ニュース
ゼンハイザー初のオープン型イヤフォン「ACCENTUM Open」。約16940円
2025年5月19日 08:00
Sonova Consumer Hearing Japanは、ゼンハイザーブランド初となるオープン型(開放型、インナーイヤー型)の完全ワイヤレスイヤフォンで、スティックタイプの「ACCENTUM Open」を、6月3日に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は16,940円前後。カラーはブラックとクリームの2色で、クリームはAmazonでのみ販売する。
イヤーピースを使わずに装着できるインナーイヤー型イヤフォン。音楽を楽しみつつ、外部の音も聞こえるため「周囲の世界との調和を楽しめる」という。
ゼンハイザーではイヤーピースを使わないイヤフォンを開放型と定義。これまで同ブランドで開放型イヤフォンは発売してこなかったが、同社の調査によれば、4人に1人のユーザーが密閉型(カナル型)のデメリットである圧迫感やこもり感を嫌って開放型を選んでいるといい、そういったユーザーのニーズや、実用性を重視するZ世代、ミレニアル世代のニーズに応える製品と位置づける。
11mm径のダイナミック型ドライバーを搭載する。新規開発したドライバーではないものの、過去のゼンハイザー製品でも採用実績のあるドライバーだという。サウンドチューニングはゼンハイザー社内で行なっており、ゼンハイザーサウンドの“ゴールドスタンダード”である有線ヘッドフォン「HD 650」のサウンドをベースにして音作りされている。
上述のとおり、イヤフォンは周囲の音が耳に届く開放型。通気性が高く、重さもイヤフォン左右合計で約17gと軽量なため、長時間でもストレスなく使用できる。なお、ノイズキャンセリングは非搭載。
イヤフォンは独自のステム(脚部)デザインを採用することで、本体の重さを耳甲介に均等に分散して、耳への負担を軽減。「耳への密着感が苦手な方でも、長時間快適に音楽を楽める」という。同社が行なったユーザー調査による快適性評価テストでも、多くのユーザーから「耳への負担が少なく、長時間でも快適」が得られたとのこと。
バッテリー駆動時間はイヤフォン単体で約6時間、ケース併用で最大約28時間。イヤフォンはIPX4の防滴仕様。Bluetooth 5.3準拠で、コーデックはSBCとAACをサポートする。
通話性能では、イヤフォン片側に2基、左右合計4基のマイクを搭載。AIノイズリダクションも組み合わせることで高音質な通話ができる。
「説明書いらずですぐに使える」のも特徴で、スマートフォン向けアプリには非対応。イコライザー機能にも対応していない。イヤフォンの操作はタッチ式。イヤフォンを外すと自動で停止、装着すると自動で再生が始まるスマートポーズ機能を備えるほか、マルチポイント接続にも対応した。
実機を聴いてみた。開放型でも装着安定感は高め
発売に先駆けて実機を触ってきた。ケースはプラスチック製だが肌触りが良く、質感は高め。蓋の開閉もスムーズだが、少し“カチャカチャ”とした手触りで、このあたりは値段相応といった印象だった。
イヤフォンはインナーイヤー型で、装着は耳穴付近に乗せるようなイメージで、着けている感覚はアップルのEarPodsなどに近い。座った状態で首を激しく左右に振ってみてもイヤフォンがズレたり、耳から落ちたりすることはなかったので、装着時の安定感は高めな印象。軽いジョギング程度なら問題なく使用できそうだった。
肝心のサウンドは、iPhone 16 Proとペアリングしてチェックした。音源にはApple Musicを使用している。
サウンドの傾向としては明瞭で伸びやかな中高域と、軽やかな低域が味わえる。「サカナクション/怪獣」では山口一郎のボーカルが伸びやかで心地良い。開放型イヤフォンということもあり、量感があって身体の芯に響くような低域は味わえないものの、軽快で小気味よい低域だった。
女性ボーカルとも相性が良く、「tuki./月面着陸計画」では伸びやかでクリアな歌声を堪能できる。一方でより低音の迫力を楽しみたい人は少し物足りなさを感じてしまうかもしれない。