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ヤマハ、2chでも自動音質補正「YPAO」で理想環境に。ネットワークアンプ「R-N803」

 ヤマハは、ピュアオーディオ向けの2chアンプとネットワークプレーヤー機能を搭載し、AVアンプで採用している独自の視聴環境最適化システム「YPAO」も投入した新機軸のネットワークレシーバ「R-N803」を8月下旬に発売する。価格は110,000円。ブラックとシルバーの2色を用意する。

ネットワークレシーバ「R-N803」。シルバーモデル

 AVアンプで培ってきた視聴環境最適化システム「YPAO」を、2chのアンプに搭載しているのが特徴。部屋の音響特性は形状や壁の素材、設置されたスピーカーの場所などで変化するが、それらの要因を補正するのが「YPAO」(ヤマハ・パラメトリック・ルーム・アコースティック・オプティマイザー)。

シルバーモデル

 付属のマイクを使い、音響特性を測定し、自動で最適化。不要なピーク、ディップやレベルバランスを整え、理想的なリスニング環境を作り出せるという。なお、R-N803はサブウーファを別途追加して2.1chシステムを組むこともできるが、その際のサブウーファ向けクロスオーバー周波数も最適化できる。

付属のマイクを使い、音響特性を測定し、自動で最適化する

 部屋の初期反射を精密に測定して制御する「YPAO-R.S.C.」や、音量変化の際に高域と低域のレベルを自動的に調整するラウドネスEQ補正を、YPAOの測定結果を使って最適化する「YPAO Volume」技術も投入されている。

アプリでYPAOの設定を確認しているところ
ブラックモデル

 AVアンプで使っているものと同じ高性能なDSPチップを投入。超高精度な64bitイコライザ処理「YPAO プレシジョンEQ」も利用可能。音質面での劣化を抑えながら、リスニング環境を最適化でき、正確な補正処理と、優れた音像定位が楽しめるという。また、こうした処理を介さない、ピュアダイレクトモードも用意する。

超高精度な64bitイコライザ処理「YPAO プレシジョンEQ」も利用可能

 DACには、DSDネイティブ再生をサポートするESSの「SABRE9006AS」を採用した。

 IEEE 802.11b/g/nの無線LANも内蔵。Ethernet端子も搭載し、ネットワークオーディオプレーヤー機能も用意。USBメモリに保存したハイレゾ音楽ファイルの再生も可能。192kHz/24bitまでのWAV/FLAC/AIFF、96kHz/24bitまでのApple Losslessに加え、5.6MHzまでのDSDもダイレクト再生できる。DSD以外ではギャップレス再生も可能。

 独自のネットワーク再生機能「MusicCast」をサポートし、iOS/Android用アプリ「MusicCast CONTROLLER」から音楽再生や各種操作が可能。

 インターネットラジオの受信、radiko.jpにも対応。Spotify Connectにも対応する。

ブラックモデル

 Bluetoothの送受信もサポートしており、コーデックはSBC/AACに対応。プロファイルはA2DP/AVRCPをサポート。AirPlayも利用できる。

 ネットワークモジュールはヤマハのオリジナルで、高精度ロージッタークロックを内蔵している。これにより、ネットワーク/USB/Bluetooth再生時のジッタノイズ発生を大幅に低減、SN比を高め、ハイレゾのデリケートな音の違いも忠実に描写するという。ラジオチューナも搭載しており、AMとワイドFMの受信もサポートする。

背面端子

 入力端子はアナログRCA×5、光デジタル×2、同軸デジタル×2。アナログ入力にはPhono(MM)入力も1系統含まれており、ターンテーブルを接続する事もできる。USB Type-A×1も装備。出力はスピーカーターミナル×2系統、アナログRCA×2、サブウーファプリアウト×1、トリガーアウト×1を装備。ヘッドフォン出力も用意する。

 アンプの定格出力は120W×2ch(6Ω)で、最大出力は170W(6Ω)。パワーアンプブロックには、出力素子として合計8個のバイポーラ型パワートランジスタを、左右4個搭載。並列プッシュプル構造となる。左右対称レイアウトで搭載しており、信号伝送距離も最小限に抑えている。

フロントパネル

 電源部には、505.20VAクラスの大型EIコア電源トランスと、12,000μVの大容量ブロックコンデンサを採用。余裕を持ってスピーカーを駆動できるという。ハイエンドモデルで使われる高音質パーツも導入、入念なサウンドチューニングを施したという。

付属のリモコン

 筐体には、ヤマハのハイファイ設計思想である「ToP-ART」も導入。左右対称コンストラクションと、信号経路のストレート・最短化にこだわる回路レイアウトを採用。ボトムには、不要な共振を抑制する、独自のアートベースと、スチールフレームを組み合わせている。制振・高剛性シャーシを組み合わせる事で、音楽信号の流れに忠実な機器内部の環境を実現するという。

 脚部には、アンチレゾナンスレッグを採用。直線と曲線状の補強を組み合わせ、強度と制振性をさらに高めたもので、楽器やボーカルの再現性、分離感が向上するという。

 前面には、使用頻度に応じて直径や奥行きを変えた3個のロータリーダイヤルと、ヤマハのハイファイ伝統の4個の短形ノブを配置し、「使うほどに手に馴染む優れた操作性を実現した」という。

 フロントパネルはアルミのヘアライン仕上げ。消費電力は250W。外形寸法は435×392×151mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は11kg。

新形状のアンチレゾナンスレッグ