JVA、2009年度ビデオレンタル店実態調査を実施

-売上は前年比91.3%と減少。BDレンタル実施率は68%


統計調査委員会の木村康詩委員長

10月14日発表


 社団法人日本映像ソフト協会(JVA)は14日、2009年度のビデオレンタル店実態調査の結果を発表した。

 ビデオレンタル店の月平均売上額は前年比91.3%の557万円。そのうちDVDの売上額は同93.4%の551.2万円、BDは3.7万円、VHSは同44.9%の8.3万円。DVD/BD/VHSの売上構成比は、DVDが97.9%、BDが0.7%、VHSが1.5%。

 この調査は、同協会のレンタルシステム加盟店約店に対して、郵送によるアンケートで行なわれるもの。調査票送付数は3,976票で、有効回答数は766票、回収率は19.3%。オンラインのネットレンタルサービスおよび、自動レンタル機器によるレンタルについては対象外としている。なお、店舗の回答状況により、総数と各メディアの合計数が一致していないところがある。

【レンタルDVD/BD/VHSの調査結果】
各調査項目の平均値。出展:JVA

 ビデオレンタルの総売上は前年比91.3%の557万円で、'08年をピークに初めてマイナスに転じた。総売上のうち、DVDの売上が同93.4%の551.2万円で、全体の97.9%のシェアを占めていることから、DVDレンタルの売上減少が総売上額の減少に大きく影響したとみている。

 新作DVDの平均レンタル料金は、当日で前年差-11円の313円、1泊2日で同-5円の375円、2泊3日で同-16円の436円、1週間で同-29円の407円、延滞料金で同-5円の257円で、全てのカテゴリで減額となっており、貸出数が前年と大きく変わらないことから、レンタル料金の低価格化が売上減少の要因と分析している。

 '08年より試験的に開始されたBDレンタルに関して、'09年調査におけるレンタル実施率は'08年調査の25.3%から68.2%へと2倍以上に増加。なかでも、レンタル面積40坪以上の店舗では8割以上がBDレンタルを実施しているという。BDの在庫数量も中規模店以上で、前年比4倍以上、貸出枚数も同2倍程度となっており、「商品在庫の充実化が図られている段階」と分析する。BDの売上は平均3.7万円。DVDのレンタル実施率は99.6%、VHSの実施率は72.5%。

 1カ月の貸出数の平均は23,399本・枚で、内訳はDVDが前年比98.4%の23,169枚、BDが56枚、VHSは同45.2%の366本。ソフト在庫数の平均は31,960本・枚で、DVDのタイトル数が前年比107.8%の18,885作品、BDが109作品、VHSが同59.5%の2,832作品、数量はDVDが30,667枚で、BDが133枚、VHSが3,578本。

 DVD/BD/VHSの在庫数量比率はDVDが89.2%、BDが0.4%、VHSが10.4%。月平均仕入は金額でDVDが前年比87.6%の245.1万円、BDが2.4万円、数量でDVDが同119.7%の815枚、BDが8枚となっている。

 1店舗あたりの会員数の平均は、前年比97.5%の9,577人で、男女比は61.9:38.1。


■ 「BDレンタルの本格運用にはまだ時間が必要」

JVA 管理部次長兼広報課長の上田直子氏

 統計委員会の木村委員長は、今回の統計調査の結果を受け、「在庫数は増えているものの、貸出料金は低下、売上も落ちている」とし、「ユーザーの低価格志向とは別の要因があるのではないか考える。今までの売上を維持するには、レンタルならではの魅力を見出して、新規ユーザー獲得へのトライをしていく必要がある」と述べた。

 BDレンタルに関して、統計調査を行なったJVAの上田氏は「BDレンタルを実施する店舗は増えてきたが、一般ユーザーの関心が今ひとつということと、VHSからDVDへの切替がひと段落した段階でもあり、本格的な運用にはまだ時間が必要」とした。


(2009年 10月 14日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]