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“テレビの色を塗り替える”ハイセンスからRGB LED液晶「UXS」。65型で48.4万円から

100型4K液晶「RGB100UXS」

ハイセンスジャパンは、微細なRGB LEDチップをバックライトに使用した4K液晶テレビ「RGB UXSシリーズ」を5月25日より順次発売する。2025年に世界初のRGB LED液晶テレビを市場投入したハイセンスだが、日本発売は今回が初めて。サイズは100型、85型、75型、65型。価格はオープンで、市場想定価格は484,000円前後(65型)から。

「RGB UXSシリーズ」ラインアップ
・100型「RGB100UXS」 198万円前後 5月25日発売
・85型「RGB85UXS」 132万円前後 同上
・75型「RGB75UXS」 59.4万円前後 6月15日発売
・65型「RGB65UXS」 48.4万円前後 同上

75型4K液晶「RGB75UXS」

今年4月発売の、量子ドット×ミニLED液晶テレビ「U7Sシリーズ」に続く、2026年新製品の第2弾。

最大の特徴が、光源であるバックライトにRGB三色のLEDチップを使用していること。これにより、従来のミニLEDバックライトモデルよりも色表現が大幅に拡大。4K放送や4Kブルーレイなどに採用されている色域「BT.2020」規格において、100%ものカバー率を実現した。

サウンドシステムには、フランスの高級オーディオブランド「Devialet(デビアレ)」が音響チューニングとして参加。大型サイズの100型・85型モデルは、デビアレの代表作である「Pahntom(ファントム)」をレファレンスとし、対向型ウーファーを背面に搭載。6.2.2チャンネル、最大出力140Wのダイナミックなサウンドを実現した。

同社は、RGB ]UXSシリーズについて「ミニLEDの拡大と普及、ならびに大画面化の進行というトレンドを踏まえ、ミニLEDの次世代技術であるRGBミニLEDを搭載したフラッグシップを企画した。三原色の光が、テレビの色を塗り替える」とアピールする。

なお、同日発売の量子ドット×ミニLED液晶テレビ「U8Sシリーズ」については、別記事を参照のこと。

同時発表の4K液晶「U8Sシリーズ」。U8Sは、RGB LEDではなく、量子ドットと青色ミニLEDを組み合わせたバックライトを採用する

RGB LEDバックライトを初導入。BT.2020色域を100%カバー

100型から65型まで、4K/3,840×2,160解像度の液晶パネルを採用。

バックライトとして、赤・緑・青の各色を個別に駆動させる微細なRGB LEDチップを全面に敷き詰めている。

従来のミニLEDモデルではBT.2020色域のカバー率が75%程度だったが、RGBの独立制御&発光により、UXSではBT.2020カバー率で最大100%を達成。人間の目で知覚できる色数を、より多く表示できるようになった。

発表会場に展示されていた、バックライトシステムの比較。写真左から「直下型LED(85C55R)」、「RGB LED(RGB85UXS)」、「ミニLED(他社製85型モデル)」
直下型LED(ハイセンス「85C55R」)
LEDチップ
ミニLED(他社製85型モデル)
青色のミニLEDチップ
RGB LED(ハイセンス「RGB85UXS」)。75型・65型は、100型・85型に比べてLEDの個数や分割数、ピーク輝度が異なる
RGB LEDチップ

色域の拡大に加え、発光効率も改善。従来方式に比べ、RGB LED+CF方式は同じ明るさでもエネルギーロスが少なく、より消費電力を抑えることが可能という。

有害なブルーライトも低減。画面が黄色っぽくなってしまうソフトウェア方式ではなく、ハードウェアレベルで約50%ものブルーライトをカット。鮮やかな色彩のまま快適に視聴できるようになった。

パネル部は、最高級のARコートを使った「黒曜石パネル」を採用。環境光の反射を抑えて沈む黒を再現するほか、斜めから見ても鮮やかな広視野角性能も改善。さらに、RGB LEDバックライトと広視野角シートProとの組み合わせで、光漏れも抑制させた。

バックライトに合わせ、エンジンも変更。処理性能を高めたHi-View AIエンジンに加えて、RGB LEDを制御するための専用回路を追加した、ダブル仕様の「Hi-View AIエンジン RGB」へとアップグレードした。

映像処理としては、映像の中に存在する“オブジェクト”を認識して、主体物や背景に応じた映像処理を行なう「AIデプス」や、フレーム間に黒画面を挿入することで動画ボヤケを軽減する「BFI」機能を新たに追加。

さらに、Wエンジンとしたことで、色再現の正確性、顔認識による美肌化、ネット動画視聴時のバンディングノイズ低減といった従来機能の精度も高めた。

サポートするHDR規格は、HDR10、HLG、HDR10+ ADPTIVE、Dolby Vision IQ。

仏デビアレがサウンドチューニングを監修

RGB UXSシリーズは、サウンドシステムのこだわりもポイント。

フランスの高級オーディオブランド・デビアレがチューニングを監修。従来のテレビよりも高いグレードの音質を目指した。

100型・85型では、フルレンジのステレオ、さらにセンター、サイド、トップスピーカーに加えて、デビアレ「Phantom」をレファレンスとした対向式ウーファーを内蔵。テレビスピーカーでありながら、50Hzもの深い低域を再現。「筐体が振動することなく、非常に豊かな重低音を実現する」という。

100型「RGB100UXS」

仕様としては、全22スピーカーの6.2.2chシステムで、最大出力140Wを実現。デビアレブランドの最高品質の象徴として用いられる“Devialet|Opéra de Paris”のロゴも前面右下に刻印。サイド・トップスピーカーをフル活用した、Dolby Atmos 5.1.2ch再生もサポートする。

なお、75型は5.1.2chの110W出力、65型は4.1.2chの90W出力で、対向型ウーファーシステムは非搭載。本体には“TUNED BY Devialet”ロゴを付与する。

写真は85型モデルのイメージ

テレビが“質問に答える”生成AI機能を搭載

プラットフォームは、同社オリジナルの「VIDAA(ヴィダー)」。2026年モデルでは新たに生成AIを組み込むことで、ユーザーの声だけで関連番組の検索や質問に対してリアルタイムに応答できるようになった。

具体的には、映画視聴中にストーリーの振り返りや結末の考察、スポーツであればチーム・選手の情報などを質問すると、テレビが答えてくれる。またユーザーの興味や嗜好に合わせ、関連コンテンツを自動でおススメしてくれる機能も搭載する。

ゴッホやモネなどのルーブル美術館収蔵の作品や現代アーティストの作品、約1,000点以上の様々なアート作品を表示して、テレビをギャラリー的に楽しめる「AIアートギャラリー」機能も新たに搭載している。

同社スタッフは、VIDAAについて、「従来モデルでも、リモコンではなくテレビに声掛けして、音量や入力の切り替え、動画検索、ビデオ再生などのハンズフリー操作は行なえたが、新モデルでは“会話”ができるのがポイント。加えて、VIDAAはテレビ専用システムであるため、他のOSに比べて動作が速いのが特徴」と説明する。

チューナーは、BS4K/110度CS4Kを2基、地上/BS/110度CSデジタルを3基搭載。別売の外付けUSB HDDを接続することで、4K放送の裏番組録画や、2K放送の2番組同時裏録が行なえる。

本機で録画した番組を、別の部屋にあるハイセンステレビで視聴できるようにする「Anyviewホームサーバー」やiPhoneやAndroidスマートフォンの画面を表示させるスクリーンシェアの機能を搭載。放送×放送、放送×AirPlay、放送×HDMIの2画面表示も行なえる。

HDMI入力は4系統で、HDMI 1~2のみ4K/144p入力に対応。ちらつきやカクツキを抑えるVRRや、ゲーム機と連動して低遅延/高画質モードを自動で切り換えるALLM機能も利用可能。また、4K/144p入力において約0.83msの低遅延を実現する「ゲームモードPro」を搭載しており、FPSや格闘ゲーム、アクションゲームなど判定にシビアなゲームも楽しめる。

ハイセンスがRGB LEDテレビの“オリジン”

発表会では、ハイセンスジャパンの山本一人副社長が登壇した。

テレビ事業について、「1969年に創業したハイセンスは毎年右肩上がりの成長を続けており、昨年初めて売上5兆円を記録した。テレビ事業においては、グロ-バルで3,035万台以上を出荷、100型以上のテレビ出荷台数はグローバルで1位を獲得した。そして国内では、レグザブランドを含めたグループシェアは国内1位、ハイセンス単体でも国内シェア3位という位置まで来ることができた」と、好調ぶりをアピールした。

RGB UXSシリーズについては、「ハイセンスが一番強みとしているRGBミニLEDの技術が使われているモデルだ。我々ハイセンスは、世界で初めて、2025年のCESでRGBミニLEDテレビを発表。25年3月には中国で世界初の市場投入を果たし、同年7月にはアメリカとヨーロッパで製品を販売した」と、RGB LED技術の“オリジン”であることを強調。

「今年のCESでも発表があったように、ハイセンスは、RGB三色の次のステップとして、青緑(シアン)を追加した“4原色”の技術も開発中だ。今回のRGB UXSはRGB三色だが、4原色技術を搭載した次世代モデルもできるだけ早くお届けできるよう検討している」

「こうした技術革新をすばやく生み出すことができるのは、ハイセンスならではの自社生産体制にある。バックライトシステムだけでなく、ICも内製化を進めることで、RGB技術の垂直統合化を推進している」と述べた。

ハイセンスジャパンの山本一人副社長

新モデルの販売戦略についても言及。

「販売チャネルについても、今年は大きな進捗があった。これまでハイセンスのハイエンドモデルは家電量販約90店舗と取り扱いが限られていた。しかし、UXSの性能と販売力が評価され、全国約2,500の店舗で取り扱われることが決まった。それだけRGB UXSは特約店様の期待が大きいと受け止めている」

「取り扱い店舗の拡充により、これまで販売できていなかったゾーンに多数の商品を送り込むことができるようになる。また店頭で、一般のお客様にもしっかり見ていただいて、比較していただける環境が整った。6月のワールドカップの商戦と合わせ、さらにシェアを大きく伸ばす第一歩と考えている」と語った。

発表会での主な質疑応答は以下の通り。

――ハイセンスは2025年に世界で初めてRGBミニLEDテレビを発売したと思うが、日本投入が今年になった理由を教えてほしい。

山本副社長(以下敬称略):海外で先行発売したRGBミニLEDテレビは116型であり、日本の住宅環境ではなかなか入らないサイズだ。我々としては、日本のお客様のニーズにあったインチサイズをしっかり揃えてから提供すべきと判断した。

――今年はTVメーカー各社からRGBミニLEDテレビが発売されると聞いている。RGBミニLEDテレビのオリジンとして、他社モデルとの違いや強みはどこにあるか?

山本:今年RGBミニLEDテレビを発売するメーカーは、非常に限られると思っている。RGBミニLEDテレビのキモは、バックライトの高度な技術とその制御だ。こうした部分において、我々は長年の研究の蓄積があり、同時にM&Aなどを行なうことで関連技術の内製化を進めてきた。

実際の画を見てもらえば、色域の広さ・鮮やかさ、明るさなどで我々が持つアドバンテージを感じていただけると思う。また、価格においても他社と差別化ができると考える。我々と同じ価格帯で(他社が)出すことは、なかなか難しいのではないか。