キヤノンのMRシステムHMD「MREAL」に最少・最軽量エントリー機

キヤノン「MREAL」シリーズのエントリーモデル「MREAL S1」

キヤノンは、MR(複合現実)システム「MREAL(エムリアル)」より、シリーズ最少・最軽量のエントリーモデルとなるヘッドマウントディスプレイ(HMD)「MREAL S1」を2月下旬に発売する。価格はオープンプライス。

MREALは、HMDに内蔵されたカメラのCMOSセンサーが捉えた現実世界の映像と、仮想空間の3DCG映像をリアルタイムで合成し、HMDに表示するビデオシースルー方式のMRシステム。

ディスプレイ本体に搭載するデバイスやヘッドマウントユニットの構造を見直すことで、外形寸法は約186×250×138mm(幅×奥行き×高さ/折りたたみ時)、重さはユニット全体で338gとシリーズ最少・最軽量を実現。使用時の負担を軽減し、快適な装着感を実現した。モバイルワークステーションでの利用にも対応。

ヘッドマウントユニットは人間工学に基づいて設計されているため、頭を傾けるような体勢でも安定して快適に使用でき、着脱や調整も容易だという。フリップアップ機構も備え、すばやく目視に切り替えることもできる。

HMDを装着した状態で、ディスプレイ本体の上下位置や眼幅を調整できる機構も備え、個人差に合わせた細かい調整もできる。ディスプレイ部のみで約137g。

周囲の静止物から特徴点を抽出し、自身の位置座標を推定する空間特徴位置合わせ技術の進化により、多様な現場での高精度な位置合わせも実現。上位機種と同じく、別売りの位置合わせ用光学センサーが常設されていない場所や、設置が困難な屋外でも使用でき、機材準備時間を削減できるという。

CG映像を融合した例

モバイルワークステーションと組み合わせることでシステム総重量の軽量化も可能に。さまざまな現場に持ち込んで現実世界とCGを合成させた映像を可視化できるため、「現場で実寸大のCGを確認することで、コミュニケーションの効率化や試作回数を減らすことによるコスト削減などに貢献」する。