ニュース
フォステクス“次世代に進化した”最上位ヘッドフォン、密閉型「TH910」、オープン「TH919」
2025年8月22日 12:05
フォステクスは、フラッグシップヘッドフォンの新モデルとして、密閉型の「TH910」、オープン型の「TH919」を9月上旬に発売する。価格はどちらもオープンで、市場想定価格はTH910が32万円前後、TH919が38万円前後。
2012年の発売以来、TH900シリーズはフォステクスのフラッグシップモデルとして、独自のバイオダイナドライバーと、漆塗りハウジングを採用してきた。TH910/TH919は、TH900シリーズの特徴を引き継ぎつつ、ドライバーやハウジングから構造まで全面的に一新し次世代へと進化したという。
新開発の50mmバイオダイナドライバーは、新たに開発したエッジにより、振幅の安定性を向上。低域を余分に膨らませることなくタイトで引き締まった表現を可能にしたという。不要共振も抑制し、余計な付帯音による濁りを解消している。
ハウジングのベースプレートやハンガーなどの機構部品にはマグネシウム合金を採用。アルミ比で20%軽量化するだけでなく、回転機構部にゴム製パッキンを採用し余分な振動を極力排除。各部品の細部まで配慮する設計思想で改善を図り、使用感も向上させた。
ハードメイプルの無垢材ハウジングは、日本の伝統工芸を工業製品に活かす創業1900年(明治33年)の坂本乙造商店が独自に開発した漆工芸で仕上げた。黒漆を基層とし硫黄でいぶした色銀箔をちぎり絵の様に貼りこんだ箔地文様は、高級感溢れる格調高い奥行き感を表現。硬質で比重が高いハードメイプルは漆仕上げの硬い塗膜と相まって、音に不要な色付けをせず、しっかりとした深みのある低音域からクリアで伸びやかな高音域が楽しめるという。
オープン型のTH919は、ハウジング開口部に組子細工の幾何学模様をモチーフにした艶消しアルマイトで仕上げのアルミ材を採用。レーザーカットによるメッシュ加工の精密な2層構造とし、開口率と各内部パーツを綿密に調整することで、「オープン型に相応しい解像度が高く聴き疲れしにくい自然な音場を再現する」とのこと。
新形状のイヤーパッドは、顔に当たる面を傾斜させた形状で装着感を最適化。内部の低反発ウレタンは2層構造とし、顔の形状にフィットするよう柔らかいタイプを表側、高弾力タイプを内側に配置。従来比3倍に耐久性を高めたシルクプロテイン製合皮の採用により、長時間にわたるリスニングでも快適な掛け心地とのこと。ヘッドパッドとヘッドバンドには天然素材のシープスキンを採用した。
ケーブルは、7N(99.99999%)グレードの高純度OFC(無酸素銅)を内部配線材としたアンバランス・ケーブル。別途、4.4.mmバランスケーブル「ET-TH4.4BL2Y」も発売予定。
インピーダンスは25Ω、感度は100dB/mW(暫定)。最大入力は1,800mW。再生周波数帯域は12.5Hz~45kHz。ケーブルを除いた重量は約385g。レザー調ポーチが付属する。