CAVジャパン、真空管アンプ搭載のiPodオーディオシステム
-「VAZIO」。10W×2chで106,050円からの「T-3」など
CAVジャパンは、真空管アンプ搭載のiPod対応オーディオシステムを「VAZIO」(ヴァッジオ)ブランドとして新設し、2シリーズ3製品を11月13日より順次発売する。種類と価格は下表の通り。
型名 | カラー | 真空管構成 | 出力 | 価格 | 発売時期 |
T-3-WH | ピアノフィニッシュ ホワイト | プッシュプル構成 | 10W×2ch | 111,300円 | 11月下旬 |
T-3-BR | ブラウン | 106,050円 | |||
T-2 | - | シングル構成 | 3W×2ch | 81,900円 | 11月13日 |
T-3-BR。iPod touchは別売 | T-3-WH。iPod touchは別売 | T-2。iPod touchは別売 |
付属のリモコン |
iPod再生に対応した真空管アンプ部と、真空管アンプ用にチューニングしたというスピーカーをセットにしたオーディオシステム。T-3はDock搭載クレードルを同梱。T-2はアンプ部天面にDockを搭載する。iPod内の楽曲再生のほか、iPodへの充電も可能。なお、どちらもDACは搭載せず、デジタル接続には対応していない。
対応iPodは2シリーズとも共通で、第4世代以降のiPod、iPod nano/classic/touch/mini。付属のリモコンで再生/一時停止、巻き戻し/早送り、音量調整などのiPod操作ができる。
■ T-3
ブラウンカラーの「T-3-BR」と、ホワイトカラーでピアノフィニッシュの「T-3-WH」の2モデルを用意。ともに同色のiPod用クレードルを同梱する。アンプ部のフロントパネルにはリアルウッドを使用。アルミのプレート材を挟み込むことで、共振を調整し、音質の向上を図っている。
10W×2ch(6Ω)の真空管アンプを搭載。各チャンネルの初段に12AX7を1本、出力段に6V6を2本の真空管を使用したプッシュプル構成を採用し、「小さな音でも、ふくよかで安定したサウンドを出力できる」としている。6V6には放熱効果を高めるカーボンコートを施しており、長時間の使用でも安定した出力が可能という。
真空管アンプとスピーカー、クレードルの構成 | フロントにはリアルウッドを使用。ヘッドフォン出力も備える | Dock搭載クレードル。色も統一されている |
背面 |
また、フロントにヘッドフォン出力を装備。ヘッドフォンアンプには双3極管の12AU7を採用し、小音量でも臨場感と定位感の安定した音楽を楽しめるとしている。背面にはiPod用クレードル入力のほか、RCAのアナログ音声入力を3系統装備する。
アンプ部の周波数特性は15Hz~35kHz、入力インピーダンスは100kΩ、S/N比は84dB(IHF)、定格入力感度は770mV、歪率は2%以下。消費電力は105W以下。外形寸法は213×286×166mm(幅×奥行き×高さ)、重量10.5kg。
スピーカーは、30mm径ツイータと114mm径ウーファの2ウェイ型で、エンクロージャは突き板仕上げ。真空管アンプに最適なチューニングを施しているという。再生周波数帯域は60Hz~30kHz、インピーダンスは6Ω、最大入力は20W、出力音圧レベルは85dB。外形寸法は158×309×259mm(幅×奥行き×高さ)、重量はペアで8.9kg。スピーカーターミナルはバナナプラグにも対応する。
■ T-2
アルミ材を用いた筐体に、iPod用Dockを搭載。真空管のポテンシャルを発揮するため、Dockからアンプ部まで最短経路にして信号劣化を抑えた作りとなっている。真空管のアンプ出力は3W×2ch。各チャンネルの初段に12AX7、出力段にEL-84を各1本ずつ真空管を使用するシングル回路を採用する。Dockのほか、RCAのアナログ音声入力を3系統装備する。
Dock搭載の真空管アンプとスピーカーの構成 | ヘッドフォン出力は搭載しない | 本体に搭載されたDock部 |
背面 |
アンプ部の周波数特性は20Hz~20kHz、入力インピーダンスは100kΩ、S/N比は80dB(IHF)、定格入力感度は400mV、歪率は2%以下。消費電力は60W以下。外形寸法は260×236×165mm(幅×奥行き×高さ)、重量8.5kg。
スピーカーは、25mm径ツイータと114mm径ウーファの2ウェイ型。エンクロージャには、プレス型のアルミ材を使用。「抜けの良いブライトなサウンドを実現する」としている。再生周波数帯域は60Hz~20kHz、インピーダンスは6Ω、最大入力は20W、出力音圧レベルは84dB。外形寸法は138×268×228mm(幅×奥行き×高さ)、重量はペアで8.04kg。
■ 「真空管アンプでCAV独自の色を出す」
発表会ではCAVジャパン株式会社の代表取締役社長 法月利彦氏が登壇。製品化までの経緯について、「iPodなど最新のデジタルオーディオとアナログの象徴である真空管を融合した製品、ちょっと小洒落たオーディオシステム製品を作りたかった」と説明。「アンプに真空管を使用することで、CAV独自の色を出せると思い、製品を企画した」とした。
次のモデルとして、Bluetooth対応のオーディオシステムやT-3用のCDプレーヤーを投入することも発表。法月社長は「音楽業界に風穴を開けるような製品、また若い人に音に対して関心を持ってもらえるような製品を展開していきたい」と述べた。
CAVジャパン株式会社の代表取締役社長 法月利彦氏 | 新ブランド「VAZIO」のロゴ。“A”は真空管をイメージしているという |
(2009年 10月 26日)
[AV Watch編集部 大類洋輔]