パナソニック、「エコアイデアハウス」をオープン

-環境活動の象徴として「事業への反映が使命」


エコアイデアハウス

4月15日オープン


 パナソニック株式会社は、東京都江東区有明の「パナソニックセンター東京」敷地内に、3~5年後のくらしを想定して「家まるごとCO2±ゼロ」を目指したショールーム「エコアイデアハウスを開設。15日に大坪文雄社長らが参加して、開所式が行なわれた。

エコアイデアハウス。パナソニックセンターの脇に設置した

 エコアイデアハウスは、省エネルギー、創エネルギー、蓄エネルギーの活用と、風、光、水、熱などの自然の恵みを採り入れることで、「家まるごとCO2±0」の生活を実現する、ショールームと位置付けられている。延べ床面積は262m2(1F:121m2、2F:141m2)。2009年4月18日以降の土、日、祝祭日は一般公開する予定で、見学も自由。

 2007年10月に発表したエコアイデア戦略を具現化。パナソニックのAV、家電製品や環境技術、パナソニック電工による照明や住宅設備などを組み合わせて、パナソニックグループの環境経営や地球温暖化対策をアピールする施設となる。


大坪文雄社長

 大坪社長は、環境経営の「総合拠点」と、エコアイデアハウスを紹介し、「われわれが目指す姿をお客様に提示し、そこでいただいた意見を事業に反映する。それがエコアイデアハウスの使命」と設立理由を解説した。

 また、「『商品エコ』、『ものづくりエコ』、『ひろげるエコ』の3つのエコをトータルにわかりやすく提案していくのがわれわれの使命。エネルギーを減らすとともに、『つくる」、『貯める』にも取り組み、CO2排出を実質ゼロにする。商品や技術は、すでに販売しているもの、あるいは近く事業化するものばかりで、単なるコンセプトではない。実現性のある施設だ」と語った。

 経済産業省を代表し、来賓として高市早苗副大臣が挨拶。松下幸之助氏の「日本よい国」という文章に感銘を受けたことに触れ、「日本の“良さ”も気付かなければ意味がない。攻めの産業政策で日本を良くしていきたい」と語った。

 臨海副都心まちづくり協議会の理事長を務めるフジテレビジョンの日枝会長は、「住みやすい家、くらしをここから発信してほしい。臨海副都心では、皆が一緒に世界に誇れるまちづくりに取り組んでいる。エコアイデアハウスで、この取り組みをリードしてほしい」と語った。

経済産業省 高市副大臣フジテレビジョン日枝会長
記念植樹も実施テープカット

 


■ 省エネだけでなく創エネも。技術と自然のシナジーハウス

 

「家まるごとCO2±ゼロ」の試算技術と自然のシナジーハウスを目指す

 エコアイデアハウスでは、最先端の省エネ家電製品の採用や、燃料電池や太陽光発電、蓄電池の組み合わせにより、エネルギーを“減らし”、”つくり”、”ためる”ことで、CO2排出量が実質ゼロになる家を実現。また、涼しさや、暖かさ、明るさなどにおいて、“日本古来の知恵”を取り入れて「心地よい生活様式」、「住みたくなる家」をグローバルに発信するという。

 設置機器のほとんどは同社の既発売製品。省エネについては、風(エアコン、換気システム)、光(照明設計、LED照明)、水(ななめドラム洗濯乾燥機、有機ガラス系素材)、熱(真空断熱材、ヒートポンプ)の4つの要素で、エコ設計などをアピール。さらに太陽電池などの創「エネ」や、蓄電池を使った「蓄エネ」などで、効率的な電力利用を実現。「CO2排出量実質ゼロ」を達成するという。

 同時に、採光や照明の工夫などで「心地よさ」も追及。「“技術と自然のシナジーハウス”を目指す(環境本部 中村昭本部長)」とした。

VIERA Linkも訴求。VIERAで各機器の消費電力、創エネを表示NeoPDP採用 VIERAの省エネ性能をアピール
各家電機器を制御するネットワークリモコンリチウムイオン蓄電池も参考展示。蓄エネも強化
屋上には太陽電池太陽電池で発電した電気は緊急時にも利用可能燃料電池ユニット
LED照明は、設置の自由度や省エネ性能、色温度の調整などさまざまな利点をアピールトイレの壁などの断熱にも工夫
在宅勤務に向けたHDコミュニケーションシステムHDコミュニケーションユニットを参考展示雨水貯水タンク「信楽くん」
ミストシャワーなど浴室関連でも省エネ電子レンジや洗濯機の省エネ性能も訴求

(2009年 4月 15日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]