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シンプル全録「ガラポンTV 六号機」はレンタル特化。2ch実況対応

 ガラポンは16日、ワンセグテレビ全録機「ガラポンTV」の新モデルとして、シンプル・簡単を目指したという「ガラポンTV 六号機」を発表。未来検索ブラジルが開発した全録再生ソフトウェア「MiyouTV(みようてぃーびー)」と新たに連携し、ネット掲示板の実況レスを画面に流せるようになった。六号機は購入代金を負担せずに利用できる、月額1,250円のレンタルサービス「ガラポンTVプレミアムプラス」で展開し、同日から受け付けを開始、19日から順次発送する。本体の売り切り販売は行なわない。

シンプル全録「ガラポンTV 六号機」はレンタル特化。2ch実況対応 ガラポンTV 六号機
ガラポンTV 六号機
シンプル全録「ガラポンTV 六号機」はレンタル特化。2ch実況対応 全録再生ソフトウェア「MiyouTV」と連携。テレビ画面に、掲示板の実況レスをニコ動のように画面に流せる
全録再生ソフトウェア「MiyouTV」と連携。テレビ画面に、掲示板の実況レスをニコ動のように画面に流せる

 六号機は、筐体デザインは伍号機と同一だが新CPUを採用するなどハードウェア設計を大幅に見直してパフォーマンスを向上。500GBのHDDを内蔵し、8chのワンセグ放送を24時間×20日間録画できる。容量がいっぱいになると古い番組から自動削除するが、お気に入り番組に設定することでHDD内に保存可能。4TBの外付けUSB HDDと組み合わせた場合、最大で160日間の全録が可能になる。

 月額1,250円の「ガラポンTVプレミアムプラス」でのレンタル提供のみとなるが、最低契約期間は無く、機器購入代金(税込43,700円)や初期費用、初月/次月の代金、解約違約金はいずれも不要。さらに故障時は、回数無制限の無償修理保証が受けられる。

 録画機能は伍号機と大きな違いはなく、録画したワンセグ番組をスマートフォン/タブレット、PCを使って同一ネットワーク内やインターネット経由で再生でき、録画番組を端末にダウンロードすることも可能。対応機種はiOS/Android搭載のスマホ/タブレット。PC利用時の対応ブラウザはWindowsのChrome/Edge/IE11以降、MacのSafari。

シンプル全録「ガラポンTV 六号機」はレンタル特化。2ch実況対応 ガラポンTVの特徴
ガラポンTVの特徴

 ただし、ネットワーク周りの設定などに詳しくないユーザーでも使いやすいよう、宅外視聴や番組持ち出しの挙動などを見直した。伍号機からの変更点は以下の通り。

  • 多機能プレーヤー「TVサイト」に一本化
    ソーシャル機能を備えた多機能プレーヤー「TVサイト」のページに、シンプルプレーヤー・各種設定・認証用「ガラポンWeb」の各ページを集約
  • セットアップ作業を簡略化
    六号機を地デジ用アンテナとインターネットに接続するだけで本体セットアップを完了するように改良。マニュアルも1枚に
  • 宅外接続設定を自動化
    ルーターの自動ポート開放が行なえない場合のユーザーによる手動設定を無くし、自動でP2P接続に切り替えるよう変更
  • 番組録画時に自動音声変換、端末ダウンロードの簡略化
    多重音声番組は録画時に音声変換を実施して再生待ちを無くした。端末へのダウンロード変換と保存は1クリックで実施
シンプル全録「ガラポンTV 六号機」はレンタル特化。2ch実況対応 ガラポンTVのサービス構成を簡略化
ガラポンTVのサービス構成を簡略化

 番組字幕のテキスト検索や、ガラポンユーザー間で面白い番組の口コミ情報をシェアする機能、Windows PCでの視聴時にニコニコ実況アプリと組み合わせて、放送番組にコメントを重ねて視聴するといった機能は、引き続き利用できる。

 背面には、アンテナ端子、外付けHDD接続用のUSBポート、LAN端子を装備。外形寸法は215.85×134×50mm(幅×奥行き×高さ)。アンテナ分配器、LANケーブル(3m)×1本、アンテナケーブル(0.5m)×2本を同梱する。

全録再生ソフト「MiyouTV」対応。レンタル特化でユーザー増を狙う

 未来検索ブラジルが提供する全録再生ソフト「MiyouTV」と連携。掲示板サイト「2ちゃんねる(5ちゃんねる)」の実況板に書き込まれたレスを、ニコニコ動画のようにテレビ映像にオーバーレイする形で流して一緒に見られるようになる。正式版は、ガラポン六号機の出荷日(10月19日)に合わせて公開予定。

シンプル全録「ガラポンTV 六号機」はレンタル特化。2ch実況対応 MiyouTVの番組表画面
MiyouTVの番組表画面

 MiyouTVの概要については、未来検索ブラジルの竹中直純代表取締役が説明。自作パソコンなどにテレビチューナを組み込んで全録サーバーを構築するために開発されたオープンソースのソフトウェアで、Windows/Mac/Linuxで利用できる。対応チューナとして新たにガラポン六号機を加えた形で、ハードルの高い全録環境の準備を簡単にするのが狙い。連携にはガラポンが発行するIDとパスワードが必要となる。

 録画番組にも対応し、自分の好きなタイミングで実況と同期しながら番組視聴できる。また、単位時間あたりのコメント数を折れ線グラフでプレーヤー画面の下に表示し、実況コメント数が増えて盛り上がったところをクリックするとそのシーンにジャンプ可能。ガラポンのAPIを利用し、UPnP経由で宅外からもアクセスできる。なおMiyouTVは六号機だけでなく、既存の伍号機、四号機でも利用できる。

シンプル全録「ガラポンTV 六号機」はレンタル特化。2ch実況対応 MiyouTVの設定画面
MiyouTVの設定画面
シンプル全録「ガラポンTV 六号機」はレンタル特化。2ch実況対応 コメント数に応じた実況の盛り上がりを折れ線グラフで表示
コメント数に応じた実況の盛り上がりを折れ線グラフで表示

 ガラポンの保田歩社長は「ガラポンTVの累計出荷数は約15,500台で、商品コンセプトを理解して買ってくれる、ガジェットに強いアーリーアダプター層に売れた。これからはコストパフォーマンスを重視して商品を買うアーリーマジョリティ層にも使ってもらいたい。ガラポンTVのレンタルを2016年に開始したところ、レンタル顧客数は1,500以上でお試し無料後の課金率は80%以上となった」とこれまでの成果を強調。

 一方で購買層が広がったことにより、わかりにくい、難しいといった声が増えた、と保田社長は話す。そして「六号機はシンプルで簡単な使い勝手を意識したモデル。全機能をゼロから構築し、新しくSTMicroのCPUを採用(従来はMarvel製CPU)、新しい製造パートナーと協力。商流もレンタルに一本化し、顧客の爆発的な拡大を目指す。年間3万増を目標にしている」と意気込みを語った。

 発表会の後半では、2ちゃんねるの開設者である西村博之(ひろゆき)氏が加わって、保田社長と竹中氏とともに「テレビの未来」と題した座談会を実施。ひろゆき氏は「テレビの面白いコンテンツがネットで話題になったからといって、過去の放送分をいつでも合法的に観られるとは限らない。そういったコンテンツがネットに違法な状態で上がり、人々に見られているのはどうなのか」と指摘し、全録のメリットとして、話題になった後からでも合法的に番組をすべて見直せるとコメント。

 竹中氏も、テレビ放送の途中から社会現象化したTVアニメ「けものフレンズ」などの例を引き合いに出しつつ、「TVのコンテンツにはまだまだ面白いものがある。過去の放送分も合法でみられて、制作者側に還元される環境を作りたい」と話した。

シンプル全録「ガラポンTV 六号機」はレンタル特化。2ch実況対応 保田歩社長(左)、西村博之氏(中央)、竹中直純氏(右)
保田歩社長(左)、西村博之氏(中央)、竹中直純氏(右)