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キヤノン、グローバルシャッターCMOS搭載で現実とCGを融合する最上位HMD開発

キヤノンは、2月26日~28日まで幕張メッセで開催される「第28回3D&バーチャル リアリティ展(IVR)」に出展。現実世界と3DCGをリアルタイムに融合できるMR(Mixed Reality)の最新技術を展示する。会場では、日本市場で販売するMR HMDの最上位機「MREAL Display MD-20」の展示などを行なう予定。

MR HMDの最上位機「MREAL Display MD-20」

キヤノンの「MREAL(エムリアル)」は、HMD内蔵したカメラのCMOSセンサーが捉えた目の前の現実映像と、仮想空間の3DCG映像をリアルタイムに合成し、HMDに表示するビデオシースルー方式。これにより、現実世界とCG映像を違和感なく融合させ、「あたかも目の前の現実に存在しているかのような臨場感を提供する」という。自動車メーカーをはじめとする製造業において、デザインや設計データの試作回数を減らし、コスト削減を可能にする業務支援ツールとして活用されている。

初出品する最上位モデル「MREAL Display MD-20」は、独自に開発したグローバルシャッター搭載のCMOSセンサーを採用。 現実世界の映像を歪みなく正確に捉え、ユーザーの動きに追従。また、表示パネルの色域拡大により、現実に近い色味や質感でCG映像を表示できるとする。

空間特徴位置合わせ技術を用いた映像例。左側は実物の車、右側は3DCGの車

さらに、視野角は水平方向に約70度、 垂直方向に約40度の広画角を実現。現実に近い作業姿勢や感覚で確認や検証ができるという。

最新のソフトウエアとして紹介する基盤ソフト「MREAL Platform」(別売)は、MD-20内のグローバルシャッター搭載CMOSが捉えたブレの少ない映像から特徴点を抽出し、ユーザーの位置と視界を特定する空間地図をリアルタイムに生成。HMD単体での高精度な位置合わせを実現する。これにより、3次元の位置や姿勢を計測する別売りのマーカーや光学式センサーを周囲に設置せずに利用でき、MREALをより幅広い目的で活用できるという。

イベントでは、高精度な位置合わせなどの性能に加え、さらなる小型・軽量を目指して開発中の「MREAL」シリーズのエントリーモデルとして、HMDのプロトタイプも参考出品する。