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オンキヨー、KAWAIピアノが採用した音色を持つアンプ。DAC/フォノイコ内蔵
2017年6月29日 15:00
オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンは、楽器製作のノウハウを採り入れ、レコード再生にも最適というオンキヨーブランドのステレオプリメインアンプ「A-9150」を7月上旬に発売する。価格は62,000円。カラーはシルバー(S)。
「ハイレゾからレコードまで、バラエティに富んだオーディオソースを、高品位かつパワフルに再生することを狙った」というプリメインアンプ。最大出力は90W×2ch(4Ω)、定格出力は60W×2ch(4Ω)、30W×2ch(8Ω)。
Onkyo R&Dチームによる動特性の追究によって開発された、500V/μsecを超えるスルーレートとMHz帯域までフラットなリニアリティを持つアンプモジュール「Discrete SpectraModule」をメインアンプの増幅に搭載。同アンプモジュールと、DACの後段に搭載されているDIDRCフィルターは、“グランドピアノらしいナチュラルな音色の再現度”が評価され、河合楽器製作所(KAWAI)のハイブリッド・ピアノ「NOVUS NV10」に採用された。
オンキヨーによる今回の「A-9150」に搭載されているDiscrete SpectraModuleとDIDRCフィルターは、Novus NV10採用時に得た楽器のノウハウを採り入れて、さらにオーディオ用にカスタマイズしたものだという。
MM/MCカートリッジに対応した、独立専用基板のフォノイコライザも搭載し、MC部は試聴を重ねて選別されたディスクリート構成のヘッドアンプを採用。さらに、MM/MCの切り替えスイッチをプッシュ式ではなくリレー式とし、基板上の経路を短縮した。グランドラインのループを閉じてそれぞれ別々にアースをとる(閉ループ化)ことで、繊細なアナログ信号をより純粋に増幅可能としている。
光/同軸デジタル入力を各2系統装備し、DACは768kHz/32bit対応デバイスを搭載。「音楽情報を漏らさずアナログ信号に変換し、音源の魅力を存分に引き出す」としている。なお、USBは搭載しない。DA変換は192kHz/24bitまで対応し、変換後に発生する高周波ノイズを除去。従来のローパスフィルターでは対応できなかったという可聴帯域外からの混変調ノイズを抑制するというオンキヨー独自開発フィルター回路のDIDRCを搭載。音の「かたさ、デジタル臭さ」につながるデジタル音源特有のノイズを防ぐ。また、アナログ信号入力時は、デジタル入力回路の電源をオフにしてアナログ回路への干渉を遮断する。
電源も強化。パワーアンプ部はトランス巻線を強化し、バスバーなども採用。随時変動するスピーカーインピーダンスに対しパワーリニアリティを向上することで高いドライブ力を実現するという。電源部には大容量のEI型トランスや、カスタム設計の10,000μF電解コンデンサを2基搭載。電源コンデンサからパワートランジスタまでを銅バスプレートで接続し、低インピーダンスで強力な電源回路を実現している。熱容量が大きく、熱的変化にも強いアルミ押し出しタイプの大型ヒートシンクを採用している。
音質に悪影響がある高調波振動を抑制するため、筐体は凹凸のないフラットシャーシを採用。厚さ1.6mmの鋼板を使用して高い剛性を確保。フロントパネルやボリュームノブにも制振性の高いアルミ素材を使用。電気回路の改良のみでは追い込めなかったカラーレーションを排除し、ピュアな音色を再現するという。
RCA端子は伝送ロスを抑える金メッキ仕様。スピーカーターミナルはバナナプラグにも対応するネジ式。電源部にはIEC規格のACインレットを備え、好みに合わせて付属ケーブルから市販ケーブルへの交換も可能。
ボリュームノブ周りの強度も高め、不要な振動を抑制。独自開発の低音増強技術「Phase Matching Bass Boost」や、小音量でも豊かなサウンドを実現する「オプティマム・ゲイン・ボリューム」、トーン回路をバイパスして信号経路を短縮する「ダイレクトモード」にも対応する。BASS/TREBLEのトーンコントロール、バランスコントロール、スピーカー出力切り換え(A/B/A+B)にも対応する。
スピーカー適応インピーダンスは、ABいずれかの端子へ接続する場合は4~16Ωだが、AB両端子に同時接続する場合は8~16Ω。
消費電力は130W(待機時0.1W)、外形寸法は435×331×139mm(幅×奥行き×高さ)、重量は9.2kg。リモコンが付属し、オンキヨー製CDプレーヤーなどの主要操作も付属リモコンで可能なRI端子を備える。