を試聴したそれぞれ先着50人、合計100人に配布する。

アイドルカレッジ/パンタスティック!(7th SINGLE! パンタスティック! より)

Westone

 Westone Laboratoriesの最上位カスタムイヤフォン「ES80」が出展される。4月29日より受注を開始し、想定価格は198,000円前後(税込)。バランスド・アーマチュア(BA)ドライバを片側に8基搭載しており、構成は低域×2、中域×2、高域×4の3ウェイ。「ステージ上のミュージシャンが望むダイナミックな低音を維持しながらも、きらきらとした高音域のディテールを提供」するという。

ES80の作成例

 また、外の音を聞きとれる“アンビエント型”カスタムイヤフォンの新製品「EASシリーズ」も出展。フルレンジ1基の「EAS10」が69,800円前後、高域×1/低域×1の「EAS20」が99,800円前後、高域×1/中域×1/低域×1の「EAS30」が118,000円前後。

高域×1/中域×1/低域×1の「EAS30」

 外の音も聞きとれるアンビエント型イヤフォンは、Westoneが'16年にユニバーサルモデル「AM Proシリーズ」を発売済みだが、「EASシリーズ」は同様に外部の環境音を得ながらステージ上のパフォーマンスでも使えるカスタムイヤフォンと位置づけられている。デフォルトのアンビエントフィルターは「WM16」で、オプションWM10、WM20が選べる。アンビエント機能を使わないこともできる。

 なお、4月29日15時から、6階のチャペルで製品発表会も予定されている。

final

 S’NEXTは、自社ブランドfinalの新製品に採用する、平面磁界型ヘッドフォンの新技術を披露する。CDの父と呼ばれるエンジニア、中島平太郎氏のアイデアを核とし、開発。イベント2日目の30日に発表会を予定しており、中島氏も参加する予定。

 9月に発売予定のヘッドフォンで使う技術であり、平面磁界型ながら「イヤーパッド内を密閉する従来の平面磁界型の低音とは一線を画す開放感ある低音」、「超軽量を実現した振動板により、スマートフォンでも十分な再生音量が可能」といった特徴があるという。イベントにはコンセプトモデルも出展する。

新技術を採用した平面磁界型ヘッドフォン

ミックスウェーブ

 JH Audioから、「業界に新たなパラダイムシフトを起こすべく開発した」という注目のイヤフォンが登場。ハイブリッド型の「LOLA」(ローラ)で、カスタム版と、ユニバーサル版の2タイプを用意。カスタム版は5月下旬~6月下旬の発売で、価格はオープンプライス、店頭予想価格は21万円前後。ユニバーサル版は6月上旬~8月上旬の予定で、店頭予想価格19万円前後。

 低域にバランスドアーマチュア(BA)型ドライバ×2、中域に4.9mm径のダイナミック型ドライバ×2、 高域にBA×4、合計8基のドライバを搭載。新技術「D.O.M.E Midrange Enclosure Technology」や、独自の「freqphaseテクノロジー」を投入している。

ハイブリッド型イヤフォン「LOLA」のカスタム版

 4月28日に発売する、Unique Melodyのカスタムイヤフォン「MAVERICK II」も出展。価格はオープンプライス。店頭予想価格は174,500円。低域用にダイナミック型ドライバと、バランスド・アーマチュア(BA)ドライバを各1基搭載。中域用にBA×1、高域用にBA×2を搭載した、4ウェイ、5ドライバのハイブリッド型だ。

 低域をダイナミック型、中高域をBAが担当する事で、それぞれのドライバの長所を活かしているのが特徴。フェイスプレートにベントを2ポート用意。開放感のある音空間も追求している。

Unique Melodyのカスタムイヤフォン「MAVERICK II」

 64 AUDIOのカスタムイヤフォン「A18 Tzar」も4月28日発売。カスタムイヤフォンでは世界初という、片側18ドライバを搭載した製品。新開発のオープン型BAドライバを採用するほか、“第二の鼓膜”と名付けた「apex」技術も投入している。価格はオープンプライス。店頭予想価格は370,093円。

A18 Tzar

 カスタムイヤフォンメーカーqdcからは、新フラッグシップモデル「Gemini」(ジェミニ)が登場。4月28日発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は239,075円。

 片側に8基のマイクロBAを搭載。異なる2つのサウンドキャラクターを、フェイスプレートに搭載したマイクロスイッチで切り替えられるのが特徴。名称「双子座(Gemini)」も、その機能から名付けられている。

Gemini

HIFIMAN JAPAN

 29日の11時10分から、6階チャペルにて発表会を予定。超弩級のフラグシップヘッドフォンシステム「SHANGLI-RA」や、「SUSVARA」、イヤフォンの「RE2000」、「RE800」を公開予定だ。

フラグシップヘッドフォンシステム「SHANGLI-RA」

Lotoo

 トップウイングサイバーサウンドグループは、Lotooの新ハイレゾプレーヤー「PAW PICO」を29日午前11時30分から、リーフルームにて披露する。

Lotooの小型ハイレゾプレーヤー「PAW PICO」

 幅4.5cm、26gという“腕時計並”のサイズながら、DSD 5.6MHzまでの再生が可能なハイレゾプレーヤー。PCMは192kHz、DSDは5.6MHzまでの再生に対応し、ストレージメモリは32GB。DSPは2ADI Blackfin 706を採用。GPSモジュールを搭載し、BluetoothのBLE伝送にも対応。モーションセンサーも搭載。スポーツ時の利用も想定されている。

GRADO

 ナイコムは、GRADOの限定ヘッドフォン「GH2」を出展する。4月29日発売で、限定150台。価格は69,800円。中央アメリカ産のココボロ材をハウジングに使用。木目が美しい硬材で、高級な楽器、家具、チェスセットなどに使われている。GRADOではこの木材を、「これまで使用した中で一番美しく、音色的に心地よい素材」と位置づけている。ココボロ材との相性を第一に開発された、専用の47mm径ダイナミックドライバを搭載。ハウジングはオープンだ。

GRADOの限定ヘッドフォン「GH2」

ULTRASONE

 タイムロードブースの注目は、ULTRASONEのモニターヘッドフォン「Signature Studio」。5月20日発売で、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は66,000円前後。

ULTRASONEのモニターヘッドフォン「Signature Studio」

 モニターヘッドフォン「Signature Pro」(148,000円)のドライバやハウジング構造などを踏襲し、細部をブラッシュアップしながら、価格を大幅に抑えているのが特徴。ヘッドバンド部は本革を使うSignature Proと異なり、プロテインレザーを採用。イヤーパッドもプロテインレザーになっているが、40mm径のチタンプレイテッド・マイラードライバやNdFeBマグネット、ULEテクノロジー、S-Logic Plusなどは搭載している。

FitEar

 新カスタムイヤフォン「FitEar Custom」が、イベントで先行販売。先着100名には、75,000円で販売すると案内している。

 新発想の「ミドルレッグシェル」を採用。遮音性と装用感の両立を目的に開発したというシェルデザインで、ショートレッグシェルを採用したFitEar Air開発で得たノウハウを応用し、「カスタムIEMを初めて使う人や、既に使っている人にも違和感のないフィット感を実現する」という。

FitEar Custom

カナルワークス

 4月29日に受注開始となるカスタムイヤフォン「CW-L07QD+(plus)」を出展。4フルレンジのバランスド・アーマチュア(BA)ドライバを4基並列にした、独自の「QUAD DRIVE」に、低域用BAを1基加えた5ドライバ構成。価格はオープンプライスで、直販価格は135,000円。

「CW-L07QD+(plus)」

 新しいカスタマイズオプションとして、カナルワークスのフルネームロゴをフェイスプレートにあしらえるようになったほか、ケーブル選択のバリエーションも増加。68㎝の短いケーブルも選べるようになり、Bluetoothレシーバと組み合わせて使用する際に便利だという。

ears4U

 Listycが扱う、オランダ・ears4U(イヤーズフォーユー)ブランドのカスタムイヤフォン2モデルが出展。4月中旬より受注を開始しており、価格はオープンプライス。直販価格(税込)はBA×6基の「LIVE 3.6 MULTI BASS IN-EAR MONITORS」が17万9,000円。BA×5基「LIVE 3.5 IN-EAR MONITORS」が16万9,000円。

 ears4Uは、'12年にオランダで設立されたカスタムインイヤーモニターブランド。ステージモニター向けの「LIVE」シリーズと、DJ向けの低域重視「Cue」シリーズをラインナップする。日本初上陸にあたり、第1弾としてLIVEシリーズ上位2機種の「LIVE 3.6」と「LIVE 3.5」を発売する。

ears4U LIVEシリーズ

茶楽音人

 開発中の製品を参考出展予定。Facebookには「Co-Donguri Re-cable(仮)」という文字と、イヤフォンのシルエットが記載されている。

「Co-Donguri Re-cable(仮)」のティザービジュアル

ゼンハイザー

 29日の17時から、新商品発表会を開催。ヘッドフォンアンプ「HDV 820」の登場が予告されているほか、声優の大橋彩香さんのトークショーも開催予定。ただし、イベントは事前応募・抽選制で、応募受付は既に終了している。

MrSpeakers/SONOMA Acoustics

 エミライが取り扱うMrSpeakersからは、新製品「AEON Flow」が登場する。平面駆動型ヘッドフォンで知られる同社初の、ポータブル用密閉型ヘッドフォンで、29日の13時から、6階のチャペルで発表会を開催。発売時期、価格は未定だが、「コストパフォーマンスに優れた製品」とされている。

 独自の「V-Planer」振動板を進化させ、導体間の幅を0.127mmとすることで、「クラスを超えた音質を実現する」という。能率は97dB/mW。振動板を固定する部材であるトレイの形状も工夫しており、空気の流れを阻害しない構造のガイドパーツを開発。スムーズに空気が流れる事で、歪の低減を実現したという。

AEON Flow

 さらに、新規取扱となる米SONOMA Acousticsの静電型ヘッドフォンシステム「Model One」もイベントで発表。発表会は、29日の13時40分から、6階のチャペルだ。

beyerdynamicも新製品発表会

 29日の14時から、7階の研修室7にて、beyerdynamicブランドの新製品発表会を開催。ドイツからbeyerdynamicのスタッフも来日するという。