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リズムマシンの名機「TR-808」がコンパクトかつ現代風に復活。ローランド「TR-08」

 ローランドは、1980年に発売されたリズムマシンの名機「TR-808」を小型化しながらUSBオーディオやMIDIなどを加えたリズム・コンポーザー「TR-08」と、'82年発売のアナログシンセの名機「SH-101」を小型化し、機能強化したシンセサイザー「SH-01A」を9月下旬より順次発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はいずれも5万円前後(税込)。SH-01Aは3色展開で、グレーを9月下旬に発売、ブルーとレッドも10月上旬より発売し、3色展開する。

TR-08
SH-01A

 ローランドは、1980年代に活躍したアナログ・シンセサイザーの分厚く個性的なサウンドを、A4ファイル半分程度の小型ボディで楽しめるシリーズとして、2015年に「Roland Boutiqueシリーズ」を発売し、現在シリーズ8モデルで展開中。同シリーズに、1980年代のヒップ・ホップ、ダンス・ミュージック、現代のポップ・ミュージックにまで大きな影響を及ぼしたリズム・マシン「TR-808」と、特徴的な音色、シンプルな操作感と手頃な価格で人気を集めたアナログ・シンセサイザー「SH-101」のイメージを踏襲した製品を追加する。

 オリジナル機の音の特徴や回路の振る舞いを忠実に再現。さらに、現代の使用シーンにあわせて、USBオーディオやMIDI対応などを行ない、実用性を高めている。電池駆動に対応し、小型スピーカーも内蔵しているため、場所を選ばず利用できるのも特徴。

TR-08

 TR-08は、'80年発売のリズム・マシン「TR-808」の独特なサウンド、特徴、操作感などをそのまま継承しながら、コンパクトなボディで再現したリズムマシン。サウンドはそのままながら、16ステップ・シーケンサーは、それぞれサブ・ステップをもち、ステップごとに32分音符の単位で細かいパターンの打ち込みやハイハット・シンバルのロールなどのサウンドを作れる。

TR-08

 LEDを搭載し、テンポ、シャッフルなど、見やすい画面で細かくコントロールできる。さらに、オリジナル機にはなかったUSBオーディオ/MIDIも搭載し、外部機器の制御も可能となった。USB接続時には10系統のパラアウトに対応する。

 外部トリガー端子はステレオミニのPHONE端子、音声出力端子も装備。電源は単3電池×4本、もしくはUSB給電で動作する。外形寸法は308×130×51mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.3kg。

Roland Boutique TR-08 Rhythm Composer

参考:「TR-808」(販売期間:1980年~1983年)

1980年に発売されたリズム・マシン。当時は、プリセットされたリズム・パターンを再生するだけのモデルが主だったが、「TR-808」の誕生により、1曲分のリズムを自由に設定できる画期的なリズム・マシンとして、当時のミュージシャンやプロデューサーの音楽制作に大きな影響を与えた。歯切れのよいスネアドラム、重低音のバスドラム、特徴的なカウベルやハンドクラップ(手拍子)など、その独特なサウンドは、発売後30年経った今もなお、根強く支持されている。

SH-01A

 独自のACB(Analog Circuit Behavior)テクノロジーにより、音のキャラクターを特徴づけるオシレーター、音の明るさや太さを決めるフィルター、音が鳴り終わるまでの時間変化を設定するエンベロープなど、オリジナル機「SH-101」の振る舞いを回路レベルで再現。つまみなどのパネルレイアウトも再現されている。

SH-01A(レッド)

 モノフォニックの「SH-101」では単音しか演奏できなかったが、「SH-01A」は、新たに4音ポリフォニー対応となり、ベース・サウンドやリード・サウンドなど迫力ある音をつくったり、同時に4音を演奏して、重厚感のある表現が可能になった。

SH-01Aに専用キーボードユニット「K-25m」(別売)を装着

 作成したサウンドを64種類記憶できるメモリや、7セグメント4桁ディスプレイを搭載。CV/Gate、MIDI、USBに対応しており、アナログ・シンセサイザー、ハードウェア・シンセサイザー、ソフトウェア・シンセサイザーなどをコントロールできる。電源は単3電池×4本、もしくはUSB給電で動作する。外形寸法は300×128×46mm(幅×奥行き×高さ)、重量965g。

Roland Boutique TR-08 & SH-01A with Mathew Jonson

参考:「SH-101」(販売期間:1982年~1988年)

1982年に発売した、ローランド最後のアナログ・シンセサイザー。モノフォニックながら分厚いベース・サウンド、明るくエッジの効いたリード・サウンドなど個性的な音、シンプルに音づくりができる操作感、普及価格が特徴で、プロ・ミュージシャンから一般のシンセサイザー愛好家まで広く愛用された。グリップとストラップをつけるとショルダー・キーボードとして使用でき、ライブ演奏用のシンセサイザーとしても人気が高かった。