IDT、HQVブランドの新映像プロセッサ「Vida」を説明

-ネット動画の画質を向上。ブロックノイズ抑制など


HQV Vidaを搭載した開発用ボード

10月1日開催


 米Integrated Device Technology(IDT)は1日、新ビデオプロセッサ「HQV Vida」の説明会を開催した。同ブランドの新製品となる「VHD1900」はサンプル出荷を開始しており、価格は1,000個単位で25ドル。パッケージは128ピンTQFP。

HQV Vidaの特徴

 Blu-ray Disc/DVDプレーヤーや、デジタルテレビ、AVアンプ、プロジェクタ、STB、モバイル機器などへの搭載を想定したビデオプロセッサ。HQVビデオプロセッサの第3世代製品となり、YouTubeやテレビ番組のWeb配信、Apple TVやAmazon、Netflixなどのビデオ配信など、インターネットコンテンツの高画質化に対応した点が特徴となる。

 従来のHQVプロセッサと同様に、1080iから1080pへのHDデインターレース機能やジャギー低減、ノイズ低減などの特徴を引き継ぎながら、新たにブロックノイズやモスキートノイズなどを大幅に低減する「HQV StreamClean」を搭載。ネット上の高圧縮動画を大画面表示する際に見られるノイズなどを大幅に低減できるという。

 加えて、HQV Resoltion Enhancementと呼ぶSD解像度の映像の画質向上技術を搭載。SD映像をHDにスケーリングした後に、HDのような映像のディテール感を作り出すという。また、異なるソースからのコンテンツや、画質にバラつきがあるコンテンツについて、自動で画質を最適化処理する「Auto HQV」も搭載した。

 ケーデンス検知やジャギー低減フィルタなどのアルゴリズムも改善しており、画質向上とともに消費電力削減するなどモバイル機器への対応を強化している。

HQV StreamCleanでブロックノイズを大幅低減SD映像のディテール改善技術も新搭載HQV Vida適応前(左)と適応後(右)
IDT テリー・マーフィー氏

 IDTビデオ&ディスプレイ・オペレーション部門 戦略マーケティング担当シニア・マネージャのデリー・マーフィー氏は、「ネットワークで多くのコンテンツが手入るようになっている。しかし、多くは圧縮による画質劣化により、大画面で見たときにノイズや荒さが目立つようになっている。Vidaの新機能はこうした問題を取り除くものだ」と語り、HQV Vidaの新機能や画質向上点などを解説した。

 HQV Vidaのほか、日本メーカーのコンポなどでも採用されているというタッチパネルインターフェイス用のコントローラ「LSD6100」なども紹介。日本IDT合同会社の島田源社長は、「IDTの半導体といえば、通信分野が強いと思われているが、コンシューマ分野の比率も高めていきたい。コンシューマ分野の軸となるのは日本なので、日本でこの領域を増やしていきたい」と国内の事業展開について説明した。


HQV Vidaの名前の由来開発用のリファレンスボードタッチセンサー用のコントローラLSIのデモも実施

(2009年 10月 1日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]