CEATEC JAPAN 2009【シャープ編】

60型のU2VAで「フルHD 3D」。LED AQUOSも訴求


会期:10月6日~10月10日

会場:幕張メッセ

入場料:大人1,000円/学生500円
    (事前登録で無料/最終日は無料)


 シャープブースは、「エコ・ポジティブカンパニー」というビジョンをテーマに、LEDや環境対応をアピール。LED搭載「AQUOS LX1」シリーズなどを紹介している。

 


■ フルHD 3Dにシャープも参入。LED AQUOSも大規模展示

 テレビ関連で目を引くのが、60型フルHD 3D液晶テレビの技術展示。60型のUV2Aパネルと新開発のLEDバックライトを採用し、左右それぞれの目にあわせて60枚づつの映像を表示するフレームシーケンシャル方式でデモを行なっている。メガネはアクティブシャッター型のものを利用する。

 暗室でなく、外部光もかなり入る専用ブース内でデモをしており、実用十分な輝度が確保できていることが特徴という。早期の製品化を目指して開発に取り組んでいるという。

シャープの60型フルHD 3Dテレビ
LED AQUOS

 また、テレビ関連では「LED AQUOS」も大きなスペースを割いてアピールしている。

 9月29日に発表した白色LEDバックライト採用の液晶テレビ「AQUOS LX1」シリーズを展示、大阪堺の新工場で10月から製造される新液晶パネル「UV2A」を採用し、黒浮きを抑え、低消費電力を実現したのが特徴。UV2AやLEDの構造説明なども行なっている。


LC-60LX1LC-40LX1UV2Aの光利用効率の高さもアピール
Yahoo!JAPAN for AQUOSの放送/インターネット連携デモ人のアイコンの大きさが事前の期待を、赤色に近くなるほど現在の視聴者数の多さを示す

 参考展示として、ネットワーク機能の「Yahoo!JAPAN for AQUOS」における放送/インターネット連携デモも行なっている。

 1つのデモは、Yahoo!と協力し、放送中の番組の人気度を把握しながら番組選局できるというもの。テレビ画面の右側に、裏番組の情報をネット経由で取得して表示。ここには、人型のアイコンが表示され、これが大きければ事前の人気が高い番組で、色が赤いものが現在視聴者の多い番組ということがわかる。この情報をもとに、利用者は放送中の番組の“人気度”が把握でき、選局に活かせる。

 人気の把握のために、EPGの情報と、デジタル放送受信設定時に指定した地域情報(郵便番号)を照合して、地域と放送中のチャンネルを特定。番組名の検索数やアクセス数などから番組への注目度を割り出すほか、ネットワーク経由で“今見ている人”の情報を検出しているという。

 加えて、新しいメモ機能という「みんなのメモ」も紹介している。表示画面のスクリーンショットを撮影する「画面メモ」ではなく、表示された番組内のコンテンツの情報を放送局のホームページから取得し、AQUOSに最適化して表示する。ショッピング番組の場合は、番組ページや商品情報ページに誘導するほか、Yahoo! ショッピングへの誘導なども可能。さらに、同じ番組をメモした人数を確認することもできる。

人のアイコンの大きさが事前の期待を、赤色に近くなるほど現在の視聴者数の多さを示すメモの共有も可能
新「AQUOSブルーレイ」は2番組同時AVC録画時にBDビデオ再生もできるというマルチタスク性能をアピール

 8.5倍録画モードを備えたレコーダ「AQUOSブルーレイ」の新モデル「BD-HDW50/45/43」なども展示。録画画質だけでなく、世界初の2番組のMPEG-4 AVC/H.264トランスコードやどのマルチタスク性能についてもデモを行なっている。そのほかにも、携帯電話の動画持ち出し機能もアピール。ワンセグ放送よりも高画質な番組を持ち出しできる点をアピールしている。

 また、シャープの「シャープグリーンフロント 堺」についても紹介。LED照明の導入など環境への取り組みや、第10世代液晶ガラス基板による60型8枚取りなどの魅力をアピールしている。


シャープグリーンフロント 堺についても専用コーナーでアピール第10世代液晶ガラス基板

 


■ 家庭内の各機器が連携する「ソーラーファミリンク」

エコ・ポジティブカンパニーをアピール

 また、メインブースでは、“CO2排出量実質ゼロのエネルギー空間”と“快適で健康的なライフ空間”を創出するという「ソーラーDCエコハウス」構想を紹介している。

 シャープは、従来から、家庭内で交流で使われている環境を直流にすることで、交流(AC)と直流(DC)の変換の際に発生する無駄が排除できるなどのメリットを訴求した「DCエコハウス」のコンセプトを紹介していた。それを推し進めて、太陽光発電から、エアコンなど白物家電、テレビなどのデジタル家電などが相互に連携して、創エネと省エネを追求するもの。

 新たにDCエコナビゲーターという集中制御用のコントローラを提案。昼間は太陽光発電によりエネルギーを蓄積するため緑色に点灯し、夜間にテレビや食事の準備などで消費電力が増え、エネルギー創出を超えて電力消費が起きると赤色に点灯する。ナビゲーターから、テレビの画面を見ながら人のいない部屋の電気を消灯すなどのディスプレイを中心とした制御が行なえるほか、電気自動車も含む一週間の家庭内消費電力確認などが行なえる。こうした家庭内の機器連携を「ソーラーファミリンク」と命名。電気機器の連携を今後も高めていく方針を示している。

ディスプレイとコントローラを組み合わせて、家の電力使用量をチェックできる電力消費量が創出量を上回るとDCエコナビゲータの表示が赤色にソーラーファミリンクで家庭内を連結

 


■ ノートPC「Mebius」新モデルや電子ブックなどを訴求

NetWalkerの動画再生もアピール

 モバイルインターネットツール「NetWalker」を使った動画や音楽再生デモも実施。

 さらに、購入した電子書籍をパソコンや電子辞書、専用デバイスなどのさまざまな機器で表示可能にする配信サービスのデモも行なっている。これは一度購入したコンテンツであれば、各機器で認証を行なうだけで、さまざまな機器での電子ブックを利用を可能にするもの。現在出版社や新聞社などのさまざまなコンテンツホルダに提案し、実用化を目指しているが、シャープが開発した技術をどのような枠組みで利用するかは未定という。


電子ブックのネットワークサービスも。マルチデバイス対応の“クラウドブック”を訴求専用の電子ブック端末パソコンでも最適化して楽しめる
10~11月発売予定のノートPC Mebius新モデルも展示。光センサー液晶パットをつかった手書き文字を学習し、オリジナルフォントを作成できるツールやゲームなどを追加するという携帯電話用のソーラパネルも最大出力電力を現在の300mWから450mWに高出力化

(2009年 10月 6日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]